【いみじくも】と【巧みに】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「いみじくも」と「巧みに」(読み方:たくみに)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「いみじくも」と「巧みに」という言葉は、どちらも物事を手際良く上手に成し遂げることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「いみじくも」と「巧みに」の違い

「いみじくも」と「巧みに」の意味の違い

「いみじくも」と「巧みに」の違いを分かりやすく言うと、「いみじくも」は「巧みに」を強調した表現という違いです。

「いみじくも」と「巧みに」の使い方の違い

一つ目の「いみじくも」を使った分かりやすい例としては、「5種類の商品をいみじくも使い分けている」「先輩がいみじくも私のミスをフォローしてくれました」「塵も積もれば山となるとは言い得て妙です」などがあります。

二つ目の「巧みに」を使った分かりやすい例としては、「彼は巧みに難関を切り抜ける」「実演販売をして言葉巧みに商品を売っている」「彼女は人々の感情を巧みに操ることができる」「彼女はその役を巧みに演じた」などがあります。

「いみじくも」と「巧みに」の使い分け方

「いみじくも」と「巧みに」はどちらも物事を手際良く上手に成し遂げることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「いみじくも」と「巧みに」の違いは、「巧みに」をより強調したい場合に使うのが「いみじくも」になります。そのため、「非常に巧みに」という意味で使うのが「いみじくも」と覚えておきましょう。

「いみじくも」と「巧みに」の英語表記の違い

「いみじくも」を英語にすると「aptly」「exquisite」「suitably」となり、例えば「彼女がいみじくも言ったように」を英語にすると「As She aptly stated」となります。

一方、「巧みに」を英語にすると「skillfully」「ingenious」となり、例えば上記の「彼女はその役を巧み演じた」を英語にすると「She acts the part skillfully」となります。

「いみじくも」の意味

「いみじくも」とは

「いみじくも」とは、非常に上手くや適切にのことを意味しています。

「いみじくも」の使い方

「いみじくも」を使った分かりやすい例としては、「いみじくも上司から指摘していただいた通りになりました」「急がば回れとは言い得て妙です」「3つの違いをいみじくも表現している」「彼がいみじくも言った言葉を思い出しました」などがあります。

「いみじくも」の由来

「いみじくも」の由来は日本古来からある言葉の「いみじ」が変化したものになります。

「いみじくも」は形容詞の「いみじ」と係助詞の「も」が合わさった言葉で、非常に上手く適切にのことを表す副詞です。「いみじ」とは「忌み」を形容詞化したもので、善悪ともに程度の甚だしいことを意味しています。

「いみじくも」は時代が経つにつれて悪い意味ではあまり使われなくなり、非常に上手くや適切にのことなどの、良い意味でのみ使われるようになりました。

「いみじくも」の元になった言葉は「忌み」ですが、「忌みじくも」と漢字にすることはありません。基本的に平仮名でしか使わない言葉と覚えておきましょう。

「いみじくも」を「偶然にも」や「恐れ多くも」の意味で使うのは誤用

「いみじくも」を「偶然にも」や「恐れ多くも」などの意味で使うのは誤用なので、間違えないように注意が必要です。

「いみじくも」の類語

「いみじくも」の類語・類義語としては、物事の成り行きや結果が良いことを意味する「首尾よく」、 並の程度でないことを意味する「非常に」、素晴らしいことを意味する「見事に」、非常に優れていることを意味する「立派に」などがあります。

「巧みに」の意味

「巧みに」とは

「巧みに」とは、物事を手際良く上手に成し遂げることを意味しています。

表現方法は「巧みに使う」「巧みに操る」「巧みに生きる」

「巧みに使う」「巧みに操る」「巧みに生きる」「言葉巧みに」などが、「巧みに」を使った一般的な言い回しになります。

「巧みに」の使い方

「巧みに」を使った分かりやすい例としては、「彼女は難所を巧みに切り抜けました」「彼は思考や行動を巧みに操る達人です」「少年は自分について話すことを巧みに避けていました」「巧みに変装した私に誰も気づきませんでした」などがあります。

