【穢れ】と【汚れ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「穢れ」(読み方:けがれ)と「汚れ」(読み方:よごれ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「穢れ」と「汚れ」という言葉は、どちらも汚いことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「穢れ」と「汚れ」の違い

「穢れ」と「汚れ」の意味の違い

「穢れ」と「汚れ」の違いを分かりやすく言うと、「穢れ」は目に見えないものに対して使う、「汚れ」は目に見えるものに対して使うという違いです。

「穢れ」と「汚れ」の使い方の違い

一つ目の「穢れ」を使った分かりやすい例としては、「穢れを知らない子供はとても可愛いです」「あなたのような人と関わると穢れてしまう」「悪霊と穢れを祓う儀式を行う」などがあります。

二つ目の「汚れ」を使った分かりやすい例としては、「この作業服は汚れが目立つ」「泥水で汚れた靴を綺麗に拭く」「上司から汚れ仕事をお願いされました」「私はジャケットの汚れを落としました」などがあります。

「穢れ」と「汚れ」の使い分け方

「穢れ」と「汚れ」はどちらも汚いことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「穢れ」は論理的や精神的に不潔なことを意味しており、目に見えないものに対して使います。一方、「汚れ」は物質的に汚いことを意味しており、目に見えるものに対して使うのが一般的というのが違いです。

分かりやすい例を挙げると、「穢れ」は「彼はまだ穢れを知らない純粋な心の持ち主です」のように、心という目に見えないものに対して使っています。一方、「汚れ」は「服の汚れを落とすために選択をする」のように、服という目に見えるもに対して使っています。

また、あくまで多いだけなので、「汚れ仕事」や「汚れ役」などのような使い方もすることがあると覚えておきましょう。

「穢れ」と「汚れ」の英語表記の違い

「穢れ」を英語にすると「impurity」「stain」となり、例えば上記の「悪霊と穢れを祓う」を英語にすると「Drive away evil spirits and impurity」となります。

一方、「汚れ」を英語にすると「dirt」「stain」「spot」となり、例えば上記の「私はジャケットの汚れを落としました」を英語にすると「I removed the stains from my jacket」となります。

「穢れ」の意味

「穢れ」とは

「穢れ」とは、清潔さや純粋さを失うことを意味しています。その他にも、不名誉なことの意味も持っています。

表現方法は「穢れを知らない」「穢れを祓う」「罪穢れ」

「穢れを知らない」「穢れを祓う」「罪穢れ」などが、「穢れ」を使った一般的な言い回しになります。

「穢れ」の使い方

「穢れを知らない少年が羨ましいです」「穢れを一度知るともうあとには戻れません」などの文中で使われている「穢れ」は、「清潔さや純粋さを失うこと」の意味で使われています。

一方、「武門の穢れと言われ破門されてしまいました」「息子は家名の穢れだ」などの文中で使われている「穢れ」は、「不名誉なこと」の意味で使われています。

「穢れ」は倫理的、道徳的、精神的に不潔な場合に使う言葉で、一般的には目に見えないものを対象としています。

また、日本では仏教や神道における観念の一つで、不潔や不浄など、理想ではない状態の意味でも使われていました。また、死、疫病、月経、犯罪などにによって穢れた状態の人は祭事に携ることや共同体への参加が禁じられていました。

そのため、「穢れ」は基本的にマイナスなイメージを伴っている言葉です。

「穢れ」の類語

「穢れ」の類語・類義語としては、不名誉な点のことを意味する「汚点」、穢れていることを意味する「汚穢」(読み方:おわい)などがあります。

「汚れ」の意味

「汚れ」とは

「汚れ」とは、物質的に汚いことを意味しています。

表現方法は「汚れを落とす」「汚れを取る」「汚れを浮かせる」

「汚れを落とす」「汚れを取る」「汚れを浮かせる」などが、「汚れ」を使った一般的な言い回しになります。

「汚れ」の使い方

「汚れ」を使った分かりやすい例としては、「ズボンの汚れを一生懸命落とす」「汚れたテーブルを拭くのも私の仕事です」「この部屋は汚れている場所が一つもありません」「お風呂に入って汚れをさっぱり落とす」などがあります。

「汚れ」とは物質的に汚いことを意味する名詞です。名詞とは自立語で活用がなく、文の主語となることができるものことを意味しています。

基本的に目に見えるものが汚くなった場合に使うのが一般的ですが、「汚れ役をやることにしました」「汚れたお金は受け取れません」などのように、悪いことに関係して清らかさを失うというニュアンスで使ったりもします。

そのため、「汚れ」は基本的マイナスなイメージを伴って使う言葉です。

「汚れ」の類語

「汚れ」の類語・類義語としては、衛生的でないことを意味する「不潔」、汚れることを意味する「汚染」などがあります。

「穢れ」の例文

1.家の近くの神社で心身の穢れを取り除く儀式が、定期的に開催されているらしいです。
2.賄賂を受け取ると政治人生が穢れるので、絶対に受け取らない方がいいだろう。
3.子供たちを見てると穢れを全く知らず、とても癒されます。
4.そんなものを見ると目が穢れるので、絶対に見ない方がいいだろう。
5.窃盗で逮捕されてしまった私は、両親から家門の穢れと言われ勘当されました。
6.あの占い師に会うためには、まずここで穢れを祓う儀式を行う必要があるとのことだ。
7.子供の頃は穢れや悪意のない心で世界を見ていましたが、今は疑心暗鬼の心で世界を見てしまいます。
8.神社の清めの儀式に参加して、心の穢れを一掃したので、清々しい気持ちで新しい年を迎えられそうです。
9.両親は、私があのような人と関わると穢れてしまうといった調子で、嫌悪感をあらわにしました。
10.彼は家元から一門の穢れと言われ破門されてから、自ら流派を築いてここまでのし上がってきました。

この言葉がよく使われる場面としては、清潔さや純粋さを失うことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、不名誉なことを表現したい時にも使います。

例文1から例文4の「穢れ」は清潔さや純粋さを失うこと、例文5の「穢れ」は不名誉なことの意味で使っています。

「汚れ」の例文

1.ペンキの汚れが中々が落ちないので、業者にお願いすることにしました。
2.ネットで紹介されていた洗剤を使ったら、汚れが綺麗に落ちました。
3.この部屋は汚れがひどいので、まずは綺麗にすることから始めよう。
4.彼女は演技がとても上手なので、汚れ役にも定評があります。
5.私は過去に犯罪を起こしたことがあるので経歴に汚れがあるが、今は心を入れ替えて一生懸命働いています。
6.床の汚れを洗剤でゴシゴシこすっていたら、掃除オタクの夫にそれ使っちゃだめだよこっちにしてと怒られた。
7.部活から帰ってくるも汚れがついたままだったので、母親からユニフォームを脱ぐよう言われて、すぐに家に上げてもらえませんでした。
8.部下は上司から汚れ仕事をさせられているが、いざ何かあればすべての責任を押し付けてくるつもりだろう。
9.昨夜の雨で窓ガラスに水の汚れがついていたので、すぐに窓用のワイパーできれいにしました。
10.農場の仕事で服が泥まみれになることは日常茶飯事ですから、気にしたことはありません。

この言葉がよく使われる場面としては、物質的に汚いことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「汚れ」はマイナスなイメージで使われている言葉です。

「穢れ」と「汚れ」はどちらも汚いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目に見えないものに対して使うのが「穢れ」を、目に見えるもの対して使うのが「汚れ」を使うと覚えておきましょう。

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