今日の買取件数:20件/今月の買取件数:500件/累計買取件数:27,546件

【鎮める】と【静める】と【沈める】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しずめる」という読み方の「鎮める」と「静める」と「沈める」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「鎮める」と「静める」と「沈める」は本来の意味は少し違いますが、同音の言葉であるため混同して使われる傾向があります。




「鎮める」と「静める」と「沈める」の違い

「鎮める」と「静める」と「沈める」の意味の違い

「鎮める」と「静める」と「沈める」の違いを分かりやすく言うと、「鎮める」は強い力で落ち着かせる時に使い、「静める」は徐々に落ち着かせる時に使い、「沈める」は周囲より低い状態にさせる時に使うという違いです。

「暴動を鎮める」「神を鎮める」「場を鎮める」は「鎮める」

「鎮める」という言葉は、「暴動を鎮めるための出動命令が下された」「とある神を鎮めるための神社に赴く」などの使い方で、暴動や反乱を収めることや、身体の痛みを落ち着かせること、霊魂などを落ち着かせることを意味します。

「心を静める」「気を静める」「気持ちを静める」は「静める」

「静める」という言葉は、「教室内の生徒を静める」「緊張して上手く心を静めることができない」などの使い方で、声などを小さくさせることや、感情の高ぶりやそれによる言動や全体的な勢いを削ぐことを意味します。

「水に沈める」「海に沈める」「お風呂に沈める」は「沈める」

「沈める」という言葉は、「浴槽内にタオルを落として沈めてしまった」「戦争では多くの船が沈んだ」などの使い方で、水などの周囲にある物よりも下にある状態、低い状態にさせることを意味します。

「鎮める」と「静める」と「沈める」の使い分け方

「鎮める」という言葉は、痛みを薬で抑える時や内乱を収める時に使われるため、外部から強い影響力を受けていると言えますが、「静める」という言葉は、物音などを小さくさせる時や勢いをそぐ時に使われるため、多少時間を掛けて静かにさせられます。

そのため、「怒りをしずめる」という表現は、「鎮める」と「静める」どちらの表記も目にしますが、相手をたしなめ落ち着くよう誘導する場合は前者の「鎮める」を使い、自身の高ぶった感情を落ち着かせる場合には後者の「静める」が多く使われています。

一方、「沈める」という言葉は、水面上のものを水中に下降させたり、周囲よりも低い状態にさせたりする言葉であるため、「鎮める」や「静める」とは意味が大きく異なります。

「沈む」という形であれば、「打ち沈む」「思い沈む」などマイナスの感情を抱く表現もありますが、「鎮める」と「静める」は元の状態に戻す行為であるため意味は異なります。

これらが、「鎮める」「静める」「沈める」の明確な違いです。

「鎮める」の意味

「鎮める」とは

「鎮める」とは、騒動や混乱を収めることを意味しています。

「鎮める」の読み方

「鎮める」は「しずめる」と読みますが、「いさめる」や「おさめる」といった読み方はしません。

「鎮める」の使い方

「鎮める」という言葉は、「国内反乱を鎮める」「教室内で起きた生徒の喧嘩を鎮める」など暴動などの騒動や混乱を収めることを意味する時や、「薬を飲んで痛みを鎮める」「炎症を鎮める」など身体の痛みなどを落ち着かせることを意味する時に使います。

その他にも、「災禍を鎮めるための祭事を執り行う」「疫病を鎮めることに尽力する」のように霊魂などを落ち着かせることを意味する時にも使われる言葉です。

また、「怒りをしずめる」「火をしずめる」のように、「鎮める」と「静める」のどちらの表記でも問題がない表現があります。ただし、「鎮める」を使う場合は、強い抑止を伴うか、神の祭事などを意味することになります。

「鎮める」の対義語

「鎮める」の対義語・反対語としては、おだてるなどして、相手がある行動をするように仕向けることを意味する「煽る」があります。

「鎮める」の類語

「鎮める」の類語・類義語としては、激しさの程度を和らげることを意味する「緩和」、苦しむ人を救い助けることを意味する「救済」、混乱していたものの収まりがつくことを意味する「収束」、無理に押さえつけることを意味する「抑圧」などがあります。

