【まとわりつく】と【まといつく】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「まとわりつく」と「まといつく」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「まとわりつく」と「まといつく」という言葉は、どちらもそばにずっと付いていて離れないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「まとわりつく」と「まといつく」の違い

「まとわりつく」と「まといつく」の意味の違い

「まとわりつく」と「まといつく」の違いを分かりやすく言うと、「まとわりつく」は一般的に使われている、「まといつく」は一般的に使われていないという違いです。

「まとわりつく」と「まといつく」の使い方の違い

一つ目の「まとわりつく」を使った分かりやすい例としては、「助けを求める声が耳にまとわりつく」「濡れたスカートが足にまとわりつく」「子供がまとわりついて離れませんでした」などがあります。

二つ目の「まといつく」を使った分かりやすい例としては、「恐ろしい声が耳にまといついている」「まといつく湿気がひどくて集中して勉強できません」「濡れた手袋が指にまといつくなどがあります。

「まとわりつく」と「まといつく」の使い分け方

「まとわりつく」と「まといつく」はどちらもそばにずっと付いていて離れないことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「まとわりつく」は一般的に使われているのに対して、「まといつく」は一般的に使われていないという点です。

ただし、どちらも辞書に載っている正し日本語なので、好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。

「まとわりつく」と「まといつく」の英語表記の違い

「まとわりつく」も「まといつく」も英語にすると「coil around」「cling」「follow about」となり、例えば上記の「子供がまとわりついて離れませんでした」を英語にすると「The children followed him about and would not let him go」となります。

「まとわりつく」の意味

「まとわりつく」とは

「まとわりつく」とは、そばにいて離れないことを意味しています。その他にも、絡みついて離れないことの意味も持っています。

「まとわりつく」の漢字表記

「まとわりつく」を漢字にすると「纏わり付く」と表記することができますが、常用漢字ではないためあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「まとわりつく」を使うようにしましょう。

「まとわりつく」の使い方

「子供が父親にまとわりつく」「姪っ子がまとわりついて離れません」などの文中で使われている「まとわりつく」は、「そばにいて離れないこと」の意味で使われています。

一方、「濡れたズボンが足にまとわりつく」「ほつれた糸が鞄にまとわりつく」などの文中で使われている「まとわりつく」は、「絡みついて離れないこと」の意味で使われています。

「まとわりつく」はからみつくことを意味する「纏わる」に、あるものと他のものが離れない状態になることを意味する「付く」が合わさり、そばにいて離れないことの意味で使われるようになりました。

また、元々は「まつわりつく」だったのですが、時代が経つにつれて変化していき、「まとりわりつく」になったと言われています。

「まとわりつく」は人と物どちらに対しても使うことができるだけなく、離れて欲しいのに離れてくれないというマイナスのイメージでも使えると覚えておきましょう。そのため、他人に使う際には注意が必要な言葉です。

「まとわりつく」の類語

「まとわりつく」の類語・類義語としては、離れずにいつもそばに付き従うことを意味する「付きまとう」、絡みつくことを意味する「まつわる」、ぴったりとついて離れなくなることを意味する「引っ付く」などがあります。

「まといつく」の意味

「まといつく」とは

「まといつく」とは、そばにいて離れないことを意味しています。その他にも、絡みついて離れないことの意味も持っています。

「まといつく」の漢字表記

「まといつく」を漢字にすると「纏い付く」と表記することができますが、常用漢字ではないためあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「まといつく」を使うようにしましょう。

「まといつく」の使い方

「木に蔦がまといついている」「愛犬はいつも私にまといつく」などの文中で使われている「まといつく」は、「そばにいて離れないこと」の意味で使われています。

一方、「静電気のせいで服が体にまといつく」「濡れたシャツが体にまといつく」などの文中で使われている「まといつく」は、「絡みついて離れないこと」の意味で使われています。

「まといつく」は絡まることを意味する「纏う」に、あるものと他のものが離れない状態になることを意味する「付く」が合わさり、そばにいて離れないことの意味で使われるようになりました。

ただし、あまり一般的には使われていない表現なので、馴染みがない人も多いでしょう。

「まといつく」は人と物どちらに対しても使うことができるだけなく、離れて欲しいのに離れてくれないというマイナスのイメージでも使えると覚えておきましょう。そのため、他人に使う際には注意が必要な言葉です。

「まといつく」の類語

「まといつく」の類語・類義語としては、いつも離れずに付き従うことを意味する「ついてまわる」、他の物のまわりに絡んでつくことを意味する「巻きつく」、しっかりと巻きつけることを意味する「絡める」などがあります。

「まとわりつく」の例文

1.振り払っても振り払っても、まとわりついてくる忌まわしい記憶を消し去りたいです。
2.飼い猫に好かれているのか、いつも私にまとわりついて離れません。
3.このズボンは足にまとわりつくので、あまり履き心地はよくありません。
4.物が吸引しなくなって埃が掃除機にまとわりつくようになったので、新しい掃除機を購入することにしました。
5.静電気でホコりがまとわりつくのが気になったので、帯電防止スプレーを使用することにしました。
6.水難事故にあった際、服が体にまとわりついて身動きがとれにくくなるので今度学校で着衣泳の訓練をしてくれるそうだ。
7.彼女は雨が降りしきる中、濡れた服が体にまとわりつく不快感を感じながら、帰路についた。
8.ネットの炎上事件があったあとは、人々の冷たい視線がまとわりつくような気がして、しばらく外に出られなくなった。
9.彼は季節外れの冬のような寒さに震えながら、寒気が体にまとわりつく感覚に戸惑っていた。
10.汗だくになりながら運動をしていると、シャツが体にまとわりつくので息苦しく感じる。

この言葉がよく使われる場面としては、そばにいて離れないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、絡みついて離れないことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「まとわりつく」はそばにいて離れないこと、例文3から例文5の「まとわりつく」は絡みついて離れないことの意味で使っています。

「まといつく」の例文

1.今年の夏は息のつまるような蒸し暑さと、まといつく湿気が多くて、辛い日々が続いていました。
2.幼稚園児が母親にまといついて離れないのは、見てて微笑ましいです。
3.山道を通る時に顔にまといつくように飛んでくる虫が、とても鬱陶しいです。
4.家にまといつく蔦を除去するために、業者を呼ぶことにしました。
5.雨で濡れたスカートが足にまといついて、とても歩きにくいです。
6.仕事上の悩みがまといついて、家に帰っても頭から離れないことがあるが、どうしたらストレス発散をすることができるだろう。
7.夏になると湿気も多くなるので、マスクが顔にまといつくような感じで、息苦しさを感じてしまうことがある。
8.彼女は髪の毛をとかしていたが、静電気でまといついて、ブラシを使ってもうまく整えられなかった。
9.失恋をしてからというもの、憂鬱な気分がまといついて、どんな楽しいことをしても気分が晴れなかった。
10.彼女は大学一の美人だったので、まわりには常に男性たちがコバエのようにまといついている。

この言葉がよく使われる場面としては、そばにいて離れないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、絡みついて離れないことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「まといつく」はそばにいて離れないこと、例文4と例文5の「まといつく」は絡みついて離れないことの意味で使っています。

「まとわりつく」と「まといつく」はどちらもそばにずっと付いていて離れないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に使われているのが「まとわりつく」、一般的に使われていなのが「まといつく」と覚えておきましょう。

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