似た意味を持つ「すかさず」と「たまらず」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「すかさず」と「たまらず」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「すかさず」と「たまらず」の違い
「すかさず」と「たまらず」の意味の違い
「すかさず」と「たまらず」の違いを分かりやすく言うと、「すかさず」とは機を逸することなく直ちに対応して行動すること、「たまらず」とは我慢できないことという違いです。
「すかさず」と「たまらず」の使い方の違い
一つ目の「すかさず」を使った分かりやすい例としては、「彼はすかさず反論しました」「私はすかさずその場にしゃがみ込みました」「すかさず裁判所に対して勾留取消請求を行いました」「私が門を開けると猫がすかさず飛び出してきました」などがあります。
二つ目の「たまらず」を使った分かりやすい例としては、「逆転されたチームはたまらずタイムアウトを要求しました」「嬉しくてたまらずすぐ彼に電話を掛けました」「頭が痛くてたまらず病院に行きました」などがあります。
「すかさず」と「たまらず」の使い分け方
「すかさず」と「たまらず」は似た日本語ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。
「すかさず」は機を逸することなく直ちに対応して行動することを意味しており、時間的なスピードに対して使う言葉になります。
一方、「たまらず」は我慢できないことを意味しており、感情が抑えられない場合に使う言葉と覚えておきましょう。
「すかさず」と「たまらず」の英語表記の違い
「すかさず」を英語にすると「immediately」「instantly」「promptly」となり、例えば上記の「私が門を開けると猫がすかさず飛び出してきました」を英語にすると「When I opened the gate, the cat rushed out immediately」となります。
一方、「たまらず」を英語にすると「intolerable」「unbearable」「cannot help」となり、例えば上記の「頭が痛くてたまらず病院に行きました」を英語にすると「I’m going to the hospital because I can’t bear this splitting headache」となります。
「すかさず」の意味
「すかさず」とは
「すかさず」とは、機を逸することなく直ちに対応して行動することを意味しています。
「すかさず」の漢字表記
「すかさず」を漢字にすると、「透かさず」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「すかさず」を使うようにしましょう。
「すかさず」の使い方
「すかさず」を使った分かりやすい例としては、「彼の悪い噂はすかさず社内に広まりました」「彼のボケに対してすかさずツッコミを入れる」「彼女の言い分はすかさず却下されました」「先生の問いに対してすかさず手を挙げました」などがあります。
「すかさず」は機を逸することなく直ちに対応して行動することを意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。
「すかさず」は即時性や即応性に注目した言葉というのが特徴です。そのため、行動の前に何かを考えたり、間に他の行動を挟んだりする場合には「すかさず」を使うことはできないと覚えておきましょう。
「すかさず」の語源
「すかさず」の語源は動詞の「透かす」です。「透かす」とは時間を空けることを意味しており、これに否定形の「ず」が合わさり、時間を空けないことの意味で使われるようになりました。
「すかさず」の類語
「すかさず」の類語・類義語としては、極わずかな時間のことを意味する「とっさに」、すぐその場のことを意味する「即座」、時間的に間を置かないことを意味する「すぐさま」などがあります。
「たまらず」の意味
「たまらず」とは
「たまらず」とは、我慢できないことを意味しています。
「たまらず」の漢字表記
「たまらず」を漢字にすると、「堪らず」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「たまらず」を使うようにしましょう。
「たまらず」の使い方
「たまらず」を使った分かりやすい例としては、「仕事が辛くてたまらず無断欠勤をしてしまいました」「いじめをする人が憎くてたまらず復讐することを考えている」「このままではたまらず上司に抗議しました」などがあります。
「たまらず」は我慢できないことを意味する副詞です。「たまらず〇〇する」という言い回しで、我慢できずに○○を行なうというニュアンスで使います。
「たまらず」の語源
「たまらず」の語源は「堪る」です。「堪る」とは我慢することや堪えることを意味しています。この「堪る」を未然形にして「堪ら」となり、打消しの「ず」が合わさり、我慢できないことを「たまらず」と言うようになりました。
「たまらず」の類語
「たまらず」の類語・類義語としては、堪えることができないことを意味する「我慢できない」、つらいことや苦しいことを我慢できないことを意味する「辛抱できない」などがあります。
「すかさず」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、機を逸することなく直ちに対応して行動することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「すかさず」は時間的なスピードに対して使う言葉です。
「たまらず」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、我慢できないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「たまらず」は感情が抑えられない場合に使う言葉です。
「すかさず」と「たまらず」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、機を逸することなく直ちに対応して行動することを表現したい時は「すかさず」を、我慢できないことを表現したい時は「たまらず」を使うと覚えておきましょう。