似た意味を持つ「監修」(読み方:かんしゅう)と「プロデュース」(読み方:ぷろでゅーす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「監修」と「プロデュース」という言葉は、どちらも何かを制作することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「監修」と「プロデュース」の違い
「監修」と「プロデュース」の意味の違い
「監修」と「プロデュース」の違いを分かりやすく言うと、「監修」とは専門的な分野を監督すること、「プロデュース」とは企画から完成まで全てに携わることという違いです。
「監修」と「プロデュース」の使い方の違い
一つ目の「監修」を使った分かりやすい例としては、「新しく辞典作るので監修することになりました」「この商品は専門家の監修を受けています」「私のところに監修の依頼がきました」「この辞書は伊藤氏によって監修されました」などがあります。
二つ目の「プロデュース」を使った分かりやすい例としては、「連続ドラマをプロデュースすることになりました」「彼女は以前のようにいい洋服をプロデュースできなくなっています」「彼は多くの映画をプロデュースしています」などがあります。
「監修」と「プロデュース」の使い分け方
「監修」と「プロデュース」はどちらも何かを制作することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「監修」は自分の専門的な分野において、チェックをしたりアドバイスする場合に使う言葉ですが、「プロデュース」は企画から完成まで全てに携わり、お金も口も出す場合に使う言葉というのが違いになります。
例えば、新しいカップラーメンを商品化する際に、価格はこのくらいにしよう、パッケージがこういうのにしよう、味のチェックは有名ラーメン店のシェフにしてもらうなどのように、企画から完成まで全てに携わるのが「プロデュース」です。
そしてこの「プロデュース」において、味のチェックは有名ラーメン店のシェフにしてもらうのように、専門的な部分をチェックするのが「監修」になります。
「監修」と「プロデュース」の英語表記の違い
「監修」を英語にすると「supervision」となり、例えば上記の「この辞書は伊藤氏によって監修されました」を英語にすると「This dictionary was compiled under the supervision of Mr.Ito」となります。
一方、「プロデュース」を英語にすると「produce」となり、例えば上記の「彼は多くの映画をプロデュースしています」を英語にすると「He produced many movies」となります。
「監修」の意味
「監修」とは
「監修」とは、著述や編集などを監督することを意味しています。
表現方法は「監修のもと」「監修する」「監修を受ける」
「監修のもと」「監修する」「監修を受ける」などが、「監修」を使った一般的な言い回しになります。
「監修」の使い方
「監修」を使った分かりやすい例としては、「新しい教科書を監修することになりました」「有名店のシェフが監修したコンビニ弁当が発売されました」「この漫画は人気サッカー選手が監修しているらしいです」などがあります。
「監修」とは、著述や編集などを監督することを意味する言葉です、監督といっても一から企画したりするのではなく、専門的な分野においてチェックしたりアドバイスすることを指しています。
例えば、「有名カレー店監修のレトルトカレー」という商品があった場合、そのカレーのレシピや味についてなどの専門的な部分にのみ関わっているのが「監修」です。
「監修」は責任表示となっています。責任表示とは、図書に表示される作者名などの総称のことです。そのため、誰が「監修」した著作物では、著者名などと一緒にタイトルの後ろに書くのが一般的になっていると覚えておきましょう。
「監修」の類語
「監修」の類語・類義語としては、全体をまとめて統轄し監督することを意味する「統監」、映画や舞台などでグループをまとめて指揮する人のことを意味する「監督」、仕事や人を管理して上手くまとめることを意味する「締めくくる」などがあります。
「プロデュース」の意味
「プロデュース」とは
「プロデュース」とは、映画やテレビ番組などを制作することを意味しています。
表現方法は「プロデュースする」「プロデュース力」「プロデュースを手掛ける」
「プロデュースする」「プロデュース力」「プロデュースを手掛ける」などが、「プロデュース」を使った一般的な言い回しになります。
「プロデュース」の使い方
「プロデュース」を使った分かりやすい例としては、「彼はいくつもの舞台をプロデュースしています」「新作アニメをプロデュースすることになりました」「彼は以前のようにいい音楽をプロデュースすることはできません」などがあります。
「プロデュース」は映画やテレビ番組などを制作することを意味する和製英語です。和製英語とは、日本で日本人により作られた、英語の言葉や英語に似ている言葉のことを意味しています。
「プロデュース」は企画から完成まで全てに携わっているというのが特徴です。
分かりやすく説明すると、「新作映画をプロデュースする」とした場合、どんな内容の映画にしよう、キャストは誰にしよう、どのくらいの長さにしよう、撮影場所はここにしようなどのように、何から何でも決めるというのが「プロデュース」になります。
「プロデュース」の類語
「プロデュース」の類語・類義語としては、物事をとりまとめることを意味する「マネージ」、芸術作品などを作ることを意味する「制作する」、新しいものや今までなかったものを作り出すことを意味する「生み出す」などがあります。
「監修」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、著述や編集などを監督することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「監修」は、専門的な分野を監督した場合に使う言葉です。
「プロデュース」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、映画やテレビ番組などを制作することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「プロデュース」は、企画から完成まで行う場合に使う言葉です。
「監修」と「プロデュース」はどちらも何かを制作することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、専門的な分野を監督することを表現したい時は「監修」、企画から完成まで全てに携わることを表現したい時は「プロデュース」を使うと覚えておきましょう。