似た意味を持つ「詰めが甘い」(読み方:つめがあまい)と「脇が甘い」(読み方:わきがあまい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「詰めが甘い」と「脇が甘い」という言葉は、どちらも隙があることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「詰めが甘い」と「脇が甘い」の違い
「詰めが甘い」と「脇が甘い」の意味の違い
「詰めが甘い」と「脇が甘い」の違いを分かりやすく言うと、「詰めが甘い」とは物事の最後のタイミングにしか使えない、「脇が甘い」とは物事のどのタイミングでも使えるという違いです。
「詰めが甘い」と「脇が甘い」の使い方の違い
一つ目の「詰めが甘い」を使った分かりやすい例としては、「日本代表の試合を観戦しているが、詰めが甘いと思います」「彼女は入社したばかりなので仕事の詰めが甘いところもある」「彼女は詰めが甘いです」などがあります。
二つ目の「脇が甘い」を使った分かりやすい例としては、「この点差で負けてしまうのは脇が甘いと思う」「彼女は脇が甘いので、変な男に騙されないかとても心配です」「あの力士は脇が甘いです」などがあります。
「詰めが甘い」と「脇が甘い」の使い分け方
「詰めが甘い」と「脇が甘い」はどちらも隙があることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「詰めが甘い」は最後で失敗して上手く終わることができないことを意味しており、物事の最後のタイミングにしか使うことができません。一方、「脇が甘い」は守りが弱く付け込まれやすいことを意味しており、物事のどのタイミングでも使えるというのが違いになります。
「詰めが甘い」と「脇が甘い」は似た意味を持つ言葉ですが、微妙に使い方が異なっているので間違えないように注意しましょう。
「詰めが甘い」と「脇が甘い」の英語表記の違い
「詰めが甘い」を英語にすると「I could have done better」「not thorough」「not follow through」「fail at the last moment」となり、例えば上記の「彼女は詰めが甘いです」を英語にすると「She is not thorough enough」となります。
一方、「脇が甘い」を英語にすると「not good at preventing」「someone’s defenses are weak」となり、例えば上記の「あの力士は脇が甘いです」を英語にすると「That sumo wrestler is not good at preventing his opponents from getting an underarm grip on him」となります。
「詰めが甘い」の意味
「詰めが甘い」とは
「詰めが甘い」とは、最後で失敗して上手く終わることができないことを意味しています。
表現方法は「詰めが甘い人」「詰めが甘い女」「詰めが甘い男」
「詰めが甘い人」「詰めが甘い女」「詰めが甘い男」などが、「詰めが甘い」を使った一般的な言い回しになります。
「詰めが甘い」の使い方
「詰めが甘い」を使った分かりやすい例としては、「彼は詰めが甘いのでここぞというところで勝つことができません」「彼女は詰めが甘いので大切な案件を任すことはできません」「詰めが甘いせいで試合に負けてしまいました」などがあります。
「詰めが甘い」は物事に決着をつける最後のところのことを意味する「詰め」に、厳しさに欠けていることを意味する「甘い」が合わさり、最後で失敗して上手く終わることができないことを意味する言葉です。したがって、マイナスなイメージを伴っている言葉になります。
また、「詰めが甘い」はビジネスシーンやスポーツシーンなどの、競争や勝負事においてよく使われています。
「詰めが甘い」の由来
「詰めが甘い」の由来は将棋です。 将棋で王の逃げ場がなく、次の相手のターンで取られることが確定している場合のことを「詰み」と言います。しかし、最後の「詰め」で相手の王を取ることができないと逆に相手に反撃されてしまいます。
このことが転じて、最後で失敗して上手く終わることができないことを、「詰めが甘い」と言うようになりました。
「詰めが甘い」の類語
「詰めが甘い」の類語・類義語としては、最後の仕上げが不十分なため出来映えが物足りないことを意味する「画竜点睛を欠く」(読み方:がりょうてんせいをかく)、最後にとどめをさす行為が甘いことを意味する「決定打を欠く」などがあります。
「脇が甘い」の意味
「脇が甘い」とは
「脇が甘い」とは、守りが弱く付け込まれやすいことを意味しています。
表現方法は「脇が甘い人」「脇が甘い女性」「脇が甘い男性」
「脇が甘い人」「脇が甘い女性」「脇が甘い男性」などが、「脇が甘い」を使った一般的な言い回しになります。
「脇が甘い」の使い方
「脇が甘い」を使った分かりやすい例としては、「あの施設は警備体制の脇が甘い」「新社長は脇が甘い経営をするので、業績が下がる一方です」「彼は脇が甘いので失言をすることがある」「あの人は脇が甘いので優勝することはないだろう」などがあります。
「脇が甘い」は守りが弱く付け込まれやすいことを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。
「脇が甘い」はビジネスシーンやスポーツシーンなどの、競争や勝負事においてよく使われています。また、基本的にマイナスなイメージを伴っており、プラスのイメージで使うことはありません。
「脇が甘い」の由来
「脇が甘い」の由来は相撲になります。相撲において脇をかためる力が弱いために、相手に有利な組み手やはず押しを許してしまうことを「脇が甘い」と言っていました。これが転じて、守りが弱く付け込まれやすいことの意味で相撲以外でも使われるようになったのが由来です。
「脇が甘い」の類語
「脇が甘い」の類語・類義語としては、危険や災害に対する備えのないことを意味する「無防備」、警戒を怠ることを意味する「不用心」、注意が足りないことを意味する「不注意」、注意や用心の足りないことを意味する「不用意」などがあります。
「詰めが甘い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、最後で失敗をして上手く終わることができないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「詰めが甘い」はスポーツシーンなどの勝負事においてよく使われている言葉です。
「脇が甘い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、守りが弱く付け込まれやすいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「脇が甘い」はスポーツシーンなどの勝負事においてよく使われている言葉です。
「詰めが甘い」と「脇が甘い」はどちらも隙があることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物事の最後のタイミングにしか使えないのが「詰めが甘い」、物事のどのタイミングでも使えるのが「脇が甘い」と覚えておきましょう。