似た意味を持つ「ポリシー」「こだわり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ポリシー」と「こだわり」という言葉は、どちらも事を行う際の方針のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ポリシー」と「こだわり」の違い
「ポリシー」と「こだわり」の意味の違い
「ポリシー」と「こだわり」の違いを分かりやすく言うと、「ポリシー」はプラスのイメージで使うことが多い、「こだわり」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使うという違いです。
「ポリシー」と「こだわり」の使い方の違い
一つ目の「ポリシー」を使った分かりやすい例としては、「時間厳守が私の営業ポリシーです」「ポリシー上その質問にはお答えするこはできません」「私はこの会社のポリシーが好きです」「それは弊社のポリシーに反しています」などがあります。
二つ目の「こだわり」を使った分かりやすい例としては、「こちらこだわりの材料を使ったラーメンです」「私は住む家にはこだわりがあります」「彼女のこだわりを理解することはできません」「彼の料理人としてのこだわりが生んだ味です」などがあります。
「ポリシー」と「こだわり」の使い分け方
「ポリシー」と「こだわり」はどちらも事を行う際の方針のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ポリシー」は「我が社のポリシーはお客様の満足を第一に考えることです」「彼は自分のポリシーを貫く」などのように、プラスのイメージで使うのが一般的になります。
「こだわり」は「こちらは当店のこだわりの一品です」「彼女は美容に関しては強いこだわりを持っている」などのとことこん追及するというニュアンスで使う場合はプラスのイメージになります。
しかし、「彼はこだわりが強すぎるので付き合いにくい」「彼女は些細なミスにもこだわるので面倒だ」などのように、必要以上に気にすることのニュアンスで使う場合はマイナスのイメージになるのが一般的です。
つまり、「ポリシー」はプラスのイメージで使うことが多いのに対して、「こだわり」はプラスのイメージとマイナスのイメージどちらでも使うというのが違いと覚えておきましょう。
「ポリシー」と「こだわり」の英語表記の違い
「ポリシー」を英語にすると「policy」となり、例えば上記の「それは弊社のポリシーに反しています」を英語にすると「That goes against company policy」となります。
一方、「こだわり」を英語にすると「obsession」「professionalism」「fixation」となり、例えば上記の「彼の料理人としてのこだわりが生んだ味です」を英語にすると「the flavor produced by a chef who takes professional pride in his work」となります。
「ポリシー」の意味
「ポリシー」とは
「ポリシー」とは、政策や策略のことを意味しています。その他にも、事を行う際の方針のことの意味も持っています。
表現方法は自分のポリシー」「ポリシーを持つ」「ポリシーがある」
「自分のポリシー」「ポリシーを持つ」「ポリシーがある」「ポリシーがない」「ポリシーを掲げる」「ポリシーを貫く」などが、「ポリシー」を使った一般的な言い回しになります。
「ポリシー」の使い方
「質の高いサービスを提供するのが弊社のポリシーです」「格差是正が我が党のポリシーです」などの文中で使われている「ポリシー」は、「政策や策略のこと」の意味で使われています。
一方、「その行動は私のポリシーに反している」「彼は行動にポリシーがありません」などの文中で使われている「ポリシー」は、「事を行う際の方針のこと」の意味で使われています。
「ポリシー」は政策や策略のことや事を行う際の方針のことの二つの意味を持つ言葉で、政治団体の制作や企業の政策だけではなく、個人の信念や信条などの幅広い範囲で使うことが可能です。
政策や策略のことの意味の場合は、主に政治団体や企業について使い、事を行う際の方針のことの意味の場合は個人の信念や信条などについて使うと覚えておきましょう。
「プライバシーポリシー」の意味
「ポリシー」を使った有名な言葉として、「プライバシーポリシー」があります。「プリバシーポリシー」とは、企業などが収集した個人情報の取り扱いについての指針のことを意味しています。
「ポリシー」の類語
「ポリシー」の類語・類義語としては、 政府や政党などの施政上の方針や方策のことを意味する「政策」、物事や計画を実行する上のおよその方向のことを意味する「方針」などがあります。
「こだわり」の意味
「こだわり」とは
「こだわり」とは、必要以上に気にすることを意味しています。
「こだわり」の漢字表記
「こだわり」を漢字にすると、「拘り」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「こだわり」を使うようにしましょう。
表現方法は「こだわりを持つ」「こだわりを捨てる」「こだわりを感じる」
「こだわりを持つ」「こだわりを捨てる」「こだわりを感じる」「こだわりが強い人」「こだわりがない人」などが、「こだわり」を使った一般的な言い回しになります。
「こだわり」の使い方
「こだわり」を使った分かりやすい例としては、「こちらは当店こだわりの一品になります」「私は洋服に対してはこだわりがある」「彼の食へのこだわりは理解できません」「彼女は髪型にこだわりがあります」などがあります。
「こだわり」は、元々必要以上に気にするという意味で、マイナスなイメージでのみ使われている言葉でしたが、近年では「こだわりの一品」や「こだわりの素材」などのように、とことこん追及するという意味で、プラスのイメージで使われるようになった言葉です。
したがって「こだわり」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使える言葉と覚えておきましょう。
「こだわり」の類語
「こだわり」の類語・類義語としては、ある一つのことを深く思いつめる心のことを意味する「執念」、正しいと信じる自分の考えのことを意味する「信念」、一つのことに心をとらわれてそこから離れられないことを意味する「執着」などがあります。
「ポリシー」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、政策や策略のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、事を行う際の方針のことを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「ポリシー」は政策や策略のこと、例文4と例文5の「ポリシー」は事を行う際の方針のことの意味で使っています。
「こだわり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、必要以上に気にすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「こだわり」はプラスとマイナスのイメージどちらでも使うことができる言葉です。
「ポリシー」と「こだわり」はどちらも事を行う際の方針のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、プラスのイメージで使うことが多いのが「ポリシー」、プラスとマイナスどちらのイメージでも使うのが「こだわり」と覚えておきましょう。