【キャパシティ】と【ケイパビリティ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「キャパシティ」と「ケイパビリティ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「キャパシティ」と「ケイパビリティ」という言葉は、「能力」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




キャパシティとケイパビリティの違い

キャパシティとケイパビリティの意味の違い

キャパシティとケイパビリティの違いを分かりやすく言うと、キャパシティは個人の能力を表現する時に使い、ケイパビリティは組織の能力を表現する時に使うという違いです。

キャパシティとケイパビリティの使い方の違い

一つ目のキャパシティを使った分かりやすい例としては、「キャパシティを超えることがあれば受け入れができなくなるだろう」「自分のキャパシティを見極めたい」「会場のキャパシティが足りなくなるほど盛況だった」などがあります。

二つ目のケイパビリティを使った分かりやすい例としては、「ケイパビリティを高める方法は企業によって異なるが参考になることもある」「ケイパビリティを重視した計画を立てる」「ケイパビリティが失われるようなことはあってはならない」などがあります。

キャパシティとケイパビリティの使い分け方

キャパシティとケイパビリティはどちらも能力を表す言葉ですが、指し示す能力の性質が異なります。

キャパシティは、物事を受け入れて処理する能力を意味する言葉で、個人が許容できる能力や受容力を表します。また、人だけではなく場所にも使われる言葉で、上記例文の「会場のキャパシティ」などのように収容力を表します。

一方のケイパビリティは、組織の全体的な能力や企業の持つ強みを意味する言葉です。経営戦略において重要視されますが、軍事用語として軍事作戦能力を指す言葉としても使われています。

つまり、キャパシティは個人や個々に対して使い、ケイパビリティは組織や企業に対して使うという違いがあります。

その他にも、キャパシティは現在時点での能力を指し、ケイパビリティは将来的に見込まれる能力を指す言葉として区別される場合もあります。

キャパシティとケイパビリティの英語表記の違い

キャパシティを英語にすると「capacity」となり、例えば上記の「キャパシティを超える」を英語にすると「exceed the capacity」となります。

一方、ケイパビリティを英語にすると「capability」となり、例えば上記の「ケイパビリティを高める」を英語にすると「increase capability」となります。

キャパシティの意味

キャパシティとは

キャパシティとは、物事を受け入れて処理する能力を意味しています。

その他にも、収容力を意味する言葉として使われています。

表現方法は「キャパシティオーバ」「自分のキャパシティ」

「キャパシティオーバ」「自分のキャパシティ」などが、キャパシティを使った一般的な言い回しです。

キャパシティの使い方

「キャパシティビルディングのためのプログラムに参加する」「仕事を頼まれすぎてキャパシティオーバーになる」「自分のキャパシティは狭いと思っている」などの文中で使われているキャパシティは、「許容力」の意味で使われています。

一方、「キャパシティコントロールが重要視されている」「日本で一番のキャパシティを誇る場所でライブが行われる」「式場のキャパシティから逆算して招待客を決める」などの文中で使われているキャパシティは、「収容力」の意味で使われています。

キャパシティは英語で「capacity」と表記され、「収容能力」「才能」「度量」といった意味を持つ言葉で、日本語でも同じように使われています。「キャパシティオーバー」を「キャパオーバー」と表現するなどのように、省略して使われることもあります。

「キャパシティビルディング」の意味

上記例文の「キャパシティビルディング」とは、組織や社会がある目標を達成するために必要な能力を向上させることを意味する言葉で、「能力構築」「能力開発」とも呼ばれています。

「キャパシティコントロール」の意味

また、上記例文の「キャパシティコントロール」とは、施設内にいる人数を管理することを意味する言葉で、入場規制などがこれに該当します。会場内が混雑状態になるのを防ぎ、感染症対策にもなるためコロナ禍を経た後では様々な会場で取り組まれています。

キャパシティの対義語

キャパシティの対義語・反対語としては、余った力や他のことをなすことができる力を意味する「余力」があります。

キャパシティの類語

キャパシティの類語・類義語としては、中に入れることのできる量を意味する「容量」、他の人の言動を受け入れようとする心構えや性質を意味する「度量」、乗り物や会場などに無理なく収容できる人数を意味する「定員」などがあります。

ケイパビリティの意味

ケイパビリティとは

ケイパビリティとは、組織の全体的な能力を意味しています。

その他にも、将来性を意味する言葉として使われています。

表現方法は「ケイパビリティを高める」「ネガティブケイパビリティ」

「ケイパビリティを高める」「ネガティブケイパビリティ」などが、ケイパビリティを使った一般的な言い回しです。

ケイパビリティの使い方

「ダイナミックケイパビリティを向上させることで売上につながる」「競合他社が増えればケイパビリティは欠かせない」「ケイパビリティのためにも個人が尊重される」などの文中で使われているケイパビリティは、「組織全体の能力」の意味で使われています。

