似た意味を持つ「プレゼン」と「スピーチ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「プレゼン」と「スピーチ」という言葉は、「他者に伝える言葉や話」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
プレゼンとスピーチの違い
プレゼンとスピーチの意味の違い
プレゼンとスピーチの違いを分かりやすく言うと、プレゼンは相手を説得する手法を表現する時に使い、スピーチは大勢にする話を表現する時に使うという違いです。
プレゼンとスピーチの使い方の違い
一つ目のプレゼンを使った分かりやすい例としては、「プレゼンを行う日に限ってお腹の調子が悪くなる」「プレゼン資料をあらかじめ机の上に置いておく」「あのプレゼンが上手くいかなければ商談成立はしなかっただろう」などがあります。
二つ目のスピーチを使った分かりやすい例としては、「スピーチをすることには慣れているが自身の感情を伝えることは苦手だ」「相手がどのような人たちなのかを考えてスピーチを考えるべきだ」「スピーチで失敗しなかった人はいない」などがあります。
プレゼンとスピーチの使い分け方
プレゼンとスピーチはどちらも他者に対して伝える言葉を意味しますが、意味合いや使い方が異なります。
プレゼンは、相手に対して売り込みたい企画案や通したい計画などの説明を行い、納得してもらうための手段を指す言葉で、必要であれば図などの資料を参考に話をします。最終的に相手の理解を得ることが目的です。
一方のスピーチは、自分の意見や主張を指す言葉です。納得させることが目的ではありませんが、選挙などのスピーチでは賛同を得ることで得票に繋がるため説得をしていると捉えることもできます。
つまり、プレゼンは相手を納得させるための手段を指し、スピーチは意見を指す言葉であり、前者は視覚的な情報を用いるのに対して、後者は口頭での説明のみで相手に伝えるため、スピーチという言葉がより汎用性が高いと言えます。
また、対象の人数もプレゼンは一人以上であれば成立しますが、スピーチは大勢の前で行うものという違いもあります。
プレゼンとスピーチの英語表記の違い
プレゼンを英語にすると「presentation」となり、例えば上記の「プレゼンを行う」を英語にすると「hold a presentation」となります。
一方、スピーチを英語にすると「speech」となり、例えば上記の「スピーチをする」を英語にすると「make speeches」となります。
プレゼンの意味
プレゼンとは
プレゼンとは、計画や企画案などを説明し理解を得る手段を意味しています。
表現方法は「プレゼンする」「プレゼンを聞く」「プレゼンが上手い」
「プレゼンする」「プレゼンを聞く」「プレゼンが上手い」などが、プレゼンを使った一般的な言い回しです。
プレゼンの使い方
プレゼンを使った分かりやすい例としては、「プレゼンのコツを上司に教えてもらうことになった」「より効果の上がるプレゼンにおける話し方を学んでおく」「人前で話すのが苦手であるためプレゼンも苦手である」などがあります。
その他にも、「後輩にプレゼンスライドの作成をお願いしたらクオリティの高いものが提出された」「プレゼン資料に載せるグラフを作成しなければならない」「プレゼンを成功させるために聞き手のことを調べる」などがあります。
プレゼンは「プレゼンテーション」の略語
プレゼンは「プレゼンテーション」の略語で、英語では「presentation」と表記され、「贈呈」「授与」「紹介」「発表」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、贈呈や授与といった意味は持ちません。
プレゼンの由来
古代ギリシア頃からプレゼンの概念は存在しており、僧侶が勧進帳などを用いて行う仏教の布教活動行為や、ステンドグラスなどを用いた福音伝道がプレゼンに該当します。
1990年代にコンピュータが普及するようになったことで、資料をデジタル上でまとめ上げることができるプレゼン用のソフトウェアも広く使われるようになります。この頃から、モニターを使用して図表を参考にしながら説明をするという形が一般的となりました。
プレゼンの語源
プレゼンの語源が贈呈することや進呈することを表す「present」であることもあり、他者に対するプレゼンは一方的な押しつけにならないようにするなど、今日では効果的なプレゼン方法が見出されています。
プレゼンの類語
プレゼンの類語・類義語としては、広く人に見せて知らせることを意味する「披露」、知られていない物事を教え知らせることを意味する「紹介」、多くの人々に知らせることを意味する「発表」、会議などに意見を差し出すことを意味する「提議」などがあります。
スピーチの意味
スピーチとは
スピーチとは、大勢の聞き手にする主張や寸話を意味しています。
表現方法は「スピーチをする」「スピーチが苦手」「1分間スピーチ」
「スピーチをする」「スピーチが苦手」「1分間スピーチ」などが、スピーチを使った一般的な言い回しです。
スピーチの使い方
スピーチを使った分かりやすい例としては、「テーブルスピーチを依頼されたため内容を考えている」「朝礼でのスピーチが長くて立ちながら眠りそうになる」「環境問題に関してはスピーチよりもプレゼンの方が向いているだろう」などがあります。
その他にも、「スピーチライターがどのように草稿の執筆を行っているのかを知りたい」「3分間もスピーチをするとなれば好きなことでなければ話し続けられない」「祝賀会でOBを代表してスピーチを行うことになった」などがあります。
スピーチは英語で「speech」と表記され、「演説」「セリフ」「発言」「話し方」といった意味を持つ言葉です。日本語でもほとんど同じように使われていますが、話し方という意味は持ちません。
福沢諭吉が「学問のすすめ」で演説という言葉を使い、英語の「speech」を演説と訳したことで、明治時代からスピーチという言葉が使われるようになりました。
今日では、話し手の意見や主張を述べることだけではなく、会食などで行う簡単な話や挨拶を意味する「テーブルスピーチ」や、上記例文の「朝礼でのスピーチ」などのように大勢を前にしてする話を意味する言葉として使われることもあります。
「スピーチライター」の意味
上記例文の「スピーチライター」とは、スピーチをする人に代わって原稿を執筆する人や職業を指す言葉です。スピーチにおける話し方への指導はスピーチトレーナーという別の職種が担っています。
スピーチの類語
スピーチの類語・類義語としては、大勢の前で自分の意見や主張を述べることを意味する「演説」、意見を述べることを意味する「談話」、大勢の前で意見を述べることを意味する「弁論」、祝意や謝意などを述べることを意味する「挨拶」などがあります。
プレゼンの例文
この言葉がよく使われる場面としては、計画や企画案などを説明し理解を得る手段を意味する時などが挙げられます。
例文1の「プレゼンテーター」とは、プレゼンを行う人、表彰式などで賞の発表や授与を行う人を意味する言葉です。
スピーチの例文
この言葉がよく使われる場面としては、大勢の聞き手にする主張や寸話を意味する時などが挙げられます。
例文1の「ヘイトスピーチ」とは、人種、宗教や性別などに関して、個人や集団を攻撃するような言動を行うことを指す言葉で、インターネット上での誹謗中傷や差別も含まれます。
プレゼンとスピーチは、どちらも「他者に伝える言葉や話」を表します。どちらを使うか迷った場合は、相手を説得するための手法を表す場合は「プレゼン」を、大勢にする話を表す場合は「スピーチ」を使うと覚えておけば間違いありません。