似た意味を持つ「上記」(読み方:じょうき)と「上述」(読み方:じょうじゅつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「上記」と「上述」という言葉は、どちらも「上に位置する事柄」を指しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
上記と上述の違い
上記と上述の意味の違い
上記と上述の違いを分かりやすく言うと、上記とは上に位置する客観的な事柄を表し、上述とは上に位置する主観的な事柄を表すという違いです。
上記と上述の使い方の違い
一つ目の上記を使った分かりやすい例としては、「上記の説明に誤りがありましたので訂正いたします」「上記の件、承知いたしました」「上記金額には消費税は含まれておりません」などがあります。
二つ目の上述を使った分かりやすい例としては、「上述の件につきましては別途お知らせいたします」「上述の通り肥満は生活習慣を引き起こすことがあります」「上述の理由により早期の英語教育には反対です」などがあります。
上記と上述の使い分け方
上記と上述という言葉は、どちらも基本的に会話では用いることがない文章語です。どちらも横書きの文章で使われ、「上に位置する事柄」を指し示す言葉ですが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
上記とは、「上に書き記したこと」を表し、「上記」と記した位置よりも前に書いた部分を指し示す言葉です。指し示す内容が、日時や場所あるいは条件など客観的事実の場合によく使われる表現です。
上述とは、「上で述べたこと」を表します。「上記」と同様に横書きの文章で、この言葉が位置する上の部分を指し示しますが、「上述」はどちらかというと、考えや意見などの主観的な事柄に対して使われています。
上記と上述の英語表記の違い
上記も上述も英語にすると「above-mentioned」「the above」「superscription」となり、例えば上記の「上記の説明」を英語にすると「the above explanation」となります。
上記の意味
上記とは
上記とは、ある記事の上、または前に書いてあること、その文句を意味しています。
上記の読み方
上記の読み方は「じょうき」です。誤って「うえき」「うわき」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「上記に挙げた」「上記で述べた」「上記を踏まえて」
「上記に挙げた」「上記で述べた」「上記を踏まえて」などが、上記を使った一般的な言い回しです。
上記の使い方
上記を使った分かりやすい例としては、「上記の通りお盆期間は休診とさせて頂きます」「上記と同じように記入してください」「上記を踏まえ対策を検討します」「上記の文章を英語に訳してください」などがあります。
その他にも、「上記正に領収いたしました」「上記の通り英語クラスを増設しました」「上記の身分証明書をご持参ください」「ハローワークは上記で述べた職安の愛称です」などがあります。
上記とは、文字通り「上に記していること」を意味する言葉です。横書きの文章で使われる言葉であり、「上記」という語句の前に位置する事柄を指し示す時に「上記」を使用します。違うページに書かれているなど、上に位置しない場合は使用できません。
例文にある「上記正に領収いたしました」というフレーズは、領収証によく書かれている一文です。上に書かれている金額を、間違いなく受け取ったことを意味しています。
上記はどこまでを指すのか
また、上記という言葉はどこからどこまでを「上記」とするかの定義がないため、文章中のどこを指しているのかを捉える必要があります。
上記の対義語
上記の対義語・反対語としては、ある記事や文章のあとに書き記すことを意味する「下記」、その文章よりあとの方に書くことを意味する「後記」、文章でその箇所よりも後に書き記されることを意味する「後掲」などがあります。
上記の類語
上記の類語・類義語としては、文章でそれより前に示してあることを意味する「前出」、その文章より前の部分に書くことを意味する「前記」、文章でその箇所よりも前に書き記されたことを意味する「前掲」、すでに示されていることを意味する「既出」などがあります。
上述の意味
上述とは
上述とは、以上に述べたこと、すぐ前のところで述べたことを意味しています。
上述の読み方
上述の読み方は「じょうじゅつ」です。誤って「しょうじゅつ」「うえじゅつ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「上述のように」「上述の通り」「上述の件」
「上述のように」「上述の通り」「上述の件」などが、上述を使った一般的な言い回しです。
上述の使い方
上述を使った分かりやすい例としては、「このケースも上述の通り変更可能です」「上述のようにお金の使い方は人それぞれです」「上述の英語表現は使われる場面が限定的です」などがあります。
その他にも、「上述したように電子マネーにはデメリットもあります」「意思決定する際には上述したように評価軸を決めることです」「中国語は発音が難しいと上述しましたが習得は可能です」などがあります。
上述とは、「上で述べていること」を表し、「上述」と書いた位置から上の場所にある文章をもう一度示したい場合に用いられます。横書きの文章に用いられる言葉であり、縦書きの場合は「前述」「先述」と記入します。
上述の「述」とは、考えや意見などを述べることを表す漢字です。上述という言葉は、文章で前に述べた意見や考えに対して使われることの多く、日時や条件などに対して使われることはほとんどありません。
上述の対義語
上述の対義語・反対語としては、あとで述べることを意味する「後述」、それより後に述べることを意味する「以下」などがあります。
上述の類語
上述の類語・類義語としては、前に述べたことを意味する「前述」、先に述べたことを意味する「先述」、すでに述べたことを意味する「既述」、それより前に述べたことを意味する「以上」などがあります。
上記の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある記事の上方、または、ある記事の前に書いた部分を表現したい時などが挙げられます。
上記という言葉は、横書きの文章で、その位置から上の場所にある文章を再度示したい場合に用いられます。縦書きの文章では、「右記」を用います。
上述の例文
この言葉がよく使われる場面としては、それより上または前の部分で述べたことを表現したい時などが挙げられます。
上述という言葉は、横書きの文章で用いられる書き言葉です。「上で述べたこと」を表し、客観的事柄ではなく主観的事柄に対して用いられる傾向があります。
上記と上述という言葉は、どちらも「上に位置する文章」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、上に位置する客観的な事柄を表現したい時は「上記」を、上に位置する主観的な事柄を表現したい時は「上述」を使うようにしましょう。