一方、「ケイパビリティアプローチは経済学者のセンによって提唱された」「ケイパビリティには答えの出るポジティブなものと答えの出ないネガティブなものに分類される」などの文中で使われているケイパビリティは、「将来性」の意味で使われています。

ケイパビリティは英語で「capability」と表記され、「能力」「才能」「将来性」といった意味を持つ言葉で、日本語でも同じように使われています。

「ダイナミックケイパビリティ」の意味

上記例文の「ダイナミックケイパビリティ」とは、環境の変化に合わせて組織や企業内を変革していくことを意味する言葉です。機会を見出す「感知」、機会に応じた商品などを生み出す「捕捉」、優位性維持のための「変容」という三つの能力が必要とされています。

「ケイパビリティアプローチ」の意味

また、上記例文の「ケイパビリティアプローチ」とは、、現状何ができるのか、これから何ができてどのような状態になるのかによって良し悪しを定める社会評価の方法や、その評価観点を指す言葉で、「潜在能力アプローチ」とも呼ばれています。

ケイパビリティの類語

ケイパビリティの類語・類義語としては、その企業独自の技術など核心とも言える能力を意味する「コアコンピタンス」、実行や実現の可能性を意味する「フィージビリティ」があります。

キャパシティの例文

1.キャパシティオーバーの状態では最初に手を付けていた仕事もままならない気がする。
2.自身の体力や筋力を考えた時キャパシティを超えるような重量のものは潔く他者に任せた方がすぐに移動させられるだろう。
3.己のキャパシティを知らないまま酒を飲むことが怖いため、友人との宅飲みで酒との付き合い方を見極めたい。
4.人気アーティストがキャパシティが小さい会場でライブをすると聞いてチケット戦争が起きてしまうことを察した。
5.キャパシティ拡大のために近々改築工事をするらしく、リニューアルオープンが今から楽しみだ。
6.小さい箱でのライブなのに、完全にキャパシティオーバーな数のチケットを売り捌いて、後で泣きを見るのは明らかだ。
7.彼がライブハウスで歌っていた頃から知っているが、今やアリーナクラスのキャパシティの会場でやるようなスターになった。
8.自分の心のキャパシティの小ささにウンザリすることあるけど、結局持てるものだけで生きていくしかない。
9.キャパシティオーバーの状態では、新しいプロジェクトに取り組む余裕もなくなるだろう。自分の限界を認識して、負荷を適切に管理することが重要だ。
10.プロジェクトの成功には、適切なリソースとキャパシティの割り当てが不可欠なのは言うまでもない。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を受け入れて処理する能力を意味する時などが挙げられます。

例文4や例文5のように、人だけでなく会場などの場所の収容力を表す言葉としても使われています。

ケイパビリティの例文

1.自社の強みを如何に上手く伝えられるかがケイパビリティプレゼンテーションでは求められる。
2.組織のケイパビリティを高めていくための戦略を練ることができなければ、ライバル企業に優位を許してしまうだろう。
3.類似したケイパビリティが現れることで、もとより存在していたケイパビリティは劣ったものとして扱われかねない。
4.ネガティブ・ケイパビリティが注目されており、石橋を叩いて渡るような能力も求められていることを知った。
5.ケイパビリティが不足することは貧困と同義であると考えられている。
6.企業のケイパビリティを高めるためには、従業員の能力開発や組織文化の改善が重要であることは言うまでもない。
7.我々はグローバル市場の競争力を維持するために、ダイナミックケイパビリティを持つ組織を築く必要があります。
8.リスク管理のケイパビリティを強化するためには、予測と予防策の策定だけでなく、素早い対応も必要です。
9.採用がうまくいくと、組織のケイパビリティが上がり、新たなビジネスモデルが生まれることもあります。
10.我が社の市場の独占はいつまでも続かない。競合他社が増えればケイパビリティは欠かせないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、組織の全体的な能力を意味する時などが挙げられます。

例文4の「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、答えが出ない事態やどうしようもない状況を耐える能力を意味する言葉です。対義語である「ポジティブ・ケイパビリティ」は、できるだけ早く答えを出す能力を表します。

キャパシティとケイパビリティは、どちらも「能力」を表します。どちらを使うか迷った場合は、個人の能力を表す場合は「キャパシティ」を、組織の能力を表す場合は「ケイパビリティ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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