似た意味を持つ「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」という言葉は、どちらも何をすればいいか尋ねることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」の違い
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」の意味の違い
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」の違いを分かりやすく言うと、「どうすればいいですか」は目上の人に対して使えない、「いかがいたしましょうか」は目上の人に対しても使えるという違いです。
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」の使い方の違い
一つ目の「どうすればいいですか」を使った分かりやすい例としては、「サッカーが上手くなるにはどうすればいいですか」「英語を話せるようにするにはどうすればいいですか」「このような痛みはどうすればいいですか」などがあります。
二つ目の「いかがいたしましょうか」を使った分かりやすい例としては、「お客様からのアポイントがありますがいかがいたしましょうか」「先方への手土産はいかがいたしましょうか」「ハンバーグの焼き具合はいかがいたしましょうか」などがあります。
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」の使い分け方
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」はどちらも何をすればいいか尋ねること意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「どうすればいいですか」は、丁寧な言葉ではあるものの、「する」が謙譲語の「いたす」になってないだけはなく、改まった言葉ではない「どう」を使用しているため、目上の人に対して使うことはできません。
一方、「いかがいたしましょうか」は「する」の謙譲語である「いたす」や改まった言葉である「いかが」を使用してるため、目上の人に対しても使うことができるというのが違いです。
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」の英語表記の違い
「どうすればいいですか」を英語にすると「What should I do」となり、例えば上記の「このような痛みはどうすればいいですか」を英語にすると「What should I do with this kind of pain」となります。
一方、「いかがいたしましょうか」を英語にすると「How would you like your」となり、例えば上記の「ハンバーグの焼き具合はいかがいたしましょうか」を英語にすると「How would you like your hamburger done」となります。
「どうすればいいですか」の意味
「どうすればいいですか」とは
「どうすればいいですか」とは、自分がどうすればいいか相手に尋ねることを意味しています。
「どうすればいいですか」の使い方
「どうすればいいですか」を使った分かりやすい例としては、「歌が上手になるにはどうすればいいですか」「予約をキャンセルしたいのですがどうすればいいですか」「切符を落としてしまったのですがどうすればいいですか」などがあります。
「どうすればいいですか」は、事物の状態や方法などを不特定のものとしてとらえる気持ちのことを意味する「どう」に、そうすることを意味する「すれば」と、相手に許可や了承を得ることを意味する「いいですか」が合わさった言葉です。
「どうすればいいですか」は仕事場の上司など目上の人に使えない
「どうすればいいですか」は丁寧な表現ではあるものの、ビジネスシーンなどで目上の人に対して使うことができないと覚えておきましょう。
ではなぜ「どうすればいいですか」が目上の人に使えないかというと、「する」が謙譲語の「いたす」になっていないのと、「どう」が改まり語になっていないという2点が原因になります。
改まり語とは、普段使う言葉をより丁寧な雰囲気を出して、ビジネスシーン用の改まった言葉のことを指しています。
「どう」の改まり語は「いかが」なので、「どうすればいいですか」を敬語と改まり語使って表現すると「いかがいたしましょうか」となります。したがって、目上の人に対して使いたい場合は、「いかがいたしましょうか」を使うのが適切です。
改まり語を例文を交えて紹介します。「後で」の改まり語は「後ほど」なので、「後で資料をお持ちいたします」を「後ほど資料をお持ちいたします」となります。
また、「いつも」の改まり語は「平素」なので、「いつもありがとうございます」ではなく、「平素は格別のご厚情を賜りありがとうございます」とするとより丁寧な表現にすることが可能です。
その他にも、改まり語だけ挙げると、「あっち」の改まり語は「あちら」、「少し」の改まり語は「少々」、「今」の改まり語は「只今」、「これから」の改まり語は「今後」、「今日」の改まり語は「本日」などとなります。
「どうすればいいですか」の類語
「どうすればいいですか」の類語・類義語としては、どうしたらいいかを尋ねることを意味する「どうしましょうか」があります。
「いかがいたしましょうか」の意味
「いかがいたしましょうか」とは
「いかがいたしましょうか」とは、相手のために自分が何をすればよいか尋ねることを意味しています。
「如何いたしましょうか」はあまり好ましくない
「いかがいたしましょうか」を漢字にして、「如何いたしましょうか」とするのはあまり好ましくありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「いかがいたしましょうか」を使うようにしましょう。
「いかがいたしましょうか」の使い方
「いかがいたしましょうか」を使った分かりやすい例としては、「こちら温めることもできますがいかがいたしましょうか」「会議の日程ですがいかがいたしましょうか」「お支払いの方法はいかがいたしましょうか」などがあります。
「いかがいたしましょうか」は相手に状態や意見などについて尋ねることを意味する「いかが」に、「する」の謙譲語である「いたす」と「ます」をさらに丁寧にした「いたしましょうか」が合わさった言葉です。
「いかがいたしましょうか」は目上の上司やお客様に使える
「いかがいたしましょうか」は謙譲語表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うこともできます。謙譲語とは、自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことを意味しています。
「いかがいたしましょうか」は謙譲語なので、基本的に自分の行動に対して使い、相手のために自分が何をすればよいか尋ねる場合に使用します。そのため、相手の行動に対しては使えない言葉なので、間違えないように気をつけましょう。
「いかがいたしましょうか」の類語
「いかがいたしましょうか」の類語・類義語としては、相手が何を行うのか尋ねること「いかがなさいますか」があります。
「どうすればいいですか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分がどうすればいいか相手に尋ねることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「どうすればいいですか」は目上の人に対して使うことはできない言葉です。
「いかがいたしましょうか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手のために自分が何をすればよいか尋ねることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「いかがいたしましょうか」は目上の人に対しても使うことができる言葉です。
「どうすればいいですか」と「いかがいたしましょうか」はどちらも何をすればいいか尋ねることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に使えないのが「どうすればいいですか」、目上の人に使えるのが「いかがいたしましょうか」と覚えておきましょう。