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【蜃気楼】と【陽炎】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「蜃気楼」(読み方:しんきろう)と「陽炎」(読み方:かげろう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「蜃気楼」と「陽炎」という言葉は、どちらも「光の屈折によって生じる自然現象」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




蜃気楼と陽炎の違い

蜃気楼と陽炎の意味の違い

蜃気楼と陽炎の違いを分かりやすく言うと、蜃気楼とは実在しないものが見える現象、陽炎とは景色が揺らめいて見える現象という違いです。

蜃気楼と陽炎の使い方の違い

一つ目の蜃気楼を使った分かりやすい例としては、「この辺りはときどき蜃気楼が現れます」「海岸沿いで上位蜃気楼が観測されました」「だるま朝日は蜃気楼の一種です」「富山湾の魚津市は蜃気楼の名所として知られている」などがあります。

二つ目の陽炎を使った分かりやすい例としては、「車は陽炎の中に消え入ってしまった」「陽炎で景色が揺らめいて見える」「人影が陽炎から浮かび上がる」「陽炎のように掴みどころのない人だ」などがあります。

蜃気楼と陽炎の使い分け方

蜃気楼と陽炎という言葉は、どちらも光の屈折によって生じる自然現象であり、景色の見え方が正常ではないことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

蜃気楼とは、本来そこには無い物が見えたり、物体が浮き上がったり、転倒して見える現象です。空気の温度差による光の異常屈折が生むもので、砂漠で実在しないオアシスがあるように見えたり、海上で船が逆さまに浮いて見えたりします。限られた場所で発生し、日本では富山湾の蜃気楼が有名です。

陽炎とは、日射しの強い日に舗装道路の路面近くを、景色がゆらゆらと揺れて見える現象です。不規則な上昇気流により密度の異なる空気が入りまじるため、通過する光が不規則に屈折して起こるものです。太陽光で熱せられたアスファルトや、焚き火などで熱気が立ち上がるところなどで見られます。

つまり、蜃気楼と陽炎は、発生原理や見え方の違いによって区別される自然現象です。見え方で言えば、陽炎よりも蜃気楼の方がダイナミックな変化をもたらします。

蜃気楼と陽炎の英語表記の違い

蜃気楼を英語にすると「mirage」となり、例えば上記の「ときどき蜃気楼が現われる」を英語にすると「a mirage sometimes shows up」となります。

一方、陽炎を英語にすると「heat haze」「shimmer」「laurence」となり、例えば上記の「陽炎の中に」を英語にすると「into the heat haze」となります。

蜃気楼の意味

蜃気楼とは

蜃気楼とは、大気の下層に温度などの密度差があるとき、光の異常屈折により、地上の物体が浮き上がって見えたり、逆さまに見えたり、遠くの物体が近くに見えたりする現象を意味しています。

蜃気楼の読み方

蜃気楼の読み方は、「しんきろう」の他に「かいやぐら」とも読みますが、一般的には「しんきろう」と読まれています。一方、俳句や和歌で春の季語として用いる場合は、「かいやぐら」と読まれることがあります。

蜃気楼の使い方

蜃気楼を使った分かりやすい例としては、「蜃気楼が出現しやすい時期はいつですか」「蜃気楼の発生原理を教えてください」「蜃気楼の写真をダウンロードして壁紙にしています」「外国人観光客に蜃気楼を英語で説明する」などがあります。

その他にも、「今日の天気では蜃気楼は起こらないだろう」「京都で蜃気楼が見れるスポットはありますか」「不思議な蜃気楼は少し怖いと感じます」「何もない砂漠でオアシスの蜃気楼が現れた」などがあります。

蜃気楼とは、光の異常屈折現象の一つです。地面付近の温度が気温より著しく高い場合、前方の物体が実際の位置より低かったり、倒立像が見えたりします。また、地面付近の気温が著しく低い場合には、物体が浮き上がって見えたり、実在しないものが見えたりします。

蜃気楼の語源

蜃気楼という言葉の語源は、古代中国の言い伝えに由来します。蜃気楼の「蜃」は大ハマグリのことで、昔の中国では大ハマグリが暖かい日にあくびをすると、その吐いた気から空中に楼閣が現れると考えられていました。そのため、このような現象を「蜃気楼」と呼ぶようになったのです。

「上位蜃気楼」「下位蜃気楼」の意味

蜃気楼を用いた日本語には「上位蜃気楼」「下位蜃気楼」があります。上位蜃気楼とは、実在の物体や風景の上方に発生する蜃気楼のことです。一方の「下位蜃気楼」とは、実在の物体の下方に発生する蜃気楼であり、アスファルト道路などで遠くに水があるように見える「逃げ水」はこれに当たります。

蜃気楼の類語

蜃気楼の類語・類義語としては、蜃気楼の異称を意味する「海市」、蜃気楼を意味する「空中楼閣」、光の異常屈折による蜃気楼の一種を意味する「逃げ水」、遠方の島や岬が水面から浮き上がって見える現象を意味する「浮島」などがあります。

陽炎の意味

陽炎とは

陽炎とは、春の天気のよい穏やかな日に、地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象を意味しています。

陽炎の読み方

陽炎の読み方には、「かげろう」「ようえん」「かぎろい」があります。「かげろう」「ようえん」は同じ自然現象を意味する言葉ですが、普通「かげろう」と読まれています。一方、「かぎろい」と読む場合は別の意味を持ち、夜明け方の光を表します。

