似た意味を持つ「パラダイムシフト」と「パラダイムチェンジ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「パラダイムシフト」と「パラダイムチェンジ」という言葉は、「物事の枠組みの変化」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
パラダイムシフトとパラダイムチェンジの違い
パラダイムシフトとパラダイムチェンジの意味の違い
パラダイムシフトとパラダイムチェンジの違いを分かりやすく言うと、パラダイムシフトの方がパラダイムチェンジよりも一般的に使われているという違いです。
パラダイムシフトとパラダイムチェンジの使い方の違い
一つ目のパラダイムシフトを使った分かりやすい例としては、「様々なパラダイムシフトが観測されてきた」「パラダイムシフトを経た後の社会では新しい技術が必要不可欠だ」「パラダイムシフトほど劇的でないにしろ徐々に変化している」などがあります。
二つ目のパラダイムチェンジを使った分かりやすい例としては、「パラダイムチェンジの時代がこれから到来することだろう」「弊社にもパラダイムチェンジが求められている」「パラダイムチェンジは目に見える変化が起きる」などがあります。
パラダイムシフトとパラダイムチェンジの使い分け方
パラダイムシフトとパラダイムチェンジは、どちらも物事の考え方が根本的に変化することを意味する言葉で、全く同じ意味を持ち、同じ使い方をします。
強いて違いを挙げるのであれば、パラダイムシフトの方がパラダイムチェンジよりも多く使われているという点が挙げられます。
これらの言葉は、その時代や集団の思想や価値観などが劇的に変化することを意味し、科学哲学者のトーマス・クーンによって提唱された概念である「パラダイム」を使った言葉です。
「パラダイム」という言葉はもともと「規範」や「範例」を表していましたが、定義が曖昧だったこともあって誤解されるようになり、拡大解釈されたまま一般化されることとなりました。
また、「シフト」も「チェンジ」も変化することや変化させることを意味する言葉であるため、パラダイムシフトとパラダイムチェンジはどちらも同じ意味であると言えますが、インターネット上では前者の方が多く使われています。
パラダイムシフトとパラダイムチェンジの英語表記の違い
パラダイムシフトとパラダイムチェンジを英語にすると「paradigm shift」となり、例えば上記の「様々なパラダイムシフト」を英語にすると「a variety of paradigm shifts」となります。
パラダイムシフトの意味
パラダイムシフトとは
パラダイムシフトとは、価値観や思想の劇的な変化を意味しています。
パラダイムシフトの使い方
パラダイムシフトを使った分かりやすい例としては、「経験したパラダイムシフトは流行病によるものだった」「社会の発展を紐解いてみればパラダイムシフトも理解できるだろう」などがあります。
その他にも、「歴史上におけるパラダイムシフトは見ていて面白いものだ」「当たり前だと思っていたことが変わってしまうパラダイムシフトにしばらくは適応できる気がしない」「働き方に関するパラダイムシフトは世界的に起きて然るべきだ」などがあります。
パラダイムシフトは英語で「paradigm shift」と表記され、パラダイムシフトという発音が訳としても使われています。この言葉に含まれるパラダイムは模範を意味しますが、提唱された概念が曖昧だったため、「その時代の思考の枠組み」という意味で誤用されます。
科学的な用語としては1962年にて使われていましたが、1970年には撤回されることとなりますが、誤用が一般化したことで今日でも「時代や組織が持つ価値観や思想」といった意味で使われています。
そのため、「変化すること」を意味するシフトという言葉と組み合わさり、「集団が持つ思想やその時代における価値観が変化すること」という意味でパラダイムシフトは使われることとなりました。
パラダイムシフトの対義語
パラダイムシフトの対義語・反対語としては、規範となる型を意味する「典型」、変わらない事を意味する「不変」があります。
パラダイムシフトの類語
パラダイムシフトの類語・類義語としては、移り変わることを意味する「遷移」、代わることができることを意味する「可変」があります。
パラダイムチェンジの意味
パラダイムチェンジとは
パラダイムチェンジとは、社会のシステムなどを変容させることを意味しています。
パラダイムチェンジの使い方
パラダイムチェンジを使った分かりやすい例としては、「パラダイムチェンジを経て国民の思想は大きく変わった」「技術の発展はパラダイムチェンジを引き起こしやすい」「自分はパラダイムチェンジを経験したことがないと思う」などがあります。
その他にも、「パラダイムチェンジは短いスパンで起きるものではない」「実際にパラダイムチェンジを目の当たりにした時は自身の適応力に驚いた」「パラダイムチェンジを超えた後のメリットはデメリットよりも大きい」などがあります。
パラダイムチェンジは英語で「paradigm change」と表記されますが、パラダイムチェンジと訳されることは滅多になく、根本的転換などと訳されるか、パラダイムシフトという表記が使われることがほとんどです。
由来、意味や使い方はパラダイムシフトと同じですが、「change the paradigm」という表現がされることから、シフトをチェンジに置き換えて使うことも問題はないため、日本ではパラダイムチェンジという言葉も使われています。
パラダイムチェンジの対義語
パラダイムチェンジの対義語・反対語としては、見習うべき手本を意味する「模範」、一定していて変わらないことを意味する「定常」、長く続くことを意味する「永続」があります。
パラダイムチェンジの類語
パラダイムチェンジの類語・類義語としては、時の流れと共に移り変わることを意味する「変遷」、物事が移り変わることを意味する「転変」があります。
パラダイムシフトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、価値観や思想の劇的な変化を意味する時などが挙げられます。
どの例文のパラダイムシフトも、パラダイムチェンジという言葉に置き換えて使うことができます。
パラダイムチェンジの例文
この言葉がよく使われる場面としては、社会のシステムなどを変容させることを意味する時などが挙げられます。
どの例文のパラダイムチェンジも、パラダイムシフトという言葉に置き換えて使うことができます。
パラダイムシフトとパラダイムチェンジは、どちらも「物事の枠組みの変化」を表します。意味や使い方は同じで、「パラダイムシフト」の方が「パラダイムチェンジ」よりも一般的に使われていますが、どちらを使っても問題はないと覚えておけば間違いありません。