似た意味を持つ「期日」(読み方:きじつ)と「期限」(読み方:きげん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「期日」と「期限」という言葉は、どちらも「前もって定めている日」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
期日と期限の違い
期日と期限の意味の違い
期日と期限の違いを分かりやすく言うと、期日とは特定の日をピンポイントで表し、期限とは前もって定める連続した期間を表すという違いです。
期日と期限の使い方の違い
一つ目の期日を使った分かりやすい例としては、「保険料の払込期日は毎月末日です」「期日請書の書き方を詳しく解説します」「期日前投票の持ち物を教えてください」「宿題は期日までに必ず提出するように」などがあります。
二つ目の期限を使った分かりやすい例としては、「保険金の支払期限を定める」「英語の課題の提出期限を確認する」「期限切れの薬を服用してしまった」「期限の利益の喪失条項を契約書に盛り込む」などがあります。
期日と期限の使い分け方
期日と期限という言葉は、どちらも前もって決められている日を表し、「支払期日」「支払期限」などと同じような表現をしますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
期日とは、将来的に決められている特定の日を意味します。「支払期日」とは、あらかじめ支払うことを定めた特定の日のことであり、その日の前に支払うことはできない場合があります。また、期日という言葉は、「期日までに提出する」のような使われ方で、期限の切れる特定の日も意味します。
期限とは、期間の限界であり、あらかじめ決められた一定の時期や期間を意味します。「通学定期の期限が切れる」「レポートの提出期限」のような使い方で、ある時点から将来のある時点までの連続する期間を表現する言葉です。
つまり、期日は特定の日をピンポイントで指しており、期限は連続した一定の期間を表す言葉です。二つの言葉は、とてもよく似ていますが意味は異なりますので、区別して使い分けるようにしましょう。
期日と期限の英語表記の違い
期日を英語にすると「fixed date」「due date」「deadline」となり、例えば上記の「払込期日」を英語にすると「the payment date」となります。一方、期限を英語にすると「period」「term」「time limit」となり、例えば上記の「期限を定める」を英語にすると「fix the term」となります。
期日の意味
「期日」とは
期日とは、あることを行うと前もって特定されている日を意味しています。
その他にも、「その日までと前もって定められている日、期限の切れる日」の意味も持っています。
表現方法は「期日当日」「期日を設ける」「支払い期日」
「期日当日」「期日を設ける」「支払い期日」などが、「期日」を使った一般的な言い回しです。
「期日」の使い方
「期日前投票のやり方が分かりません」「期日前投票の場所はどこですか」「裁判の期日は弁護士が出廷します」「英語のレッスン料の支払期日はいつですか」などの文中で使われている期日は、「あることを行うと特定されている日」の意味で使われています。
一方、「期日に間に合わない旨をメールで伝える」「明日が期日とは知らなかった」「期日現金と振込の違いを調べる」「期日までにお支払いください」などの文中で使われている期日は、「期限の切れる日」の意味で使われています。
期日とは、ある行為の実施が予め決められている日や、それまでに行為を完了するように前もって定められた特定の日を意味する言葉です。期日の「期」は訓読みで「とき」と読み、決められた時点や日時、 区切られた一定の時間を表します。
「期日現金」の意味
上記の例文にある「期日現金」とは、モノを買ったりサービスの提供を受けた場合に、90日後とか120日後などの決められた期日に代金として現金を銀行振込みすることを意味します。手形発行に伴う経費を削減する観点から、大企業を中心に広がっている信用取引の方法です。
「期日前投票」の意味
期日を用いた日本語には「期日前投票」(読み方:きじつまえとうひょう)があります。期日前投票とは選挙用語であり、投票日に仕事や旅行などで投票できない人のために、投票日前にも投票できる制度のことです。
期日の対義語
期日の対義語・反対語としては、すぐその時や即刻を意味する「即時」などがあります。
期日の類語
期日の類語・類義語としては、あらかじめ決められた終了の期日を意味する「締切」、前もって期日を限って定めることを意味する「日限」、新聞や雑誌などの原稿締め切り時刻を意味する「デッドライン」などがあります。
期限の意味
期限とは
期限とは、前もって決められた一定の時期や期間を意味しています。
その他にも、「法律行為の効力の発生・消滅または債務の履行を、将来到達することの確実な事実の発生にかかわらせる付款」の意味も持っています。
表現方法は「期限後申告」「期限切れ」「期限に追われる」
「期限後申告」「期限切れ」「期限に追われる」などが、期限を使った一般的な言い回しです。
期限の使い方
「英語のレッスンチケットが期限切れになっていた」「期限切れのパスポートは更新できますか」「賞味期限と消費期限は違います」などの文中で使われている期限は、「前もって決められた一定の時期や期間」の意味で使われています。
一方、「期限の利益は民法136条で定められています」「期限の利益喪失により分割払いができなくなりました」「期限後申告にはデメリットしかありません」などの文中で使われている期限は、「将来到来することの確定している事実が発生するまで延ばす法律行為の附款」の意味で使われています。
期限とは、前もって決まっている一定の時期や期間を意味します。ある一時点から、その先の決められたある時点までの連続する期間を表す言葉です。また、法律用語として、法律行為の効力の発生や消滅または債務の履行を、将来到来することが確実な事実の生じるときまで延ばす約款を言います。
「賞味期限」「消費期限」の意味
上記例文にある「賞味期限」「消費期限」とは、食品の期限表示の一つです。賞味期限とは、開封せずに決められた方法で食品を保存した場合に,おいしく食べることができると認められる期限です。一方の消費期限とは、品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を意味します。
「期限の利益」の意味
期限を用いた法律用語には、「期限の利益」があります。期限の利益とは、期限が定められていることによって債務者が受ける利益を意味します。例えば、借金の返済期限が設定されている場合、債務者は期限までは返済する義務はなく、また返済を求められることもありません。
期限の対義語
期限の対義語・反対語としては、期限のないことや期限を決めないことを意味する「無期限」などがあります。
期限の類語
期限の類語・類義語としては、取り扱いを打ち切ることを意味する「締め切り」、限りとして定められた時刻を意味する「時限」、年を単位として定めた期限や取り決めた年の期限を意味する「年限」、ぎりぎり許される時間を意味する「タイムリミット」などがあります。
期日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、予定している日、期限となっている日を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある期日は、予定している日の意味で用いられています。例文5の期日は、期限となっている日の意味で使用されています。
期限の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前もって決められた一定の時期、法律行為の効力を将来到来することが確実な事実の発生にかからせる付款を表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2に期限は、前もって決められた一定の時期の意味で用いられています。例文3から例文5の期限は、法律行為の効力を将来到来することが確実な事実の発生にかからせる付款を意味しています。
期日と期限という言葉は、どちらも「あらかじめ定めている日」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、特定の日をピンポイントを表現したい時は「期日」を、定めている連続した期間を表現したい時は「期限」を使うようにしましょう。