「巧みに」は物事を手際良く上手に成し遂げることを意味する「巧みに」、動作や作用の結果を表すことを意味する「に」が合わさった言葉です。

「巧みに」は前後の言葉によって、プラスのイメージでもマイナスのイメージでも使うことができます。

例えば「彼女は難所を巧みに切り抜けました」「彼女はその役を巧みに演じた」などはプラスのイメージになります。一方、「言葉巧みに操る」や「悪徳セールスマンは言葉巧みに商品を売りつける」などはマイナスなイメージの使い方です。

「巧みに」の類語

「巧みに」の類語・類義語としては、物事のやり方が巧みで手際の良いことを意味する「上手に」、非常に巧みであることを意味する「功名に」、残りなく物事が行われることを意味する「綺麗に」などがあります。

「いみじくも」の例文

1.暑さ寒さも彼岸まで、とはいみじくも言ったものです。
2.いみじくもお客様が指摘くださった通り、こちらの手順には誤りがあります。
3.人の振り見て我が振り直せとは、いみじくも言い得て妙だと思っています。
4.彼は数種類の機械をいみじくも使い分けているため、仕事がとても早いです。
5.犬も歩けば棒に当たるとは、いみじくも言い得て妙だと思います。
6.ディフェンスが次々に抜かれ、そのままゴールに打ち込まれてしまうかと思われたが、チームのエースの機転を利かせたプレイにより、いみじくも失点を免れた。
7.彼がそこまで計算していたのかはわからないが、東側に配置された小水槽は、上部の小窓から射し込む日光を乱反射させ、展示スペースはいみじくも幻想的な空間に仕上がっていた。
8.いみじくも上司から指摘していただいたことが現実になったので、経験者の言うことをしっかり聞くべきだと肝に銘じたのであった。
9.坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとはいみじくも言ったもので、嫌いな人の好きなものも一緒に嫌いになるのだから憎しみの感情は怖いね。
10.先日ある芸術家の個展に足を運んだが、大と小、明と暗、美と醜がいみじくも融合しており、すばらしい作品群であった。

この言葉がよく使われる場面としては、非常に上手くや適切にのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「いみじくも」はあまり馴染みのない表現になります。

「巧みに」の例文

1.昨日入社した新人は、巧みに物事をなしうる能力があるので、将来がとても楽しみです。
2.悪徳セールスマンは言葉巧みに商品を売りつけ、泣き寝入りする人が後を絶ちません。
3.彼は浅瀬や岩礁を巧みに避けながら、ゆっくりと船を波止場に近づけました。
4.彼女は10歳と幼いが、アコースティックギターを巧みに操っています。
5.人の心を言葉巧みに操り、詐欺を働く悪人を決して許すことはできません。
6.こちらのウエディングドレスは、袖口や裾の先端に至るまで繊細な刺繍が巧みに施された1点もののドレスとなっております。
7.テレビのコメンテーターの力量は、その知見や見識の深さなどではなく、いろんな事象をどれだけ巧みに言いくるめ、人を納得させるかといった話術に資する。
8.男は弁論部出身のエリートだったので、論破王ともてはやされる論客の執拗な攻撃も巧みにかわしていたのが非常に小気味がよかった。
9.同僚は企画を通すのにも真正面から主張することはせず、裏で巧みに上司を操っていたので非常にうまいなと思ったのだった。
10.ここ数十年の犯罪傾向としては、電話を使って言葉巧みにお年寄りをだますような振り込め詐欺被害が大幅に増加している。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を手際良く上手に成し遂げることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「巧みに」はプラスのイメージでもマイナスのイメージでも使うことができる言葉です。

「いみじくも」と「巧みに」はどちらも物事を手際良く上手に成し遂げることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「いみじくも」は「巧みに」を強調したい時に使うと覚えておきましょう。

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