同じ「あし」という読み方、似た意味を持つ「足」と「脚」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「足」と「脚」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
足と脚の違い
足と脚の部位の違い
足と脚の違いを分かりやすく言うと、人間や動物の足首から下の部分を意味するのが「足」で、骨盤から足首までの部分を意味するのが「脚」であるという違いです。
足と脚の英語表記の違い
また、英語で表現するところの「Foot」が「足」で、「Leg」が「脚」であるという違いだと考えても分かりやすいでしょう。しかし、人間の「足」と「脚」の使い分けには、明確な決まりはありません。
足と脚の使い分け方
どうしても書き分けたいと思う時には、どの部分のことを指しているのかを考えて「足」とするか「脚」とするかを判断するようにします。使い分けが必要ない場合には「足」と書いたり、ひらがなで「あし」とするのが一般的です。
しかし、動物で考えた際には、鳥や昆虫の「あし」部分を表現する際には「脚」という字が使われることが多いです。また、椅子やテーブルの「あし」部分を表現する際にも「脚」という字が使用されます。
足首から上、足首から下、という区別がつきにくいものについては、「脚」または「あし」と表現するのだと考えると分かりやすいでしょう。
足は慣用句として多様される
「足」というのは、慣用句としても多様される言葉です。この「足」が使用される慣用句については「脚」という字で置き換えることは出来ません。「脚」という表現よりも「足」という表現の方が多様性があり、一般によく使用されるものです。
「足が遠のく」「足が棒になる」「足を運ぶ」「足を洗う」は置き換え不可
「足」という字が使われる慣用句としては、「足が遠のく」「足が棒になる」「足を運ぶ」「足を洗う」などがあります。どれも「足」という字を使用し、「脚」とは書かないものですので、注意しましょう。
「足」と「脚」は、辞書で調べてみても、同じ項目に記載されているものです。明確な違いが定められているわけではなく、どちらを使っても間違いではない場合がほとんどです。書き分けが難しい場合には「あし」とひらがらで書くのが良いでしょう。
足の意味
足とは
足とは、人間や動物の「あし」にあたる部分で、主に足首から下の部分を意味しています。英語では「Foot」と表現される部分です。足という言葉は、辞書ではひらがなで表記されていることが多く、様々な意味合いを持つ言葉でもあります。
足という漢字を調べてみると、「人間や動物のあし」「歩き進むこと」「十分に足りること」「加えること」「弟子や人のこと」「履物を数える時に使う言葉」など、様々な意味があることがわかります。
足の部位
足という言葉を人間の下半身部分にある「あし」として考える場合、一般的にはくるぶしから下の部分を指しています。靴下や靴を履く部分を「足」とするのだと考えると分かりやすいでしょう。
「足元」や「足跡」「足袋」などの単語を思い浮かべても分かりやすいです。これらは全て、くるぶしから下の部分を表現している言葉です。
「遠足」「駿足」で使われる足の意味
足という言葉には、人間や動物の「あし」以外にも、様々な意味があります。例えば、歩くこと自体を意味する単語としては、「遠足」や「駿足」という言葉があります。他にも足りていることを示す「満足」という言葉も「足」という字を使います。
「補足」で使われる足の意味
加えることを意味する言葉としては「補足」などがありますし、履物を数える際には「○足」と数えることがあります。日常生活の中で、電車や車などの移動手段のことを「足」と呼ぶこともあります。
足という部分を見つめた際、見た目でくるぶしから先の部分というのを区別出来る場合には「足」という言葉を使うのだと覚えておくようにしましょう。動物に関しても、哺乳動物に関しては「足」という漢字が使われることが多いです。
表現方法は「足が長い」「足がくさい」「足どり」
「足が長い」「足がくさい」「足どり」などが、足を使った一般的な言い回しです。
足の使い方
足を使った分かりやすい例としては、「足が長い人はどんな服を着てもカッコよく見える」「足がくさい人とは絶対に付き合えない」「給料が下がったので家に帰る足どりが非常に重い」などがあります。
足の対義語
足の対義語・反対語としては、手と腕があります。
足の類語
足という漢字を使った他の単語としては、きわめて足の速いことや速く走れる足のことを意味する「快足」、付け加える必要のないものや無用の長物を意味する「蛇足」、不足なく十分に備わっていることを意味する「具足」などがあります。
脚の意味
脚とは
脚とは、人間や動物の「あし」にあたる部分で、主に骨盤から足首までの部分を意味しています。英語では「Leg」と表現される部分です。脚という言葉は、足と同じく辞書ではひらがなで記載されていることが多く、足と同じ言葉であるとされています。
