【脱退】と【卒業】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「脱退」(読み方:だったい)と「卒業」(読み方:そつぎょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「脱退」と「卒業」という言葉は、どちらも抜けることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




脱退と卒業の違い

脱退と卒業の意味の違い

脱退と卒業の違いを分かりやすく言うと、脱退とは円満ではない関係で抜けること、卒業とは円満な関係で抜けることという違いです。

脱退と卒業の使い方の違い

一つ目の脱退を使った分かりやすい例としては、「チームメンバーを強制脱退させる」「脱退届を作成している」「脱退の理由を知りたい」「このグループから脱退を希望した」「脱退を決意しました」などがあります。

二つ目の卒業を使った分かりやすい例としては、「卒業生との交流が続いている」「スイミングスクールに通うのを卒業した」「卒業論文が中々終わらない」「卒業祝いを貰いました」「初心者マークを卒業した」「このグループを卒業した」などがあります。

脱退と卒業の違いをアイドルグループの例を用いて説明します。「人気アイドルグループからAさんが脱退しました」と「人気アイドルグループからAさんが卒業しました」の場合、グループから抜けるということは同じなのですが、意味は異なっています。

「グループ脱退」と「グループ卒業」の違い

「人気アイドルグループからAさんが脱退した」の場合は、契約会社との関係が円満ではなく、本人の意思で途中に抜けた時に使われることが多いです。また、不祥事を起こしてアイドル活動が出来なくなった場合にも使います。

「人気アイドルグループからAさんが卒業した」の場合は、契約会社との関係が円満に終了した時によく使います。卒業という言葉を使ってアイドルがグループを抜ける時は、卒業記念コンサートなどのお別れ会が開かれることが多いです。

脱退と卒業の英語表記の違い

脱退を英語にすると「Withdraw」となり、例えば上記の「脱退の理由」を英語にすると「Reason for withdrawal」となります。一方、卒業を英語にすると「graduat」となり、例えば上記の「このグループを卒業した」を英語にすると「Graduated from this group」となります。

脱退の意味

脱退とは

脱退とは、所属している団体や組織から抜けることを意味しています。

脱退の使い方

脱退を使った分かりやすい例としては、「脱退を発表しました」「このグループから脱退させる」「脱退届を提出した」「脱退を決断しました」「脱退の真相を知りたい」「脱退一時金に関する手続きを行った」などがあります。

その他にも、「このチームから脱退させていただきます」「脱退の手続きをメールで行った」「脱退することに致しました」「脱退の理由を探している」「アイドルのグループ脱退ニュースをよく見る」などがあります。

脱退という言葉は、よくニュースなどで「アイドルグループ〇〇の△△が脱退しました」というフレーズで見かけるはずです。どちらかというとマイナスなイメージで使われます。

そのため上記の「アイドルグループ〇〇の△△が脱退しました」のような場合は、契約している会社と円満に契約終了せず、本人意思で途中で抜けた時に使われます。また、アイドルグループから脱退の表現を一番最初に使ったのが、おニャン子クラブの中島美春と言われています。

脱退の対義語

脱退の対義語・反対語としては、団体などの仲間に加わることを意味する「加入」などがあります。

脱退の類語

脱退の類語・類義語としては、ある状態から抜けることを意味する「離脱」、会員でなくなることを意味する「退会」、団体から抜けることを意味する「退団」、所属していた会から抜けることを意味する「脱会」、所属している政党から抜けることを意味する「離党」などがあります。

脱退の退の字を使った別の言葉としては、国王などがその位を退くことを意味する「退位」、入院していた患者が、病状回復によりその病院から出ることを意味する「退院」、今いる場所から立ち退くことを意味する「退去」などがあります。

卒業の意味

卒業とは

卒業とは、学校などの全課程を終えることを意味しています。

その他にも、ある段階や時期を通り過ぎることの意味も持っています。

卒業の使い方

「卒業生の門出を祝った」「卒業式で泣いてしまった」「卒業式で歌う歌を練習している」「卒業生代表の挨拶を行った」「卒業論文の提出が終わった」などの文中で使われている卒業は、「学校の全課程を終えること」の意味で使われています。

