似た日本語の「拗らせる」(読み方:こじらせる)と「拗ねる」(読み方:すねる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「拗らせる」と「拗ねる」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「拗らせる」と「拗ねる」の違い
「拗らせる」と「拗ねる」の意味の違い
「拗らせる」と「拗ねる」の違いを分かりやすく言うと、「拗らせる」とは物事をもつれさせ処理を難しくすること、「拗ねる」とは素直に人に従わないで不平がましい態度を取ることという違いです。
「拗らせる」と「拗ねる」の使い方の違い
一つ目の「拗らせる」を使った分かりやすい例としては、「アニメキャラにガチ恋を拗らせてとても困っている」「風邪を拗らせて喘息になってしまいました」「それは事を拗らせるだけだ」などがあります。
二つ目の「拗ねる」を使った分かりやすい例としては、「お兄ちゃんに遊んでもらえなかったので拗ねている」「姪っ子はわがままで気に入らないことがあるとすぐ拗ねる」「その子は拗ねて機嫌が悪いです」などがあります。
「拗らせる」と「拗ねる」の使い分け方
「拗らせる」と「拗ねる」はどちらも「拗」を使った言葉ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。
「拗ねらせる」は物事をもつれさせ処理を難しくすることや病気を治し損ねて長引かせることの意味で使われているのに対して、「拗ねる」は素直に人に従わないで不平がましい態度を取ることやわざとよそよそしく振る舞うことの意味で使われている言葉になります。
「拗らせる」と「拗ねる」の英語表記の違い
「拗らせる」を英語にすると「aggravate」「complicate」となり、例えば上記の「それは事を拗らせるだけだ」を英語にすると「That would only complicate matters」となります。
一方、「拗ねる」を英語にすると「sulk」「get sulky」となり、例えば上記の「その子は拗ねて機嫌が悪いです」を英語にすると「The child has the sulks」となります。
「拗らせる」の意味
「拗らせる」とは
「拗らせる」とは、物事をもつれさせ処理を難しくすることを意味しています。その他にも、病気を治し損ねて長引かせることの意味も持っています。
「拗らせる」の読み方
「拗らせる」の読み方は「こじらせる」です。誤って「すねらせる」「ねじらせる」と読まないようにしましょう。
表現方法は「片思いを拗らせる」「風邪を拗らせる」「独身を拗らせる」
「片思いを拗らせる」「風邪を拗らせる」「独身を拗らせる」などが、「拗らせる」を使った一般的な言い回しです。
「拗らせる」の使い方
「私の発言のせいで問題を拗らせてしまった」「彼女は拗らせ女子なので中々彼氏ができません」などの文中で使われている「拗らせる」は、「物事をもつれさせ処理を難しくすること」の意味で使われています。
一方、「不規則な生活をしていたら風邪を拗らせてしまった」「風邪を拗らせて肺炎になってしまった」などの文中で使われている「拗らせる」は、「病気を治し損ねて長引かせること」の意味で使われています。
「拗らせる」は漢字表記ではなく、ひらがなの「こじらせる」で使われることも多いと覚えておきましょう。
「拗らせ女子」「拗らせ男子」の意味
「拗らせる」を使った有名な言葉として「拗らせ女子」や「拗らせ男子」があります。簡単に言うならば、強いこだわりや複雑な考え方を持っており、少々面倒なところがある人のことを指しています。
そのため、「拗らせる」は基本的にマイナスなイメージで使われている言葉です。また、「拗らせ女子」は2013年のユーキャンの新語・流行語大賞にノミネートされています。
「拗らせる」のオタク用語としての使い方
その他にも、オタク用語としても使われており、「ガチ恋を拗らせて辛い」「リアコを拗らせて辛いと言っても誰も信じてくれない」などと使います。主にガチ恋やリアコという言葉とセットで使うことが多いです。
ガチ恋やリアコとは、アニメや漫画などの二次元キャラクターや、アイドルや俳優などの手の届かない存在に対して本気で恋をしていることを意味しています。
「拗らせる」の類語
「拗らせる」の類語・類義語としては、長きに渡ることを意味する「長期化する」、 手間がかかったり解決が容易でなくすることを意味する「面倒にする」、一度落ちこむと抜け出ることが困難な悪い状況にさせることを意味する「泥沼化する」などがあります。
「拗ねる」の意味
「拗ねる」とは
「拗ねる」とは、素直に人に従わないで不平がましい態度を取ることを意味しています。その他にも、わざとよそよそしく振る舞うことの意味も持っています。
「拗ねる」の読み方
「拗ねる」の読み方は「すねる」です。誤って「こじねる」「ねじねる」と読まないようにしましょう。
「拗ねる」の使い方
「私の息子はすぐ拗ねるで困っています」「妹がお菓子を買ってもらえなかったので拗ねている」などの文中で使われている「拗ねる」は、「素直に人に従わないで不平がましい態度を取ること」の意味で使われています。
一方、「彼女は拗ねて気を引こうとしている」「彼は拗ねた挨拶で気を引こうとしている」などの文中で使われている「拗ねる」は、「わざとよそよそしく振る舞うこと」の意味で使われています。
「拗ねる」は「お菓子を買わなくて娘が拗ねている」のように、小さな子供に対して使う言葉としての印象が強いですが、自分の気持ち察して欲しくて面倒な態度を取る大人に対しても使うことが可能です。
したがって、「拗ねる」は自分の思い通りならないと逆らうような態度を取る人のことを指すため、基本的にマイナスなイメージを伴っています。
ただし、「拗ねた彼女が可愛くみえる」のように、場面によっては相手にかわいらしいと思わせるプラスのイメージで使うこともできます。
「拗ねる」の類語
「拗ねる」の類語・類義語としては、ひねくれて素直でなくなることを意味する「いじける」、性質や考え方などがねじけて素直でなくなることを意味する「ひねくれる」、物事を素直に受け取らないで曲げて考えることを意味する「僻む」などがあります。
「拗らせる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事をもつれさせ処理を難しくすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、病気を治し損ねて長引かせることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「拗らせる」は物事をもつれさせ処理を難しくすること、例文4と例文5の「拗らせる」は病気を治し損ねて長引かせることの意味で使っています。
「拗ねる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、素直に人に従わないで不平がましい態度を取ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、わざとよそよそしく振る舞うことを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「拗ねる」は素直に人に従わないで不平がましい態度を取ること、例文5の「拗ねる」はわざとよそよそしく振る舞うことの意味で使っています。
「拗らせる」と「拗ねる」は似た日本語ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、物事をもつれさせ処理を難しくすることを表現したい時は「拗らせる」を、素直に人に従わないで不平がましい態度を取ることを表現したい時は「拗ねる」を使うようにしましょう。