同じ「どうぞくけんお」という読み方の「同族嫌悪」と「同属嫌悪」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「同族嫌悪」と「同属嫌悪」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
同族嫌悪と同属嫌悪の違い
同族嫌悪と同属嫌悪の意味の違い
同族嫌悪と同属嫌悪の違いを分かりやすく言うと、同族嫌悪とは同じ属性の人だけでなく家族に対する嫌悪感も表し、同属嫌悪とは同じ属性の人に対する嫌悪感のみを表すという違いです。
同族嫌悪と同属嫌悪の使い方の違い
一つ目の同族嫌悪を使った分かりやすい例としては、「同族嫌悪があり親を見ているとイライラする」「マニアやオタクは同族嫌悪に陥りやすい」「同族嫌悪のメカニズムが知りたいです」「同族嫌悪を心理学からアプローチする」などがあります。
二つ目の同属嫌悪を使った分かりやすい例としては、「自分の欠点を持っている人に対して同属嫌悪を抱く」「あの人の考えは理解できるけど同属嫌悪してしまう」「仲間であるオタクに同族嫌悪を感じる」などがあります。
同族嫌悪と同属嫌悪の使い分け方
同族嫌悪と同属嫌悪という言葉は、辞書に載っていない俗語ですが、どちらも身内や属性が同じ人に嫌悪感を抱くことを意味し、ほぼ同じように使われています。あえて違いを挙げるならば、家族や親族に対する嫌悪感は、同族嫌悪と表現することが適切であることでしょう。
「同族」と「同属」という言葉の違いにフォーカスすると、同族はもともと血のつながりがある親族関係を表す言葉ですが、「同属」は血筋に関係なく同じ部類に属するものを表します。よって、家族や身内に対して嫌悪感を抱く場合は、同族嫌悪という言葉が適切だと言えます。
また、二つの言葉を比べると、同族嫌悪の方が多く使われているという違いもあります。Googleのヒット件数を比較すると、同族嫌悪は約92万件、同属嫌悪は約4万件と20倍以上の差があります。この結果から、同族嫌悪の方が世間一般で多用されているメジャーな表現だと言えるでしょう。
同族嫌悪と同属嫌悪の英語表記の違い
同族嫌悪も同属嫌悪も直訳した表現はありませんが、近い表現としては「disliking people similar to oneself」があります。
同族嫌悪の意味
同族嫌悪とは
同族嫌悪とは、同じ血統の者や、同じ種類の人を憎しみ嫌うことを意味しています。
同族嫌悪の読み方
同族嫌悪の読み方は「どうぞくけんお」です。誤って「どうぞくけんあく」「どうぞくけんわる」などと読まないようにしましょう。
同族嫌悪の使い方
同族嫌悪を使った分かりやすい例としては、「気位が高い家族に同族嫌悪を感じる」「性格診断によると私は同族嫌悪しやすいようだ」「英語圏にも同族嫌悪という感情はあるのだろうか」「似たような性格の人を同族嫌悪してしまう」などがあります。
その他にも、「人はなぜ同族嫌悪をしてしまうのでしょうか」「オタクは同族嫌悪を抱きやすい」「ミラーリング効果とは逆に同族嫌悪を感じやすい人もいます」「感情が態度に出やすい女性に同族嫌悪を抱いてしまう」などがあります。
同族嫌悪という言葉は、「同族」と「嫌悪」から成る複合語です。「同族」は同じ血筋一族あるいは同じ部族や系統に属していること、「嫌悪」は憎しみ嫌うことや強い不快感を持つことを表します。同族嫌悪とは、同じ血統の者や同じ種類の人に対する強い嫌悪感を意味する言葉です。
同族嫌悪を抱く理由は、大きく二つあると言われています。一つは自分の嫌な部分を相手に見出してしまう為、もう一つは同じキャラクターの存在により自分のアイデンティティが揺らいだり、ユニークさの価値が下がってしまう為です。
同族嫌悪の対義語
同族嫌悪の対義語・反対語としては、自分に関係のある人を特別にひいきすることを意味する「身びいき」、似た気性の持ち主は求め合って自然に寄り集まるということを意味する「同気相求」などがあります。
同族嫌悪の類語
同族嫌悪の類語・類義語としては、親族同士または階層や性質などの似た者同士が憎み合うことを意味する「近親嫌悪」、家族や血縁者が互いに対立して争うことを意味する「骨肉の争い」、肉親同士が争い合うことを意味する「骨肉相食む」などがあります。
同属嫌悪の意味
同属嫌悪とは
同属嫌悪とは、同じ属性を持つ人に対して嫌悪感を抱くことを意味しています。
同属嫌悪の使い方
同属嫌悪を使った分かりやすい例としては、「自分と同じく英語が苦手なクラスメイトに同属嫌悪を感じる」「同属嫌悪をやめたいと思っています」「自己肯定感が低いと同属嫌悪に陥りやすいそうです」などがあります。
その他にも、「嫉妬からくる同属嫌悪もあります」「男性よりも女性の方が同属嫌悪を抱く傾向があります」「同属嫌悪をするオタクが増えています」「似たような性格の友達に同属嫌悪を抱く」などがあります。
同属嫌悪の「同属」とは、同じ種類に属することであり、同じ仲間や種類を表します。憎み嫌うことを表す「嫌悪」と組み合わさり、同属嫌悪とは、自分と同じ趣味や性質を持つ人に対して嫌悪感を抱くことを意味する言葉です。
自分の仲間に対する同属嫌悪をやめたい、克服したいと考えるならば、自己肯定感を高めることです。自分の嫌いな部分を認めたり、自己のアイデンティティを確立することで、同じ趣味や考えを持つ仲間も受け入れられるようになります。
同属嫌悪の対義語
同属嫌悪の対義語・反対語としては、気の合った者や似通った者は自然に寄り集まることを意味する「類は友を呼ぶ」、自分の仲間以外の者すべてをしりぞけて受け入れないことを意味する「排他」などがあります。
同属嫌悪の類語
同属嫌悪の類語・類義語としては、仲間どうしが争って分裂することを意味する「仲間割れ」、仲間同士の争いを意味する「内輪もめ」、オタク用語で同じ対象を応援する他のファンと交流を持ちたくないことを意味する「同担拒否」などがあります。
同族嫌悪の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じ血統の者に対して抱く嫌悪感を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、同族嫌悪という言葉は、家族や親戚などの血縁関係のある人に対して用いることが多くあります。
同属嫌悪の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分と同じ趣味や性質を持つ人に対して抱く嫌悪感を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、同属嫌悪という言葉は、恋人や友人、同僚など広い範囲の仲間に対して使われている言葉です。
同族嫌悪と同属嫌悪という言葉は、どちらも「自分と似た者に対して嫌悪感を抱くこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、特に家族や身内に対する嫌悪感を表現したい時は「同族嫌悪」を使うようにしましょう。