一方、「いつの間にかゲームを卒業していた」「スポーツジムに通うのは卒業しました」「お母さんと一緒に寝るのを卒業した」などの文中で使われている卒業は、「ある段階や時期を通り過ぎること」の意味で使われています。

卒業という言葉は人生において一度は使ったことがある人がほとんどなはずです。ニュースなどでも「アイドルグループ△△の〇〇が卒業しました」というフレーズをよく使っています。

基本的に卒業という言葉を使う場合は、プラスなイメージになります。上記の「アイドルグループ〇〇の△△が卒業しました」のような場合、契約会社と円満に契約終了してそのグループを抜ける時に使います。

そのため、何か月前も前から卒業の日にちが発表され、卒業記念ライブや卒業記念コンサートが行われることが多いです。

卒業の対義語

卒業の対義語・反対語としては、学校の新しい生徒や学生になることを意味する「入学」などがあります。

卒業の類語

卒業の類語・類義語としては、学業などの一定の課程を終わらせることを意味する「修了」、幼稚園や保育園を卒業することを意味する「卒園」、下級兵士のことを意味する「卒」などがあります。

卒業の卒の字を使った別の言葉としては、喫煙を辞めることを意味する「卒煙」、夫婦がそれぞれ独立して生活することを意味する「卒婚」、すでに学校を卒業していることを意味する「既卒」、その年に学校を卒業することを意味する「新卒」などがあります。

脱退の例文

1.迷惑行為を働くプレイヤーをこのチームから脱退させるにはどうすればいいのだろうか。
2.労働組合を脱退するために脱退届の書き方を勉強している。
3.この間、好きなグループのメンバーがジャニーズ事務所を脱退するニュースを見た。
4.韓国アイドルがグループから脱退や休止する記事をネット上でよく見かける。
5.メンバーとの方向性の違いにより、グループを脱退させていただきます。
6.好きだったバンドの主要メンバーが脱退しその後もバンドは活動を続けていたが結局解散してしまった。
7.元信者が、如何にして宗教団体から脱退したかを赤裸々に書いた告白本や動画が今人気を集めている。
8.今年は節目の年なのか、全体的にアイドルグループの解散やメンバー脱退が多く見受けられた年であった。
9.事務所によるアイドルメンバーの脱退の発表には驚いたが、脱退理由が明かされないことからしてよほど深刻な事情があったのだろうな。
10.メンバーにつきましては、我々も引き止めるも、本人の強い希望のため残念ながら脱退する運びとなりました。今まで応援してくれた方々には深く感謝を申し上げます。

この言葉がよく使われる場面としては、所属している団体から抜けることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文5のように所属している団体に何らかの不満を持っていて抜けたり、抜けさせたりする時に使います。基本的にマイナスなイメージしか持っておらず、脱退という言葉を見かけた時は何かあったんだなと察するようにしましょう。

卒業の例文

1.卒業生達は本校の歴史と伝統を胸に学び舎を巣立ちました。
2.テレビで定番の卒業式ソングランキングを放映していたので見た。
3.卒業式映画を視聴したのだが感動のあまり泣いてしまった。
4.昭和の卒業式の歌で代表的なのと言えば、巣立ちの歌だよね。
5.卒業生を送る卒業ゲームは毎年楽しみにしている。
6.卒業アルバムを捨てると言う人を最初は驚いて聞いていたが、確かに卒業以来開いたことなどあっただろうか。
7.卒業式では泣かないと決めていたものの、最後の校歌斉唱のときに自然と涙がこぼれてしまいました。
8.一昔前なら一流大学を卒業したということは、その後の出世が約束されたようなものだったのだそうです。
9.せっかく企業の内定が決まったのに、卒業論文の提出が遅れてしまえばすべて台無しになってしまうだろう。
10.彼女は地元の定時制高校を卒業後、演劇の世界にあこがれて上京して舞台芸術を学んだ。

この言葉がよく使われる場面としては、学校などの全課程を終えることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文5のように、学校の卒業などで使われるのが一般的です。卒業の意味は全課程を終えたことなので基本的にプラスなイメージしかありません。そのため、卒業式は寛大に行われ涙する人も多いはずです。

また、卒業ソングや卒業映画など感動を誘う要素を持ち合わせています。他にも、卒業旅行や卒業コンサートなどイベント事によく繋がります。学業に励んだ場合はきちんと卒業することを目指しましょう。

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