似た意味を持つ「図太い」(読み方:ずぶとい)と「図々しい」(読み方:ずうずうしい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「図太い」と「図々しい」という言葉は、どちらも恥を知らないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「図太い」と「図々しい」の違い
「図太い」と「図々しい」の意味の違い
「図太い」と「図々しい」の違いを分かりやすく言うと、「図太い」よりも「図々しい」の方がマイナスなイメージが強いという違いです。
「図太い」と「図々しい」の使い方の違い
一つ目の「図太い」を使った分かりやすい例としては、「彼女は図太い神経の持ち主だ」「顧問の先生からもっと図太くなれと言われました」「彼は図太い性格をしている」「彼女は図太く生きてきました」などがあります。
二つ目の「図々しい」を使った分かりやすい例としては、「横入りしてくるなんて図々しい奴だ」「彼女は図々しく居候を決め込む」「そんなこと言うなんて図々しい奴だ」「彼女の図々しさには際限がありません」などがあります。
「図太い」と「図々しい」の使い分け方
「図太い」と「図々しい」はどちらも恥を知らないことを意味する言葉ですが、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「図太い」よりも「図々しい」の方がマイナスなイメージが強いという点です。
また、どちらの言葉も悪い評価を伴って使うのが一般的というのが共通点になります。
「図太い」と「図々しい」の英語表記の違い
「図太い」を英語にすると「bold」「daring」「audacious」となり、例えば上記の「彼女は図太く生きてきました」を英語にすると「She has led a bold life」となります。
一方、「図々しい」を英語にすると「audacious」「impudent」「brazen」となり、例えば上記の「彼女の図々しさには際限がありません」を英語にすると「There is no limit to her impudence」となります。
「図太い」の意味
「図太い」とは
「図太い」とは、無神経で恥を知らないことを意味しています。
「図太い」の読み方
「図太い」の読み方は「ずぶとい」です。誤って「ずふとい」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「図太い人」「図太い女」「図太い神経」
「図太い人」「図太い女」「図太い神経」「図太い男」「図太い性格」などが、「図太い」を使った一般的な言い回しになります。
「図太い」の使い方
「図太い」を使った分かりやすい例としては、「白昼堂々空き巣するなんて図太い奴だ」「彼はこの程度は動じない図太い性格の持ち主です」「彼のような図太い人は少し苦手だ」「女は男が思っているよりも図太い生き物です」などがあります。
「図太い」は恥を知らないことや非常に大胆で横着であるを意味しており、神経が太くて少しのことではびくびくしない様子を悪い評価を伴って表す場合に使う言葉です。
したがって、基本的にマイナスなイメージで使う言葉ですが、親しい間柄などでは、「彼は図太い神経の持ち主なのでそんなことではへこたれない」のように、プラスのイメージで使うこともできると覚えておきましょう。
しかし、上記にも記載した通り基本的にはマイナスなイメージで使う言葉なので、褒め言葉として使っても悪い意味で捉えられることもあるため、褒め言葉として使用するのは避けるのが無難と言われています。
「図太い」の類語
「図太い」の類語・類義語としては、神経が太いことを意味する「野太い」、嘘であったり本心でなかったりすることが見え透いていることを意味する「白々しい」、傲り高ぶって他人を見下すことを意味する「傲慢」などがあります。
「図々しい」の意味
「図々しい」とは
「図々しい」とは、恥を知らないことを意味しています。
「図々しい」を別の漢字表記すると、「図図しい」とすることができます。また、「図図しい」は当て字と覚えておきましょう。
表現方法は「図々しいお願い」「図々しい人」「図々しい女」
「図々しいお願い」「図々しい人」「図々しい女」「図々しい男」などが、「図々しい」を使った一般的な言い回しになります。
「図々しい」の使い方
「図々しい」を使った分かりやすい例としては、「勝手に人の家に上がり込むなんて図々しい奴だ」「彼女がこんな図々しい人なんて知りませんでした」「図々しいお願いですが新商品のパンフレットをお送りしてもよろしいでしょうか」などがあります。
「図々しい」は恥を知らないことや厚かましいことを意味しており、他人の迷惑を顧みず、自分勝手で無遠慮である人を指す場合に使う言葉です。
「図々しい」は褒め言葉として用いられることは少なく、悪口や陰口などのマイナスなイメージで使用するため、使う場所や場面は選ぶようにしましょう。
ただし、「本当にあなたはいつも図々しいね」のように、親しい間柄で冗談めかしてという場合は、強い非難や悪口ではなくたしなめるニュアンスになります。
「図々しい」の語源
「図々しい」の語源は「図」(読み方:づ)を重ねて形容詞化したことです。そのため、「づうづうしい」が本来の形になります。「図」は漢語で企みや計画などの意味を持っており、これが転じて「図に乗る」や「図に当たる」などの日本語が生まれました。
そしてこれがさらに転じて、相手の都合や気持ちなどを全く考えずに身勝手に振る舞うことを「図々しい」と言うようになったと言われています。
「図々しい」の類語
「図々しい」の類語・類義語としては、行動や態度に慎みがないことを意味する「厚かましい」、大胆不敵であることを意味する「ふてぶてしい」、身の程をわきまえないことを意味する「おこがましい」などがあります。
「図太い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、無神経で恥を知らないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「図太い」はマイナスなイメージで使うことが多い言葉です。
「図々しい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、恥を知らないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「図々しい」はマイナスなイメージで使う言葉です。
「図太い」と「図々しい」はどちらも恥を知らないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「図太い」よりも「図々しい」の方がマイナスなイメージが強い言葉と覚えておきましょう。