似た意味を持つ「解明」(読み方:かいめい)と「究明」(読み方:きゅうめい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「解明」と「究明」という言葉は、どちらも物事を明らかにすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
解明と究明の違い
解明と究明の意味の違い
解明と究明の違いを分かりやすく言うと、解明とは不明な点を明らかにすることを意味し、究明とは道理や真理をつきつめて明らかにすることを意味するという違いです。
解明と究明の使い方の違い
一つ目の解明を使った分かりやすい例としては、「金品受領問題の解明を求める」「絶滅の原因 を解明する研究チームだ」「遺伝子レベルで解明されるようになった」「生き物のミステリーを解明する番組だ」などがあります。
二つ目の究明を使った分かりやすい例としては、「山火事の原因究明にあたる」「水質汚染の実態を究明する」「今だ感染経路は究明されていない」「異物混入の原因究明が急がれる」などがあります。
解明と究明の使い分け方
解明と究明という言葉は、「真相を解明する」「真相を究明する」のように同じような表現をし、どちらも物事を明らかにすることを表しています。似た表現をする言葉ですが、厳密には意味や使い方は異なるので注意が必要です。
解明は不明な点を明らかにすることを意味し、答えがあるものや答えがあると予想されるものに対して使われる傾向があります。究明は道理や真理をつきつめて明らかにすることを意味し、答があるかないか不明なものに対して使われる傾向があります。これらが二つの言葉の違いになります。
解明と究明の英語表記の違い
解明を英語にすると「elucidation」「solution」「explication」となり、例えば上記の「問題の解明」を英語にすると「solution of a problem」となります。
一方、究明を英語にすると「investigation」「research」となり、例えば上記の「原因究明」を英語にすると「investigation into the cause」となります。
解明の意味
解明とは
解明とは、不明な点を探って、はっきりさせることを意味しています。
表現方法は「解明する」「解明される」「原因解明」
「解明する」「解明される」「原因解明」などが、解明を使った一般的な言い回しです。
解明の使い方
解明を使った分かりやすい例としては、「解明されていない世界の謎に挑む」「宇宙の仕組みを解明した学者だ」「複雑な生態系を解明する」「地下世界のミステリーを解明する」「現象の解明に向けて取り組む」などがあります。
その他にも、「未解決事件の真相を解明する」「これを解明したらノーベル賞ものだ」「スフィンクスの秘密を解明する」「大部分の微生物が未解明である」「解明されていない謎は沢山ある」などがあります。
解明という言葉は、文字通り「解き明かす」ことを表し、不明な点を探ってはっきりさせることを意味します。何らかの問題や、謎、事件に対し、不明な点を明らかにして物事を明瞭にする時に使われる言葉です。
「真相を解明する」の意味
上記の例の「真相を解明する」とは、事件などの本当の事情や内容の明らかになっていない点をあぶりだし、事実を明らかにすることを意味します。明確な答えがありそうな場合に、真相という言葉が使われます。
解明の類語
解明の類語・類義語としては、事情などを説明してはっきりさせることを意味する「弁明」、証拠などに照らして明らかにすることを意味する「明徴」などがあります。
解明の解の字を使った別の言葉としては、ごたごたした事件などをうまく処理することを意味する「解決」、反発しあっていたものが仲直りすることを意味する「和解」、問題を解いて答えを出すことを意味する「解答」などがあります。
究明の意味
究明とは
究明とは、道理や真理をつきつめて明らかにすることを意味しています。
表現方法は「究明する」「問題の究明」「真相の究明」
「究明する」「問題の究明」「真相の究明」などが、究明を使った一般的な言い回しです。
究明の使い方
究明を使った分かりやすい例としては、「トラブルの原因究明作業を開始する」「この謎の究明者として適任である」「事件の全貌を究明すべく捜査を進める」「多様な究明方法が考えられる」などがあります。
その他にも、「原因を究明し再発防止に努める」「水難事故の真相究明を求める」「飛行機墜落事故の真相究明は不十分なままだ」「真相の徹底究明を行うよう申し入れる」「爆発事故の原因究明中だ」などがあります。
究明という言葉の「究」は、真理や本質をつかむため、これ以上行けないところまで推し進めることを表します。究明は、道理や真理をつきつめて明らかにすることを意味し、答えがないものに対して使われる傾向があります。
「原因究明」の意味
「原因究明」とは、ある物事を引き起こしたもとになったことを追究して明らかにすることを意味します。原因が容易には分かりそうにない事象に対して、物事の筋道を立てながら突き詰めて明らかにしようとするさまを表します。
究明の類語
究明の類語・類義語としては、罪や不正を糾問し真相を明らかにすることを意味する「糾明」、明な点や疑問点などを徹底的に調べて明らかにする事を意味する「突止める」などがあります。
究明の究の字を使った別の言葉としては、物事を詳しく調べたりして事実や真理を明らかにすることを意味する「研究」、どこまでも考え調べて明らかにしようとすることを意味する「追究」、物事の本質などをさぐって見きわめようとすることを意味する「探究」などがあります。
解明の例文
この言葉がよく使われる場面としては、不明な点を探ってはっきりさせることを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「解明されていない謎」とは、不明な点があり正体などがはっきりわからない事柄を意味します。解明という言葉は、答えがありそうな事柄に対して使われる言葉なので、答えがありそうなのに不明であるというニュアンスが含まれています。
究明の例文
この言葉がよく使われる場面としては、道理や真理をつきつめて明らかにすることを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「究明中」とは、現に物事を追究し明らかにしようとしている最中であることを意味します。例文3にある「究明」は誤り、正しくは「糾明」です。「糾明」は「究明」と同音の言葉であり、不正や責任を問いただしはっきりさせることを意味します。
解明と究明という言葉は、物事を明らかにすることを意味する言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、不明な点を明らかにすることを表現したい時は「解明」を、物事の道理や真理を解きあかすことを表現したい時は「究明」を使うようにしましょう。