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【馳せ参じる】と【馳せ参ずる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「馳せ参じる」(読み方:はせさんじる)と「馳せ参ずる」(読み方:はせさんずる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」という言葉は、どちらも大急ぎで駆けつけることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」の違い

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」の意味の違い

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」の違いを分かりやすく言うと、「馳せ参じる」は現代風の読み方、「馳せ参ずる」は古風の読み方という違いです。

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」の使い方の違い

一つ目の「馳せ参じる」を使った分かりやすい例としては、「急な知らせを聞き馳せ参じる」「まだ明け方だが招集がかかったので馳せ参じる」「困ったことがあればすぐに馳せ参じます」「いざという時には弟子たちはみな師匠のまわりに馳せ参じる」などがあります。

二つ目の「馳せ参ずる」を使った分かりやすい例としては、「教え子が師匠の元へ馳せ参ずる」「凶報を耳にしたので仲間と共に馳せ参ずる」「戦が起こると聞いたので馳せ参ずる」「多くの者が大阪城へ馳せ参ずる」などがあります。

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」の使い分け方

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」はどちらも大急ぎで駆けつけることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「馳せ参じる」は現代風の読み方なのに対して、「馳せ参ずる」は古風の読み方という点です。

また、どちらを使うか迷った場合は、広く一般的に使われている「馳せ参じる」の方を使えば問題ないでしょう。ただし、どちらも正しい日本語なので、基本的には好きな方を使って問題ありません。

なぜ、「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」という二種類の語尾が存在するのかといと、日本語の口語文法と文語文法の決まりによる違いがあるからです。口語文法とは、話し言葉のことで、文語文法とは、書き言葉のことを指しています。

これらの日本語文法には活用法という考え方があります。活用法とは、文章の流れによって単語の語尾を違和感のないように変えることです。

まさしく「馳せ参じる」「馳せ参ずる」のように、最初の言葉は同じであっても語尾が違う言葉が存在するのは、活用法によって文脈に合うかたちで語尾が変えられているからです。

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」という言葉はサ行変格活用という活用法によって、語尾を変えられています。サ行変格活用とは、文章の流れによって語尾をサ行の言葉である「さしすせそ」を元にして変えていくことです。

「馳せ参じる」「馳せ参ずる」という言葉の場合、「馳せ」という先頭の言葉はそのままに、語尾を「未然形:じ」「連用形:じ」「終止形:じる・ずる」「連体形:じる・ずる」「仮定形:じれ・ずれ」「命令形:じろ・じよ・ぜよ」という風に変化させます。

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」の英語表記の違い

「馳せ参じる」も「馳せ参ずる」も英語にすると「hasten to join」となり、例えば上記の「いざという時には弟子たちはみな師匠のまわりに馳せ参じる」を英語にすると「When anything important happened, all the disciples rallied round the great maste」となります。

「馳せ参じる」の意味

「馳せ参じる」とは

「馳せ参じる」とは、大急ぎで駆けつけることを意味しています。

表現方法は「馳せ参じる所存」「馳せ参じるつもり」

「馳せ参じる所存」「馳せ参じるつもり」などが、「馳せ参じる」を使った一般的な言い回しになります。

「馳せ参じる」の使い方

「馳せ参じる」を使った分かりやすい例としては、「あなたのために沖縄から馳せ参じました」「助けを求めていた彼のもとへ馳せ参じる」「どこへ行こうとも主君のためなら馳せ参じる所存です」「窮地にあると伺い青森から馳せ参じる」などがあります。

「馳せ参じる」は速く走ることや駆けることを意味する「馳せる」に、行くや来るの謙譲語である「参じる」が合わさり、大急ぎで駆けつけることを意味する言葉です。

「馳せ参じる」は日常生活ではほとんど使われることはなく、ビジネスシーンでたまに使われている言葉になります。そのため、辞書には載っているもののそう多くは使われていない言葉と覚えておきましょう。

また、ビジネシーンにおいて「馳せ参じる」を使う場合、「参じる」が謙譲語なので、目上の人に対して使っても問題ありませんが、前後の文章も敬語表現にする必要があります。

「馳せ参じる」の類語

「馳せ参じる」の類語・類義語としては、目上の人の所に行くことを意味する「参上する」、参上して目上の人に対面することを意味する「見参する」、急いで行くことを意味する「急行する」などがあります。

「馳せ参ずる」の意味

「馳せ参ずる」とは

「馳せ参ずる」とは、大急ぎで駆けつけることを意味しています。

「馳せ参ずる」の使い方

「馳せ参ずる」を使った分かりやすい例としては、「あなたのためならどこへで馳せ参ずるつもりです」「窮地にあると伺い鹿児島から馳せ参ずる」「お声かけいただければ全国どこへでも馳せ参ずる所存です」などがあります。

「馳せ参ずる」は速く走ることや駆けることを意味する「馳せる」に、行くや来るの謙譲語である「参ずる」が合わさり、大急ぎで駆けつけることを意味する言葉です。

「馳せ参ずる」は日常生活ではほとんど使われることはなく、ビジネスシーンでそう多くは使われていないため、馴染みがない人も多いでしょう。

また、ビジネシーンにおいて「馳せ参する」を使う場合、「参ずる」が謙譲語なので、目上の人に対して使っても問題ありませんが、前後の文章も敬語表現にする必要があります。

「馳せ参ずる」は古風な言い方なので、現代ではあまり浸透していない表現です。ただし、古風なだけで間違った日本語なわけではないので、現代で使っても問題りません。

「馳せ参ずる」の類語

「馳せ参ずる」の類語・類義語としては、たいへん急いで行くことを意味する「大急ぎで行く」、大急ぎで目的地に到着することを意味する「駆けつける」などがあります。

「馳せ参じる」の例文

1.私にご連絡いただければ、全国どこにいようと馳せ参じる所存です。
2.この主君は家来たちからの信頼がとても厚いので、ピンチの際にはみんな馳せ参じるだろう。
3.大きなトラブルがあったと連絡が来たので、現場へ馳せ参じることとなった。
4.あなたが望むなら、全国どこへでも馳せ参じるつもりですよ。
5.彼が招集をかけると、日本各地から部下たちが馳せ参じました。

この言葉がよく使われる場面としては、大急ぎで駆けつけることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「馳せ参じる」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「馳せ参ずる」の例文

1.お声かけいただければ、全国どこへでも馳せ参ずる所存であります。
2.部長のお願いであれば、休日を返上してでも馳せ参ずるつもりですよ。
3.あなたからのご相談ならいつでも馳せ参ずるつもりです、今からでも向かうことができますよ。
4.もうすぐ戦が始まると聞きつけ、家来たちが主君のもとへ馳せ参ずる。
5.社長が窮地に陥ったと伺い、ロサンゼルスから馳せ参ずることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、大急ぎで駆けつけることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「馳せ参ずる」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「馳せ参じる」と「馳せ参ずる」はどちらも大急ぎで駆けつけることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現代風の読み方を表現したい時は「馳せ参じる」、古風の読み方をしたい時は「馳せ参ずる」を使うと覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
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