似た意味を持つ「センチメンタル」と「センチメント」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「センチメンタル」と「センチメント」という言葉は、「感情」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
センチメンタルとセンチメントの違い
センチメンタルとセンチメントの意味の違い
センチメンタルとセンチメントの違いを分かりやすく言うと、センチメンタルは感情的な様子を表現する時に使い、センチメントは感情や心情を表現する時に使うという違いです。
センチメンタルとセンチメントの使い方の違い
一つ目のセンチメンタルを使った分かりやすい例としては、「センチメンタルな歌詞は多くの若者の心を掴んだ」「センチメンタルな気分になってしまったため今日は早く寝てしまおう」「センチメンタル・ジャーニーは多くの人に知られている」などがあります。
二つ目のセンチメントを使った分かりやすい例としては、「センチメント分析のためにSNSでサーチを行う」「センチメントが強気であるうちに行動に移すべきだろう」「人間らしいセンチメントを垣間見て何だか嬉しくなった」などがあります。
センチメンタルとセンチメントの使い分け方
センチメンタルとセンチメントはどちらも、感情を意味する言葉ですが、使い方が若干異なります。
センチメンタルは、感傷的で情に脆い様子を指します。上記例文の「センチメンタルな歌詞」「センチメンタルな気分」などのように、感傷的な様子や感情な様子を表す言葉として使われています。また、楽曲のタイトルなどにも多く用いられています。
一方のセンチメントは、情緒や感情そのものを表す言葉です。上記例文の「センチメント分析」「センチメントが強気」などのように、「市場における個人の心理」を指す言葉としても使われています。
つまり、センチメンタルは感情的な様子を表し、センチメントは感情や心情そのものを表すという違いがあります。また、市場心理を表す言葉としては「センチメンタル」ではなく、「センチメント」を用いることがほとんどです。
センチメンタルとセンチメントの英語表記の違い
センチメンタルを英語にすると「sentimental」となり、例えば上記の「センチメンタルな歌詞」を英語にすると「sentimental lyrics」となります。
一方、センチメントを英語にすると「sentiment」となり、例えば上記の「センチメント分析」を英語にすると「sentiment analytics」となります。
センチメンタルの意味
センチメンタルとは
センチメンタルとは、感傷的で情に脆い様子を意味しています。
センチメンタルの使い方
センチメンタルを使った分かりやすい例としては、「センチメンタルな性格の彼女は感情に振り回されることが多い」「夕陽を見ているとセンチメンタルに浸ってしまう」「センチメンタルな気持ちになるのは悪いことではない」などがあります。
その他にも、「センチメンタルな曲は秋や冬に聞きなくなってしまう」「センチメンタルになりやすいためメンタルも頑丈とは言えない」「センチメンタルな人は面倒くさいと評価されているのではないかと不安になる」などがあります。
センチメンタルは英語で「sentimental」と表記され、「感傷的な」「涙もろい」「感情に動かされる」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、「センチ」と省略して「おセンチ」と表現されることもあります。
「センチメンタリスト」の意味
感傷的になりやすい人や感情にふけりやすい人は「センチメンタリスト」と呼ばれ、感情面を優先しやすい人の傾向や感情主義を「センチメンタリズム」と呼ぶなど、派生語も存在します。
センチメンタルの対義語
センチメンタルの対義語・反対語としては、感情に流されずに合理的に割り切る様子を意味する「ドライ」があります。
センチメンタルの類語
センチメンタルの類語・類義語としては、情にもろい様子を意味する「ウェット」、神経質な様子を意味する「ナーバス」、気が塞ぐことを意味する「メランコリー」などがあります。
センチメントの意味
センチメントとは
センチメントとは、情緒や感情を意味しています。
その他にも、市場における個人の心理を意味する言葉として使われています。
センチメントの使い方
「主観的なセンチメントで全ての物事を判断するのは良くないだろう」「センチメントを押さえて話を聞くことに専念した」「センチメント」などの文中で使われているセンチメントは、「情緒や感情」の意味で使われています。
一方、「センチメント分析を行うためにもデータを収集する」「センチメント指標のチャートを参考に分析をする」「センチメントの変化には常に目を光らせておくべきだ」などの文中で使われているセンチメントは、「市場心理」の意味で使われています。
センチメントは英語で「sentiment」と表記され、「感情」「情緒」「感傷」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、特に市場における消費者の感情を指す経済用語として使われることが多くあり、「センティメント」と表記されることもあります。
「センチメント分析」の意味
上記例文の「センチメント分析」とは、メール、SNSへの投稿、アンケートやレビューなどのデータを元にして人間の感情を分析する方法を指す言葉です。購入に肯定的である場合には「強気」、消極的である場合には「弱気」と表現されます。
この市場に対する消費者の感情を数値化したものを「センチメント指標」と呼び、センチメント分析に役立てることになります。
また、センチメントの別表記を含む「コン・センティメント」という表現は音楽用語として使われ、感情をこめて演奏することを指示するために楽譜に記載されます。
センチメントの対義語
センチメントの対義語・反対語としては、落ち着いており穏やかな様子を意味する「穏和」、感じ方が鈍いことを意味する「鈍感」があります。
センチメントの類語
センチメントの類語・類義語としては、心の状態を意味する「心境」、何となく受ける感覚を意味する「フィーリング」、好みや意向を意味する「マインド」などがあります。
センチメンタルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、感傷的で情に脆い様子を意味する時などが挙げられます。
どの例文の「センチメンタル」も「おセンチ」という言葉に言い換えて使うことができますが、死語とされることもあるため、略さずに使われるか、「ナーバス」など別の表現が使われています。
センチメントの例文
この言葉がよく使われる場面としては、情緒や感情を意味する時などが挙げられます。
例文3から5のセンチメントは、「市場心理」を意味する言葉として使われています。
センチメンタルとセンチメントは、どちらも「感情」を表します。どちらを使うか迷った場合は、感情的な様子を表す場合は「センチメンタル」を、感情や心情を表す場合は「センチメント」を使うと覚えておけば間違いありません。