「静める」の意味

「静める」とは

「静める」とは、静かにさせることを意味しています。

「静める」を使った言葉として、「鳴りを静める」「乗り静める」があります。

「鳴りを静める」の意味

一つ目の「鳴りを静める」とは、物音を立てるのをやめることや、物音を立てないようにすることを意味する慣用表現です。

似たような言葉に「鳴りを潜める」という表現がありますが、こちらも物音を立てないことを意味します。しかし、そこから転じて、目立つような活動が行われていない様子も意味しているため、「鳴りを静める」とは使われ方が異なる場合があります。

「乗り静める」の意味

二つ目の「乗り静める」とは、暴れ馬などを乗って大人しくさせることを意味する言葉です。馬を徐々に落ち着かせるため、「鎮める」ではなく「静める」を使います。

これらのように、「静める」という言葉は、耳に聞こえるものを小さくさせる時や、対象の言動や興味関心などの勢いを失わせるよう誘導する時に使います。

「静める」の類語

「静める」の類語・類義語としては、苦痛などを減らして軽くすることを意味する「軽減」、慰め労わることを意味する「慰撫」(読み方:いぶ)、敵を打ち平らげることを意味する「平定」、勢いや興味関心を奪い去ることを意味する「削ぐ」などがあります。

「沈める」の意味

「沈める」とは

「沈める」とは、周囲より低い状態にさせることを意味しています。

「沈める」の使い方

「沈める」という言葉は、「風船を水中に沈める」「ベッドに身体を沈める」など下の物にめり込ませる時、「ライバルの本拠地で相手を沈めた」「最後の一発でチャンピオンを沈めた」など相手を立てない状態にする時に使います。

その他にも、「苦痛に身を沈める」など不幸な状況などに陥らせる時にも使われます。

また、「鎮める」と「静める」という言葉と異なり、感情の起伏に関する意味は「沈める」にはありませんが、「沈む」という形であれば、元気を失うことを意味する「気が沈む」、暗い気持ちに落ち込むことを意味する「心が沈む」などの表現があります。

「沈める」の対義語

「沈める」の対義語・反対語としては、外面に現すことや思い起こすことを意味する「浮かべる」があります。

「沈める」の類語

「沈める」の類語・類義語としては、本来の働きができないよう役に立たなくすることを意味する「潰す」、水などの中に入れておくことを意味する「浸ける」、無理矢理ある状態に陥らせることを意味する「追いやる」などがあります。

「鎮める」の例文

1.内乱を鎮めようと兵を向かわせたが、最終的に国王が追い込まれることは、ままある話だった。
2.あまりにも痛みが酷く、鎮めるために薬を飲む必要があった。
3.この街の悪霊を鎮める神を祭る儀式や行事は、一般の人でも楽しむことができる。

この言葉がよく使われる場面としては、騒動を収めることや、身体の痛みなどを落ち着かせることを意味する時などが挙げられます。

どの「鎮める」という言葉も、外部からの抑止が伴っているため、「静める」や「沈める」に置き換えて使うことはできません。

「静める」の例文

1.気を静めた後の彼女はどこか恥ずかしそうにしていたのを覚えている。
2.会場内の参加者を静めるためか、音楽が流れ始めた。
3.一瞬にして燃え上がった炎を静めるために消防団が駆け付けた。

この言葉がよく使われる場面としては、静かにさせることや勢いを削ぐことを意味する時などが挙げられます。

例文1の「気を静める」とは、興奮を落ち着かせて冷静さを取り戻すことを意味する慣用表現です。

「沈める」の例文

1.かつてドイツの潜水艦は、イギリスの商船を攻撃して沈めてから、数々の船を大破していった。
2.得点数で大きく差をつけて最も警戒していた相手を沈めることに成功した。
3.野菜を水に沈めると、そのまま沈んでいくものもあれば、浮いてくるものもある。

この言葉がよく使われる場面としては、周囲より低い状態にすることを意味する時などが挙げられます。

どの「沈める」という言葉も、「鎮める」や「静める」に置き換えて使うことはできません。

「鎮める」と「静める」と「沈める」どれを使うか迷った場合は、抑圧することを表す場合は「鎮める」を、徐々に落ち着かせることを表す場合は「静める」を、周囲より低い状態にすることを表す場合は「沈める」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター