【収集がつかない】と【収拾がつかない】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しゅうしゅうがつかない」という読み方の「収集がつかない」と「収拾がつかない」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「収集がつかない」と「収拾がつかない」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「収集がつかない」と「収拾がつかない」の違い

「収集がつかない」は「収拾がつかない」の間違い

「収集がつかない」と「収拾がつかない」の違いを分かりやすく言うと、「収集がつかない」とは「収拾がつかない」の間違った使い方、「収拾がつかない」とは混乱していて落ち着いていない状態のことです。

「収集がつかない」は誤字

一般的には「収集がつかない」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が同じなことから、「収拾がつかない」のことを間違えて「収集がつかない」を使っている人がほとんどです。

「収拾がつかない」は正しい日本語

正しい言葉である「収拾がつかない」を使った分かりやすい例としては、「大事になってしまったので事態の収拾がつかない」「二人とも一歩も引かず収拾がつかない」「議論が白熱しており収拾がつかない」「会議は収拾がつかないほど混乱しました」などがあります。

「収拾がつかない」という言葉はあっても、「収集がつかない」という言葉は存在しません。同時に「収拾がつかない」という単語の意味について「混乱していて落ち着いていない状態のこと」と覚えておきましょう。

「収拾がつかない」の英語表記

「収拾がつかない」を英語にすると「out of hand」「uncontrollable」「out of control」「confusion」となり、例えば上記の「会議は収拾がつかないほど混乱しました」を英語にすると「The meeting was in wild confusion」となります。

「収集がつかない」の意味

「収集がつかない」とは

「収集がつかない」とは、「収拾がつかない」の間違った使われ方です。

「収集がつかない」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「収拾がつかない」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「収集がつかない」と間違えやすい理由

「収集がつかない」と「収拾がつかない」を間違ってしまう理由としては、「収集」と「収拾」の読み方が同じなのが原因です。正しい日本語は、混乱していて落ち着いていない状態のことを意味する「収拾がつかない」と覚えておきましょう。

ではなぜ「収集がつかない」が間違った言葉かというと、「収集」と「収拾」の意味が異なっているからです。「収集」は趣味や研究などのために集めることを意味しているのに対して、 「収拾」は混乱を収めて状態を整えることを意味しています。

つまり、「収集がつかない」としてしまうと、趣味や研究などのために集めていない状態という意味の分からない言葉になってしまうので、「収拾がつかない」の方を使うと覚えておきましょう。

間違った言葉である「収集がつかない」の「収集」を使った分かりやすい例としては、「切手を収集するのが私の趣味です」「仕事に関する幅広い資料を収集する」「次の試合の対戦相手のデータを収集する」などがあります。

「収拾がつかない」の意味

「収拾がつかない」とは

「収拾がつかない」とは、混乱していて落ち着いていない状態のことを意味しています。

表現方法は「気持ちの収拾がつかない」「喧嘩の収拾がつかない」

「気持ちの収拾がつかない」「喧嘩の収拾がつかない」などが、「収拾がつかない」を使った一般的な言い回しになります。

「収拾がつかない」の使い方

「収拾がつかない」を使った分かりやすい例としては、「人が多すぎて話し合いの収拾がつかない」「収拾がつかない事態になってしまいました」「学内で事件があり収拾がつかない」「気持ちの収拾がつかない時は思いっきり泣くのもいいだろう」などがあります。

「収拾がつかない」は、混乱を収めて状態を整えることを意味する「収拾」に、解決することを意味する「つく」と、否定形の「ない」が合わさり、混乱していて落ち着いていない状態のことを意味する言葉です。

「収拾がつかない」は「喧嘩の収拾がつかない」「両者の言い分が食い違っており事態の収拾がつかない」などのように、喧嘩や揉め事が起きて落ち着いた状態にならない場合に使います。

また、「議論がヒートアップしており収拾がつかない」「論点をきちんと整理しないと会議の収拾がつかない状態にになる」などのように、結論が出ないというニュアンスで使うことも可能です。

「収拾がつかない」の対義語

「収拾がつかない」の対義語・反対語としては、混乱した状態が落ち着くことを意味する「収拾がつく」があります。

「収拾がつかない」の類語

「収拾がつかない」の類語・類義語としては、物事が入り乱れて大きく秩序をなくすことを意味する「大混乱」、多くの人が口やかましく騒ぐことを意味する「喧々囂々」(読み方:けんけんごうごう)、多くの人が騒ぎ立てることを意味する「大騒動」などがあります。

「収集がつかない」の例文

1.「収集がつかない」という言葉は存在しないので、おそらく「収拾がつかない」の言い間違いだろう。
2.「収拾がつかない」という言葉は混乱していて落ち着いていない状態のことで、「収集がつかない」という言葉はない。
3.「収集がつかない」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.会議の収集がつかなくて困っているという言葉を使う人はいるが、正しくは会議の収拾がつかなくて困っているです。
5.事態の収拾がつかないことがあるなんて思いもしませんでしたという言葉はあるが、事態の収集がつかないことがあるなんて思いもしませんでしたという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「収拾がつかない」という言葉を間違えて「収集がつかない」と表現している時などが挙げられます。

「収集がつかない」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「収拾がつかない」を間違えて使っている可能性が高いです。

「収集がつかない」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「収集がつかない」ではなく、「収拾がつかない」と表現するのが正しい使い方になります。

「収拾がつかない」の例文

1.お互いが興奮状態にあり、喧嘩の収拾がつかないので、とても困っています。
2.事態の収拾がつかないので、上司に助けを求めることにしました。
3.チーム内で起きている口論は激しく収拾がつかないので、もしかしたら解散の危機かもしれない。
4.国家間の経済交渉が暗礁に乗り上げてしまったので、このままだと収拾がつかない。
5.収拾がつかないほど事態が大きくなってしまったので、この先はどうなるか分かりません。

この言葉がよく使われる場面としては、混乱していて落ち着いていない状態のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「収拾がつかない」はマイナスなイメージで使われている言葉です。

「収集がつかない」と「収拾がつかない」どちらを使うか迷った場合は、「収集がつかない」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「収拾がつかない」を使うようにしましょう。

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