同じ「もらう」という読み方の「貰う」と「もらう」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「貰う」と「もらう」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「貰う」と「もらう」の違い
「貰う」と「もらう」の意味の違い
「貰う」と「もらう」の違いを分かりやすく言うと、「貰う」は公用文では使えない、「もらう」は公用文でも使えるという違いです。
「貰う」と「もらう」の使い方の違い
一つ目の「貰う」を使った分かりやすい例としては、「体調不良が続いているので医者に診て貰うことにしました」「この施設を見学する許可を貰うことができました」「今年のバレンタインデーはチョコを3つ貰うことができました」などがあります。
二つ目の「もらう」を使った分かりやすい例としては、「煙草を一本もらうことができますか」「子供をもらうことができたので幸せでいっぱいです」「入社祝いに両親にスーツを買ってもらう」「私は毎月2千円の小遣いをもらう」などがあります。
「貰う」と「もらう」の使い分け方
「貰う」と「もらう」はどちらも贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
結論から言ってしまうと、「貰う」は公用文では使えないのに対して、「もらう」は公用文でも使えるという点になります。
ではなぜ、「貰う」を公用文で使うことができないかというと、「公用文における漢字使用等について」という内閣訓令があるからです。内閣訓令とは、内閣から各省庁に対して出される命令のことを意味しています。
ただし、一 この「送り仮名の付け方」は、法令・公用文書・新聞・雑誌・放送など、一般の社会生活において、「常用漢字表」の音訓によつて現代の国語を書き表す場合の送り仮名の付け方のよりどころを示すものである。
二 この「送り仮名の付け方」は、科学・技術・芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではないとも記載されているので、公用文以外では「貰う」と「もらう」どちらを使用しても問題ないと覚えておきましょう。
「貰う」と「もらう」の英語表記の違い
「貰う」も「もらう」も英語にすると「get」「be given」となり、例えば上記の「私は毎月2千円の小遣いをもらう」を英語にすると「I get two thousand yen as a monthly allowance」となります。
「貰う」の意味
「貰う」とは
「貰う」とは、贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることを意味しています。その他にも、他人の好意などにより自分が利益を受けることの意味も持っています。
表現方法は「物を貰う」「して貰う」
「物を貰う」「して貰う」などが、「貰う」を使った一般的な言い回しになります。
「貰う」の使い方
「元気を貰うことができたの今週も頑張れそうだ」「私は両親から毎月便りを貰う」などの文中で使われている「貰う」は、「贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすること」の意味で使われています。
一方、「喜んで貰うなら私も嬉しいです」「一人で運ぶのは大変なので手伝って貰うことにしました」などの文中で使われている「貰う」は、「他人の好意などにより自分が利益を受けること」の意味で使われています。
「貰う」は複数の意味を持つ言葉で、様々な場面において使われている言葉です。
贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることの意味の場合は動詞として使い、他人の好意などにより自分が利益を受けることの意味の場合は補助動詞として使います。
「貰う」の特徴
「貰う」はプラスのイメージとマイナスのイメージどちらでも使えるというのが特徴です。例えば、「お金を貰う」「元気を貰う」などの場合はプラスのイメージになりますが、「風邪を貰う」のような望まないものを貰う場合にはマイナスのイメージになります。
「貰う」の注意点
「貰う」を使う上で注意しなければならないのは、公用文において使えないという点です。なぜなら、内閣告示第二号の送り仮名の付け方によって定められているのが理由になります。
ただし、間違った日本語ではないので、公用文以外では好きなように使って問題ないと覚えておきましょう。
「貰う」の対義語
「貰う」の対義語・反対語としては、くれることを意味する「遣る」があります。
「貰う」の類語
「貰う」の類語・類義語としては、渡されたものを受け収めることを意味する「受け取る」、もらうを丁寧に表現した言葉である「頂く」などがあります。
「もらう」の意味
「もらう」とは
「もらう」とは、贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることを意味しています。その他にも、他人の好意などにより自分が利益を受けることの意味も持っています。
表現方法は「物をもらう」「してもらう」
「物をもらう」「してもらう」などが、「もらう」を使った一般的な言い回しになります。
「もらう」の使い方
「賞をもらうことができたので頑張って良かったです」「飲み会費は最初にもらうことにしました」などの文中で使われている「もらう」は、「贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすること」の意味で使われています。
一方、「体調不良が続くので医者に診てもらうことにしました」「中々寝れないので本を読んでもらうことにしました」などの文中で使われている「もらう」は、「他人の好意などにより自分が利益を受けること」の意味で使われています。
「もらう」は複数の意味を持つ言葉で、様々な場面において使われている言葉です。
贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることの意味の場合は動詞として使い、他人の好意などにより自分が利益を受けることの意味の場合は補助動詞として使います。
「もらう」は内閣告示第二号の送り仮名の付け方によって定められている表現なので、新聞やニュース、公用文などで使用しても問題ありません。そのため、幅広い場面で使うことができると覚えておきましょう。
「もらう」の特徴
「もらう」はプラスのイメージだけではなく、「病気をもらう」のようなマイナスのイメージでも使うことができるというのが特徴です。
「もらう」の対義語
「もらう」の対義語・反対語としては、相手のためになるものを提供することを意味する「与える」があります。
「もらう」の類語
「もらう」の類語・類義語としては、差し出されたものを自分の方に取り入れることを意味する「受ける」、もらうを丁寧に表現した言葉である「頂戴する」などがあります。
「貰う」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、他人の好意などにより自分が利益を受けることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3は贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすること、例文4と例文5は他人の好意などにより自分が利益を受けることの意味で使っています。
「もらう」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、他人の好意などにより自分が利益を受けることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3は贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすること、例文4と例文5は他人の好意などにより自分が利益を受けることの意味で使っています。
「貰う」と「もらう」はどちらも贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、公用文で使えないのが「貰う」、公用文でも使うことができるのが「もらう」と覚えておきましょう。