似た意味を持つ「テンプレート」と「フォーマット」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「テンプレート」と「フォーマット」という言葉は、「データファイルに関する用語」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
テンプレートとフォーマットの違い
テンプレートとフォーマットの意味の違い
テンプレートとフォーマットの違いを分かりやすく言うと、テンプレートは雛形や見本を表現する時に使い、フォーマットは枠組みや土台を表現する時に使うという違いです。
テンプレートとフォーマットの使い方の違い
一つ目のテンプレートを使った分かりやすい例としては、「テンプレート画像に従って動作確認を行う」「テンプレート素材を使えば素敵なメニュー表を作ることができる」「テンプレート定規を使って手紙を装飾してみた」などがあります。
二つ目のフォーマットを使った分かりやすい例としては、「データフォーマットの確認をしてもらう」「フォーマット化された形式を共有する」「フォーマットする前にデータ移行をする」などがあります。
テンプレートとフォーマットの使い分け方
テンプレートとフォーマットはどちらも、コンピュータにおけるデータファイルを指す言葉としてよく使われていますが、意味が若干異なります。
テンプレートは、あらかじめ形式や手順が定められているものを指す言葉であるため、日付や題目を変更したり、一部変更するだけで目的のものが完成します。
一方のフォーマットは、ファイルの形式や書式の設定を指す言葉であるため、目的の資料などを作るとなった時ある程度レイアウトを自分で作り上げる必要があります。
つまり、テンプレートはほとんど出来上がっている雛形を指し、フォーマットは文字設定などのルールが定められているだけの土台を指すという違いがあります。また、フォーマットは、記録媒体を初期化し機器に適応させることも意味します。
テンプレートとフォーマットの英語表記の違い
テンプレートを英語にすると「template」となり、例えば上記の「テンプレート画像」を英語にすると「the template image」となります。
一方、フォーマットを英語にすると「format」となり、例えば上記の「データフォーマット」を英語にすると「a data format」となります。
テンプレートの意味
テンプレートとは
テンプレートとは、少し手を加えることで求めるデータを作ることが出来る定型的な形式を意味しています。
その他にも、くり抜かれた穴の内側の縁に沿って図形を描くものや定規板を指す言葉としても使われています。
表現方法は「テンプレートを作る」「テンプレートを使う」
「テンプレートを作る」「テンプレートを使う」などが、テンプレートを使った一般的な言い回しです。
テンプレートの使い方
「挨拶状のテンプレート文を参考に文章を考える」「テンプレートに書かれていることはスレッドのルールだ」「テンプレートをダウンロードして活用する方が早い」などの文中で使われているテンプレートは、「定型的な形式」の意味で使われています。
一方、「宴会場のレイアウトをすぐに描き出すことができるテンプレートを知って感動した」「ホームセンターに行けば子どもが喜びそうなテンプレートが売られていた」などの文中で使われているテンプレートは、「製図用定規」の意味で使われています。
テンプレートは英語で「template」と表記され、木や石の材を造形するための型板や鋳型を表す言葉として使われています。カタカナ語として使う場合は、データなどを作る上で見本となるデータを意味する言葉として使われています。
上記例文の「テンプレート文」などのように、データファイルだけでなく文章に対しても使うことができ、いわゆる定型文を指します。どのような意味で使われていても、「テンプレ」と省略されることがあります。
また、ビジネスシーンでも多く使われていますが、インターネットが普及してからスマホやパソコンでSNSにふれたり、画像の加工、年賀状などのデザイン製作をするに当たって、テンプレートが大いに役立てられています。
テンプレートの類語
テンプレートの類語・類義語としては、形式などを示す見本を意味する「雛形」、決まった方式を意味する「定型」、物事を進めるうえで参考となるものを意味する「指針」などがあります。
フォーマットの意味
フォーマットとは
フォーマットとは、書式設定やファイル形式を意味しています。
その他にも、メモリーカードなどの記録媒体をそれぞれの機器で記録が出来るように内容を消去することも意味します。
表現方法は「フォーマットを作る」「フォーマットを変える」「フォーマットする」
「フォーマットを作る」「フォーマットを変える」「フォーマットする」などが、フォーマットを使った一般的な言い回しです。
フォーマットの使い方
「フォーマットが異なるため変更を余儀なくされる」「デザインフォーマットは圧縮されている」「任意のフォーマットで良いと言われている」などの文中で使われているフォーマットは、「書式やファイル形式」の意味で使われています。
一方、「ディスクフォーマットには時間が掛かるらしい」「フォーマットを行う前に必ず必要なデータは保存すること」などの文中で使われているフォーマットは、「ディスク内容を消去し機器が読み書きできるようにすること」の意味で使われています。
フォーマットは英語で「format」と表記され、型や構成、方式、形式を表す言葉として使われています。本来は名詞として使われていますが、動詞として使う場合は初期化するという意味で使われることもあります。
そのため、日本語でも書式や形式、初期化することを指す言葉として使われますが、フォーマットは初期化とは異なり、機器に対応するために内容を全消去した上で読み書きができる形式に設定される場合に使われるため、若干使い方が異なります。
フォーマットの対義語
フォーマットの対義語・反対語としては、一般的な原則に当てはまらないことを意味する「例外」、内容などが他と異なることを意味する「特殊」があります。
フォーマットの類語
フォーマットの類語・類義語としては、事物の一定の標準を意味する「水準」、物事の基準となるものを意味する「規格」、メモリーの記録内容を削除して使い始めの状態にすることを意味する「イニシャライズ」などがあります。
テンプレートの例文
この言葉がよく使われる場面としては、少し手を加えることで求めるデータを作ることが出来る定型的な文書などが挙げられます。
例文5の「テンプレート定規」とは、図形や数字の形がくり抜いてある定規板を指す言葉で、そのくり抜かれた部分の内側の縁に沿って筆記具を滑らせて使用します。
フォーマットの例文
この言葉がよく使われる場面としては、書式設定やファイル形式などが挙げられます。
例文4と例文5のフォーマットは、データを全消去して接続中の機器が読み書きできるようにすることを意味しています。
テンプレートとフォーマットは、どちらも「データファイルに関する用語」を表します。どちらを使うか迷った場合は、雛形や見本を表す場合は「テンプレート」を、枠組みや土台を表す場合は「フォーマット」を使うと覚えておけば間違いありません。