似た意味を持つ「投函」(読み方:とうかん)と「発送」(読み方:はっそう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「投函」と「発送」という言葉は、どちらも「郵便物を送り出すこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
投函と発送の違い
投函と発送の意味の違い
投函と発送の違いを分かりやすく言うと、投函とは郵便物をポストに入れるという手段を表し、発送とは郵便物を送り出すという行為を表すという違いです。
投函と発送の使い方の違い
一つ目の投函を使った分かりやすい例としては、「忘れずにこの手紙を投函してください」「イラストコンテストの作品を投函する」「消印日はポストに投函した日ではありません」「シールを貼ってポスト投函するだけ」などがあります。
二つ目の発送を使った分かりやすい例としては、「発送通知があったのに商品が届かない」「重要書類を簡易書留で発送する」「発送代行サービスを利用する」「念のため発送伝票を多めにもらいました」などがあります。
投函と発送の使い分け方
投函と発送という言葉は、どちらも郵便物や荷物などを送り出すことを表し、「手紙を投函する」「手紙を発送する」のように使用されていますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
投函とは、ポストに郵便物を入れることを意味します。「手紙を投函する」とは、手紙をポストに入れることであり、もし郵便局の窓口から手紙を送る場合には「投函」という言葉は使用できません。投函という言葉は、送る手段を限定する言い方です。
発送とは、郵便物や荷物などを送り出すことを意味します。「手紙を発送する」とは、先方に手紙を送り出すことであり、郵便局の窓口から送り出す場合でも、ポストに差し出した場合にも使用できる表現です。発送という言葉は、送る行為そのものを表します。
つまり、投函はポストに入れるという発送の手段を表現し、発送とは送り出す行為を表す言葉です。よって、例えば「手紙はポストに投函し、発送済みです」と表現することができます。
投函と発送の英語表記の違い
投函を英語にすると「posting」「mailing」となり、例えば上記の「手紙を投函する」を英語にすると「post a letter」となります。一方、発送を英語にすると「sending」「orwarding」「shipping」となり、例えば上記の「発送通知」を英語にすると「shipping advices」となります。
投函の意味
投函とは
投函とは、郵便物をポストに入れることを意味しています。
表現方法は「家のポストに投函」「新聞投函」
「家のポストに投函」「新聞投函」などが、投函を使った一般的な言い回しです。
投函の使い方
投函を使った分かりやすい例としては、「請求書を投函いたしました」「英語のテキストを投函する」「投函口のサイズはどれぐらいですか」「ポストに投函できるサイズの英語のノートを買う」などがあります。
その他にも、「投函禁止のステッカーを作成する」「履歴書の日付は投函日にするべきです」「宛名を漢字で書いて投函した」「閉庁時は専用投函箱をご利用ください」「投函口の大きい郵便ポストの設置場所を確認する」などがあります。
投函の「投」は訓読みで「なげる」と読み、さし出したり入れたりしてある場所に収まるようにすることを表し、「函」は訓読みで「はこ」と読み、手紙を入れる箱を表す漢字です。投函とは、定められた箱の中へ用紙を入れることを意味し、特に、郵便物をポストへ入れることを表現する言葉です。
投函という言葉は、郵便物をポストに入れることだけでなく、投票用紙を投票箱に入れる時にも使用できます。また、アンケート用紙を専用ボックスに入れることも「投函」と表現することが可能です。
投函の対義語
投函の対義語・反対語としては、手紙やはがきなどを受け取ることを意味する「受函 」などがあります。
投函の類語
投函の類語・類義語としては、物を投げいれることや投げこむことを意味する「投入」、送り出すことや発送することを意味する「差出す」、郵便で送ることを意味する「郵送」、書状を関係機関などに送ることを意味する「投書」などがあります。
発送の意味
発送とは
発送とは、荷物や郵便物などを送り出すことを意味しています。
発送の読み方
発送の読み方は「はっそう」です。同じ読み方をする熟語に「発想」や「発走」がありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。
表現方法は「発送済み」「発送を催促する」「発送を完了」
「発送済み」「発送を催促する」「発送を完了」などが、発送を使った一般的な言い回しです。
発送の使い方
発送を使った分かりやすい例としては、「英語のテキストを発送しました」「発送元住所は開示されません」「発送先の変更をお願いします」「発送から届くまで2、3日程度です」「発送を催促する連絡を入れました」などがあります。
その他にも、「こちらから発送した小包は届きましたか」「発送予定日から何日で届くだろう」「配送状況がいつになっても発送済みにならない」「最も安い発送方法を探しています」「当日発送の締切時間を教えてください」などがあります。
発送とは、先方に届くように物を送ることを意味し、郵便物や荷物などを送り出すことを表現する言葉です。発送の「発」は外部や世間に向けて出すこと、「送」は人や物を別の所に運びおくることを表します。
「発送予定日」の意味
上記の例文にある「発送予定日」とは、主に通信販売で使用される言葉であり、ショップから顧客に向けて商品が発送される予定の日付を意味します。商品が顧客に到着する「配達予定日」とは異なることに注意しましょう。
発送の対義語
発送の対義語・反対語としては、物や金を受け取ることを意味する「受領」などがあります。
発送の類語
発送の類語・類義語としては、荷を積み出すことを意味する「出荷」、送り届けることを意味する「送達」、配達して届けることを意味する「配送」、送り届けることや送り渡すことなどを意味する「送付」などがあります。
投函の例文
この言葉がよく使われる場面としては、定められた箱に用紙を投げ入れること、郵便物や投票用紙をポストや投票箱に入れることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の投函は、郵便物や文書などをポストに入れることを表現しています。例文5の投函は、鍵を専用ボックスに入れることを表しています。
発送の例文
この言葉がよく使われる場面としては、先方に届くように物を送ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、発送の慣用的な言い回しには「発送方法」「発送手続き」「発送する」「発送元」などがあります。例文5にある発送と配送の違いは、発送とは荷物を送り出す始点を意味することに対し、配送とは荷物を届ける全工程を指す点にあります。
投函と発送という言葉は、どちらも「郵便物を送り出すこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ポストに入れることを表現したい時は「投函」を、郵便物を送り出すことを表現したい時は「発送」を使うようにしましょう。