似た意味を持つ「軟水」(読み方:なんすい)と「硬水」(読み方:こうすい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「軟水」と「硬水」という言葉は、どちらも「天然の水」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
軟水と硬水の違い
軟水と硬水の意味の違い
軟水と硬水の違いを分かりやすく言うと、軟水とはミネラルの含有量が少ない水、硬水とはミネラルの含有量が多い水という違いです。
軟水と硬水の使い方の違い
一つ目の軟水を使った分かりやすい例としては、「軟水を活かした料理をご紹介いたします」「この天然水は軟水なので飲みやすいです」「軟水器の世界市場は拡大し続けています」「コーヒーには硬水ではなく軟水を使うことをおすすめします」などがあります。
二つ目の硬水を使った分かりやすい例としては、「硬水を飲むメリットはたくさんあります」「健康への影響を考えて硬水を飲んでいます」「軟水よりも硬水の方がph値は高めです」「硬水を軟水に変える簡単な方法があります」などがあります。
軟水と硬水の使い分け方
軟水と硬水という言葉は、どちらも特定の水源から採水された天然水を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
軟水とは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分をほとんど含まない水を意味します。ふつう硬度10度以下の水を指し、ミネラル分が少ないため石鹸などとの化学反応を起こしづらく、洗濯や入浴に適しています。日本の雨水や水道水などは、ほとんど軟水です。
硬水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分をたくさん含んだ水を意味します。ふつう硬度20度以下の水を指し、ミネラル豊富なため現代人に不足しがちなミネラル補給に適しています。煮沸によって軟水になるものを「一時硬水」、ならないものを「永久硬水」に分類することができます。
つまり、軟水と硬水の違いは、その水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの量です。ミネラルの含有量が少ない水を「軟水」、ミネラルの含有量が多い水を「硬水」と呼びます。
軟水と硬水の英語表記の違い
軟水を英語にすると「soft water」となり、例えば上記の「軟水を活かした料理」を英語にすると「dishes that take advantage of soft water」となります。
一方、硬水を英語にすると「hard water」となり、例えば上記の「硬水を飲むメリット」を英語にすると「benefits of drinking hard water」となります。
軟水の意味
軟水とは
軟水とは、カルシウムやマグネシウムなどの塩類の含有量が少ない水を意味しています。
軟水の使い方
軟水を使った分かりやすい例としては、「日本の水道水は軟水がほとんどです」「洗車用に軟水器を買いました」「ボーナスで家庭用の軟水器を購入する予定です」「軟水器の仕組みを簡単にご説明いたします」などがあります。
その他にも、「赤ちゃんにもおすすめのペットボトルはどれですか」「超軟水に正式な基準はありません」「これまで軟水と鉱水の違いを知りませんでした」「軟水のミネラルウォーターを買って飲んでいます」などがあります。
軟水とは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分の含有量が少ない水のことです。世界保健機構(WHO)の基準では、硬度120mg/L未満が軟水と定義されています。日本の水のほとんどは軟水で、洗濯や染色などに適しています。
軟水の特徴
軟水の特徴は、無機塩類をそれほど多く溶かしていない水なので、口当たりがまろやかでさっぱりと飲みやすいことです。また、軟水は無味無臭であるため、素材の味を生かすような繊細な和食にも適しています。
軟水の対義語
軟水の対義語・反対語としては、ミネラル成分を多く含む水を意味する「硬水」などがあります。
軟水の類語
軟水の類語・類義語としては、塩分などのまじらない水を意味する「真水」、塩分をほとんど含まない水を意味する「淡水」、淡水と海水がまじり合った塩分の少ない水を意味する「汽水」、軽水素と酸素とからなる普通の水を意味する「軽水」などがあります。
硬水の意味
硬水とは
硬水とは、カルシウムやマグネシウムなどを比較的多量に含んでいる水を意味しています。
硬水の使い方
硬水を使った分かりやすい例としては、「硬水の効果を実感しています」「硬水のメリットの一つに便秘解消があります」「あなたは硬水と鉱水の違いを説明できますか」「WHOの基準で硬度120mg/L以上が硬水とされている」などがあります。
その他にも、「健康志向の人ほど硬水を愛飲しています」「硬水と軟水、体に良いのはどっちですか」「日本製のシャンプーは海外の硬水に向いていません」「コンビニで買えるおすすめの硬水はどれですか」などがあります。
硬水とは、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンを比較的多く含む天然の水を意味し、前述した「軟水」と対になる言葉です。世界保健機構(WHO)のガイドラインでは、硬度120mg/L以上を基準として硬水と分類しています。
硬水の使い方
硬水の特徴は、ミネラルの含有量がが多くなるため、人によっては口当たりが重く苦みを感じることです。一方、マグネシウムとカルシウムを多く含むことから、便秘解消や動脈硬化予防に効果があることはメリットの一つとして挙げられます。
硬水の対義語
硬水の対義語・反対語としては、ミネラル成分が少ない水を意味する「軟水」などがあります。
硬水の類語
硬水の類語・類義語としては、塩分を含む水や食塩を溶かした水を意味する「塩水」、海洋を満たしている一種の無機電解質の溶液を意味する「海水」、太陽光の届かない水深200メートル以上の深海に分布する水を意味する「海洋深層水」などがあります。
軟水の例文
この言葉がよく使われる場面としては、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの含有量が少ない水を表現したい時などが挙げられます。
例文3にある「超軟水」とは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が極端に少ない水のことです。
硬水の例文
この言葉がよく使われる場面としては、マグネシウム塩類やカルシウム塩類をかなり含む天然水を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある硬水と鉱水の違いは、硬水は水の硬度が高いことを表しますが、鉱水はミネラル成分を含む地下水という水の種類を表す点です。一般に、ミネラル成分を多量に含む硬水を赤ちゃんに与えることは避けるべきだとされています。
軟水と硬水という言葉は、どちらも「天然水」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ミネラル分が少ない水を表現したい時は「軟水」を、ミネラル分を多く含む水を表現したい時は「硬水」を使うようにしましょう。