似た意味を持つ「泥のように眠る」(読み方:どろのようにねむる)と「白河夜船」(読み方:しらかわやふね)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「泥のように眠る」と「白河夜船」という言葉は、どちらもぐっすり眠っていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「泥のように眠る」と「白河夜船」の違い
「泥のように眠る」と「白河夜船」の意味の違い
「泥のように眠る」と「白河夜船」の違いを分かりやすく言うと、「泥のように眠る」とは中国が由来の言葉、「白河夜船」とは京都が由来の言葉という違いです。
「泥のように眠る」と「白河夜船」の使い方の違い
一つ目の「泥のように眠る」を使った分かりやすい例としては、「長旅に疲れて泥のように眠っていまいました」「私は酔うと泥のように眠ることが多いです」「私は昨日泥のように眠りました」などがあります。
二つ目の「白河夜船」を使った分かりやすい例としては、「電車で白河夜船だったせいで目的の駅を乗り過ごしてしまいました」「昨日は白河夜船だったので消防車のサイレン音に気づきませんでした」「私はその時白河夜船でした」などがあります。
「泥のように眠る」と「白河夜船」の使い分け方
「泥のように眠る」と「白河夜船」はどちらもぐっすり眠っていることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「泥のように眠る」は中国が由来の言葉なのに対して、「白河夜船」は京都が由来の言葉という点です。
また、「白河夜船」には知ったかぶりをすることという意味があるのも違いの一つになります。
「泥のように眠る」と「白河夜船」の英語表記の違い
「泥のように眠る」を英語にすると「sleep like a log」となり、例えば上記の「私は昨日泥のように眠りました」を英語にすると「I slept like a log yesterday」となります。
一方、「白河夜船」を英語にすると「fast asleep」「sound asleep」となり、例えば上記の「私はその時白河夜船でした」を英語にすると「I was sfast asleep then」となります。
「泥のように眠る」の意味
「泥のように眠る」とは
「泥のように眠る」とは、正体もなく眠り込んでいることを意味しています。
「泥のように眠る」の読み方
「泥のように眠る」の読み方は「どろのようにねむる」です。誤って「でいのようにねむる」などと読まないようにしましょう。
「泥のように眠る」の使い方
「泥のように眠る」を使った分かりやすい例としては、「疲れが溜まっていたせいかソファーの上で泥のように眠ってしまいました」「泥のように眠ってしまい起きたら夜になっていました」「私は泥のように眠るくらい疲れていたらしいです」などがあります。
「泥のように眠る」とは正体もなく眠り込んでいることを意味することわざです。正体とは、正常に意識が働いている様子ことを意味しています。つまり、「泥のように眠る」は疲労や酔いなどで意識が正常に働かないほどぐっすり寝ている場合に使う言葉です。
「泥のように眠る」の由来
「泥のように眠る」は中国が由来の言葉になります。中国の古書『異物志』に登場し、海に住むとされる空想上の虫「泥」が関係しています。「泥」は骨がないため、海から陸に上がると泥のように形を保てずぐったりと横たわるのです。
これが転じて、正体もなく眠り込んでいることを「泥のように眠る」と言うようになりました。
「泥のように眠る」を使う上で注意しなければならないのは、疲れや酔いなどでぐっすりと寝ている場合のみ使えるという点です。30分だけ仮眠を取る場合や、うたた寝をした場合などの軽い眠りでは使うことはできないと覚えておきましょう。
「泥のように眠る」の類語
「泥のように眠る」の類語・類義語としては、少しのことでは目が覚めないくらい深く眠り込むことを意味する「爆睡する」、なまけて眠ってばかりいることを意味する「惰眠を貪る」、ぐっすりとよく眠ることを意味する「熟睡する」などがあります。
「白河夜船」の意味
「白河夜船」とは
「白河夜船」とは、何も気がつかないほどよく寝入っていることを意味しています。その他にも、知ったかぶりをすることの意味も持っています。
「白河夜船」の読み方
「白河夜船」の読み方は「しらかわよふね」です。誤って「しろかわよふね」「しらかわやふね」「しらかわやせん」などと読まないようにしましょう。
また、「白河夜船」の「白河」を「白川」、「夜船」を「夜舟」と表記することは可能となっています。
「白河夜船」の使い方
「ウチの息子は白河夜船なので寝かしつけがとても楽です」「白河夜船だったので宅配便のピンポンに気づきませんでした」などの文中で使われている「白河夜船」は、「何も気がつかないほどよく寝入っていること」の意味で使われています。
一方、「彼の話は白河夜船ばかりで信用できません」「彼女の言ってたことは白河夜船でとても苦労させられました」などの文中で使われている「白河夜船」は、「知ったかぶりをすること」の意味で使われています。
「白河夜船」は何も気がつかないほどよく寝入っていることや知ったかぶりをすることを意味する四字熟語です。
「白河夜船」を使う上で注意しなければならないのは、何も気づかないほどぐっすりと眠っている場合にしか使えないという点です。集中していなくて気付かない場合になどには使うことはできません。
また、二つ目の知ったかぶりの意味の場合は相手を騙すというニュアンスはなく、自分を大きく見せるために知ったかぶりをするというニュアンスで使うと覚えておきましょう。
「白河夜船」の由来
「白河夜船」は京都の白河を知ったかぶりしたことが由来です。昔、京都を見てきたふりをする者が白河のことを聞かれた際に、川の名だと勘違いして夜に船で通ったから知らないと答えました。
しかし、白河は川ではなく京都の地名だったため、京都へ行ったという嘘がバレてしまったそうです。このことが転じて、何も気がつかないほどよく寝入っていることや知ったかぶりをすることを「白河夜船」と言うようになりました。
「白河夜船」の類語
「白河夜船」の類語・類義語としては、ぐっすりと眠り続けることを意味する「眠りこける」、自分で修得したものでなく人から聞いて得た知識のことを意味する「耳学問」、本当は知らないのにいかにも知っているようなそぶりをすることを意味する「知ったかぶり」などがあります。
「泥のように眠る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、正体もなく眠り込んでいることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「泥のように眠る」は正気もなくぐっすりと寝ている場合に使う言葉です。
「白河夜船」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何も気がつかないほどよく寝入っていることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、知ったかぶりをすることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「白河夜船」は何も気がつかないほどよく寝入っていること、例文4と例文5の「白河夜船」は知ったかぶりをすることの意味で使っています。
「泥のように眠る」と「白河夜船」はどちらもぐっすり眠ることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「泥のように眠る」は中国が由来の言葉、「白河夜船」は京都が由来の言葉と覚えておきましょう。