似た意味を持つ「瞠目」(読み方:どうもく)と「刮目」(読み方:かつもく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「瞠目」と「刮目」という言葉は、どちらも「見ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
瞠目と刮目の違い
瞠目と刮目の意味の違い
瞠目と刮目の違いを分かりやすく言うと、瞠目とは目を大きく見開いて見ることを表し、刮目とは注意して見ることを表すという違いです。
瞠目と刮目の使い方の違い
一つ目の瞠目を使った分かりやすい例としては、「瞠目に値する上達ぶりであった」「戦慄のシナリオに瞠目する」「日本人大リーガーの活躍に瞠目するばかりです」「人々が瞠目するほどの小型化を実現した」などがあります。
二つ目の刮目を使った分かりやすい例としては、「今後の事の発展を刮目しております」「英語教育関連の株の動向に刮目せよ」「我々は刮目して待つべきです」「勝負はこれからなのだから刮目して相待すべし」などがあります。
瞠目と刮目の使い分け方
瞠目と刮目という言葉は、どちらも何かを見る様子を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
瞠目とは、目を瞠る(読み方:みはる)ことであり、大きな驚きや感動などの理由から、目を大きく見開く様子を意味します。「瞠目に値する」とは、はかりしれない驚きや重要なものに対して注目に値することを表す言い回しです。
刮目とは、目を刮る(読み方:こする)ことであり、目をこすってよく見ること、対象物を注目することを意味します。「刮目せよ」とは、よく注意して見なさいという命令文で、アニメのセリフなどでも使用されています。
つまり、瞠目とは大きく見開いて見ることであり、刮目とは注意して見ることを意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なりますので区別して使うようにしましょう。
瞠目と刮目の英語表記の違い
瞠目を英語にすると「gazing at」「eye-opening」となり、例えば上記の「瞠目に値する上達ぶり」を英語にすると「eye-opening progress」となります。
一方、刮目を英語にすると「watch with keen interest」「close attention」となり、例えば上記の「事の発展を刮目する」を英語にすると「watch the developments of the affair with keen interest」となります。
瞠目の意味
瞠目とは
瞠目とは、驚いたり感心したりして、目をみはることを意味しています。
瞠目の読み方
瞠目の読み方は「どうもく」です。誤って「どうめ」「とうもく」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「瞠目させる」「瞠目させられる」「瞠目に値する」
「瞠目させる」「瞠目させられる」「瞠目に値する」などが、瞠目を使った一般的な言い回しです。
瞠目の使い方
瞠目を使った分かりやすい例としては、「人々をも瞠目させるニュースであった」「冒険ミステリーの一部始終を瞠目せよ」「想像を絶するトリックに瞠目するに違いない」「瞠目に値するエピソードがあります」などがあります。
その他にも、「先生の経験談を聞いて瞠目結舌しました」「世界中が瞠目する快挙です」「彼女のマルチな才能は瞠目に値する」「英語圏の人々との考え方の違いに瞠目することがあります」などがあります。
瞠目の「瞠」は訓読みで「みはる」「みつめる」と読み、目を大きく開いて見ることを表します。瞠目とは、感心や感動あるいは驚きなどから目を見張ることを意味します。また、見て驚き、感心感動することの意味でも使用されています。
四字熟語「瞠目結舌」の意味
瞠目を用いた四字熟語には「瞠目結舌」(読み方:どうもくけつぜつ)があります。瞠目結舌とは、激しい驚きのために目を見開き、口が塞がって呆然とする様子を意味します。「結舌」は、口を閉じて何も言わないことです。
瞠目の対義語
瞠目の対義語・反対語としては、目を閉じることを意味する「瞑目」、直視することができなくて目をふさぐことを意味する「目を覆う」などがあります。
瞠目の類語
瞠目の類語・類義語としては、怒ったり感心したりして目を大きく見開くを意味する「目を見張る」、驚いて目を見張ることを意味する「目を丸くする」、驚いたり物を探したりするときに目を大きく見開くことを意味する「目を皿にする」、驚いて目を見張るさまを意味する「瞠若」などがあります。
刮目の意味
刮目とは
刮目とは、目をこすってよく見ること、注意して見ること、刮眼を意味しています。
刮目の読み方
刮目の読み方は「かつもく」です。誤って「かつめ」「かつぼく」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「刮目せよ」「刮目する」「刮目に値する」
「刮目せよ」「刮目する」「刮目に値する」などが、刮目を使った一般的な言い回しです。
刮目の使い方
刮目を使った分かりやすい例としては、「敵の動向に刮目せよ」「取締役メンバーの自社株保有数に刮目せよ」「次は書く順番に刮目して見よ」「これから成長するだろうから刮目相対しましょう」などがあります。
その他にも、「刮目に値する成果がありました」「彼の働きぶりは刮目に値する」「効果的なシートマスクの使い方に刮目せよ」「ラブコメアニメはくさいセリフにも刮目せよ」「どんどんステップアップするからな、刮目して待て」などがあります。
刮目とは目をこすってしっかりと見ること、変化などに注意して見ることを意味します。刮目の「刮」は訓読みで「けずる」「こする」と読み、表面に強く押し当てて動かす動作であり、何かの刺激を与えることを表す漢字です。
刮目の語源」
刮目の語源は、中国の古典「三国志」に由来します。この中の一節に「士別れて三日、即ち更に刮目して相待すべし」とあります。「士は三日もたてば、すっかり変わっているものだから注意して見るべきである」という意味で、「刮目」は「注意して見る」という意味で用いられるようになりました。
刮目の対義語
刮目の対義語・反対語としては、ちょっとだけ見やることを意味する「一瞥」、ちょっとだけ見ることを意味する「一目」、一度見ることを意味する「一見」などがあります。
刮目の類語
刮目の類語・類義語としては、注意深くじっと見ることを意味する「注視」、注意して見つめることを意味する「注目」、目をこらして見つめることを意味する「凝視」、じっと見つめることを意味する「熟視」などがあります。
瞠目の例文
この言葉がよく使われる場面としては、驚いたり物を探したりするときに目を大きく見開くことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、瞠目の慣用的な表現には「瞠目する」「瞠目に値する」「瞠目させる」などがあります。
刮目の例文
この言葉がよく使われる場面としては、目をこすってよく見ること、変化などに注目することを表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「刮目相待」(読み方:かつもくそうたい)とは、人や物事の成長や進歩を待ち望むこと、また、今までとは違った目で相手を見ることを意味する四字熟語です。
瞠目と刮目という言葉は、どちらも「見ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目を見張る様子を表現したい時は「瞠目」を、注意して見ることを表現したい時は「刮目」を使うようにしましょう。