脚という漢字を調べてみると、「人間や動物のあし」「すね」「あしのように支えとなるもの」「立場」「あしのある道具を数える言葉」「漢字の構成部分のひとつ」など、様々な意味があることがわかります。
脚の部位
脚という言葉を人間の下半身部分にある「あし」として考える場合、一般的には骨盤から足首までの部分を指しています。あしを組む時に、組む部分を「脚」であると考えると分かりやすいでしょう。
「脚力」「健脚」で使われる脚の意味
あしの中で、一番大きな筋肉のついている部分であると考えても分かりやすいです。「脚力」や「健脚」などの単語を思い浮かべるとその意味を思い出しやすくなります。脚力というのは、歩いたり走ったりするあしの力のことを意味しています。
「脚立」「三脚」で使われる脚の意味
脚という言葉にも、人間や動物の「あし」以外に様々な意味があります。例えば、あしと同じように下から何かを支えるものについて「脚」と表現したりします。これは、「脚立」や「三脚」などのことを意味しています。
「一脚」「二脚」で使われる脚の意味
また、あしのある道具を数える際には「○脚」と数えます。これは、椅子やダイニングテーブルなどの机を数える際に使用される言葉です。
漢字の構成部分について考える時も、漢字の下部についている部分のことを「脚」と言います。例えば「思」という漢字の下部分の「心」などがそれにあたります。
「あし」という部分を見つめた際、見た目で足と脚の区別がつかないもの、くるぶしから先の部分がどこであるかがわからない場合には「脚」という漢字を使う場合が多いです。
鳥や昆虫は「脚」が使われる
生き物に関して言えば、鳥や昆虫などについては、足ではなく「脚」とされることが多いです。食材としての呼び名で考える際にも、鳥の脚などは英語で脚を意味する「Leg」を使って、「チキンレッグ」「ターキーレッグ」などと呼ばれます。
表現方法は「椅子の脚」「家具の脚」「鳥の脚」
「椅子の脚」「家具の脚」「鳥の脚」などが、脚を使った一般的な言い回しです。
脚の使い方
脚を使った分かりやすい例としては、「引越しの際に傷が付ているとお金を取られるので椅子の脚キズ防止は必要である」「家具の脚はDIYでオリジナルにすることにした」「鳥の脚の形は人間とは大きく異なる」などがあります。
脚の対義語
脚の対義語・反対語としては、手の部分を意味する「腕」があります。
脚の類語
脚という漢字を使った単語としては、手紙や金銭、小荷物などの送達にあたった者を意味する「飛脚」、書物などの本文の下に付された注を意味する「脚注」、演劇や映画などの台本のことを意味する「脚本」などがあります。
足の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人間や動物のくるぶしから下の部分を表現したい時などが挙げられます。その他にも、「足」という字は慣用句として使用されることも多く、実際の足を意味するのではなく、比喩表現として用いられることもあります。
例文3の「足を伸ばす」という表現は「くつろぐ」という意味の他にも、「足を延ばす」と書いて「遠方まで行く」という意味で使われることがあります。旅行先などで「○○に来たついでに、△△まで足を延ばした」などのように使われます。
「足を伸ばす」という表現を使う際の「足」というのは、人間で言うところの骨盤から足先までの全てを含めた「あし」という意味で使われています。この言葉は慣用句として一般的なものですので「脚」ではなく「足」を使います。
他にも、例文4の「足が遠のく」というのは、縁がなくなってきていることを意味していますし、例文5の「君の足」というのは、君の歩くスピードならば、という意味で使われている表現です。
このように、「足」という言葉は、多様な使われ方をするものであると覚えておくようにしましょう。同じ「あし」と読む漢字でも「脚」よりも「足」の方が一般的によく使用される漢字です。
脚の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人間や動物の骨盤から足首までの部分を表現したい時などが挙げられます。その他にも、くるぶしやつま先などの区別がつきにくい鳥や昆虫などについては、上半身を支える部分について「脚」と表現します。
生き物に限らず「脚」というのは、上の部分を支える下の部分という意味を持っています。例文4のように、椅子やテーブルについて、上の部分を支えている所を「脚」と呼びます。
他にも「脚」という漢字を使った単語を思い浮かべると、土台となる部分を示す言葉として使用されていることもあります。例えば「脚本」というのは、物語の土台となるものという意味を持っている言葉です。
このように、「脚」という言葉は、「足」と同じように多様な使われ方をするものであると覚えておくようにしましょう。人間の「足」と「脚」の使い分けに明確な決まりはありません。どちらで書いても間違いではないことも覚えておくようにしましょう。