陽炎の使い方

陽炎を使った分かりやすい例としては、「もやもやとした陽炎が立ち昇る」「熱い砂浜に陽炎が立っている」「陽炎が起きやすい条件を調べる」「雨や曇りの日に陽炎は見れません」「英語教室に行く途中に陽炎を見ました」などがあります。

その他にも、「愛は陽炎のように虚ろなものである」「女性の面影を儚い陽炎に喩えた歌詞です」「陽炎は儚さの比喩表現である」「陽炎のように実体がない」「とりとめがない心情を陽炎に喩える」があります。

陽炎とは、直射日光で熱せられた地面の上や、焚き火の上などで、遠方の物体が細かく揺れたり形が歪んで見える現象のことです。不規則な上昇気流により密度の異なる空気が混在するため、光が不規則に屈折して起こります。俳諧では春の季語になっていますが、春に限って起こる現象ではありません。

陽炎の語源

陽炎の語源は、「かぎろひ」という言葉に由来すると言われています。「かぎろひ」は、古く万葉集や古事記などで使われており、春のうららかな日に地上から立つ水蒸気によって光が揺らいで見えるものを表しました。「陽炎の」(読み方:かぎろいの)は、「春」「燃ゆ」の枕詞になっています。

また、昆虫のカゲロウは、ゆらゆらと飛ぶ様子が陽炎のように見えたために、その名が付けられたという説があります。

ことわざ「陽炎稲妻水の月」の意味

陽炎を用いたことわざには「陽炎稲妻水の月」(読み方:かげろういなずまみずのつき)があります。陽炎稲妻水の月とは、手に取ることができないもののたとえ、また、動作がすばやくて身軽なもののたとえとして用いられています。

「陽炎型駆逐艦」の意味

陽炎を用いた日本語には「陽炎型駆逐艦」があります。陽炎型駆逐艦は、大日本帝国海軍の一等駆逐艦の級名です。駆逐艦には、天象・気象・海洋・季節に関係のある名前が付けられました。

陽炎の類語

陽炎の類語・類義語としては、透明な物質の中で光が屈折しもやもやが見えることを意味する「シュリーレン現象」、暑い日に地面がゆらゆら揺れてみえる現象を意味する「糸遊」などがあります。

蜃気楼の例文

1.生まれて初めて蜃気楼を見た時は怖いと思いましたが、その原理を知った今では面白味を覚えます。
2.蜃気楼が映し出されるというライブカメラを一日中見ていましたが、それらしいものは全く確認できませんでした。
3.海や湖に現れる幻のような蜃気楼の仕組みを、理科の先生がわかりやすく解説してくれました。
4.蜃気楼をテーマにした写真コンテストに応募するため、撮影スポットの近くに宿を取りました。
5.蜃気楼とはどんなものなのかを子どもに見せたくて、初夏に富山湾への小旅行を計画しています。
6.海岸線で蜃気楼が発生し、遠くの島々が逆さまに浮かび上がっているように見えました。
7.たしかにあの時ここに建物があったはずなのだが、もしかして蜃気楼でも見ていたのだろうか。
8.私がこの海岸に来たのは、けっして蜃気楼が見たかったわけではなかったが、偶然見ることができました。
9.スマホで蜃気楼の写真を取ろうとしてが、ズームにすると画質が悪くてきれいに撮れませんでした。
10.蜃気楼の発生原理は、光が大気中で屈折することによるものですが、それ以上の感動がありますね。

この言葉がよく使われる場面としては、光の異常屈折により、像の位置がずれたり、倒立したり、実在しない像が現れたりする現象を表現したい時などが挙げられます。

例文5に関して、蜃気楼は海の上や砂漠に出現しやすく、日本では富山湾の魚津市近郊や石狩湾の小樽市近郊が蜃気楼の名所とされています。

陽炎の例文

1.夏のイメージが強い陽炎ですが、実は春の季語だということをご存知でしょうか。
2.光が曲がることで起こる現象には、陽炎のほかには蜃気楼があります。
3.文学作品や歌詞などでは、陽炎はゆらめく情愛の比喩としてよく用いられています。
4.陽炎の原理は、焚き火の向こう側がゆらゆら動いて見えるのと同じです。
5.陽炎が見えるぐらいに暑い夕暮れに、英語教室の体験レッスンを受けました。
6.疲れ果てて歩いていたらアスファルトの向こうにゆらゆらと立ち昇る陽炎が見え、一瞬自分がどこにいるのかわからなくなった。
7.その砂浜は陽炎が立っているので、大変熱く、裸足で歩いたら火傷をしてしまうだろう。
8.そこでは春の陽炎が山々の上に立ち昇り、まるで私達に季節の変化を告げているようでした。
9.陽炎のせいで遠くの村が幻想的な光景に包まれ、まるで夢の中にいるようでした。
10.人魚の尾ひれは陽炎のように揺らめき、我々人間達を惑わせているようでした。

この言葉がよく使われる場面としては、地上から立つ水蒸気によって光がゆらいで見えるものを表現したい時などが挙げられます。

例文1に関して、陽炎という言葉は、俳句において春の季語として使用されています。陽炎は、夏の暑い日に発生することが多いですが、夏の季語ではありません。

蜃気楼と陽炎という言葉は、どちらも「光の屈折によって生じる自然現象」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、実在しないものが見えたり景色が逆さまに見える現象を表現したい時は「蜃気楼」を、景色がゆらゆら揺らめいて見える現象を表現したい時は「陽炎」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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