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【謳歌】と【享受】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「謳歌」(読み方:おうか)と「享受」(読み方:きょうじゅ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「謳歌」と「享受」という言葉は、どちらも「味わい楽しむこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




謳歌と享受の違い

謳歌と享受の意味の違い

謳歌と享受の違いを分かりやすく言うと、謳歌とは自分が置かれた境遇を楽しむことを表し、享受とは得られた利益を楽しむことを表すという違いです。

謳歌と享受の使い方の違い

一つ目の謳歌を使った分かりやすい例としては、「部活に励んで青春を謳歌する」「彼は人生を謳歌していると思う」「冬ならではのアウトドアを謳歌する」「彼は独身生活を謳歌している」「何もかも順調に事が運び、我が世の春を謳歌する」などがあります。

二つ目の享受を使った分かりやすい例としては、「市民が健康を享受する環境を作ります」「誰もが自由を享受する権利があります」「申請すればIT導入補助金を享受できます」「デジタル化の恩恵を享受できる社会を実現する」などがあります。

謳歌と享受の使い分け方

謳歌と享受という言葉は、どちらも「味わい楽しむこと」を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

謳歌とは、「青春を謳歌する」「平和を謳歌する」のような使い方で、恵まれた幸せを大いに楽しみ喜び合うことを意味します。よい境遇にあることをはばかることなく言動に表わし、積極的に喜びを味わう様子を表現した言葉です。

享受とは、「自由を享受する」「補助金を享受できる」のような使い方で、与えられた物事を受け入れて自分のものとすることや、受け入れて味わい楽しむことを意味します。多くは、精神的あるいは物質的な利益を受ける場合に用いられる言葉です。

つまり、謳歌と享受の違いは楽しむ対象にあります。謳歌は自分が置かれた境遇や状況を楽しむことを表現し、享受は精神的または物質的な利益を楽しむことを表現する言葉なのです。

謳歌と享受の英語表記の違い

謳歌を英語にすると「praise」「laud」「celebration」となり、例えば上記の「青春を謳歌する」を英語にすると「sing the praises of youth」となります。

一方、享受を英語にすると「enjoy」「relish」「savor」となり、例えば上記の「健康を享受する」を英語にすると「enjoy good health」となります。

謳歌の意味

謳歌とは

謳歌とは、声を合わせて歌うことを意味しています。

その他にも、「声をそろえて褒めたたえること」「恵まれた幸せを、みんなで大いに楽しみ喜び合うこと」の意味も持っています。

表現方法は「人生を謳歌する」「青春を謳歌する」「自由を謳歌する」

「人生を謳歌する」「青春を謳歌する」「自由を謳歌する」などが、謳歌を使った一般的な言い回しです。

謳歌の使い方

「謳歌の魅力はハーモニーにある」「文化祭で謳歌を披露する」の文中で使われている謳歌は「声を合わせて歌うこと」の意味で、「詐欺被害を防いだ少年が謳歌の的になっている」「人々から謳歌を得る」の文中で使われている謳歌は「声をそろえて褒めたたえること」の意味で使われています。

一方、「社会人になり自由を謳歌している」「休日の謳歌の仕方を聞いてみた」「結婚生活を謳歌する二人は週末にDIYを楽しむ」「これからは第二の人生を謳歌してください」などの文中で使われている謳歌は、「恵まれた幸せを大いに楽しみ喜び合うこと」の意味で使われています。

謳歌という言葉は、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「恵まれた幸せを、みんなで大いに楽しみ喜び合うこと」の意味で用いられています。「声を合わせて歌うこと」「声をそろえて褒めたたえること」の意味では、ほとんど使われていません。

謳歌の由来

「謳」は、訓読みで「うたう」と読み、声をそろえて歌うことを表しますので、謳歌の本来の意味は「声を合わせて歌うこと」「声をそろえて褒めたたえること」です。そこから転じて、「恵まれた幸せを大いに楽しみ喜び合うこと」の意味になり、現在ではこの意味で使われるようになりました。

謳歌の対義語

謳歌の対義語・反対語としては、気が進まないままにするさまを意味する「不承不承」、仕方なく物事を行うさまを意味する「いやいや」、気が進まぬまま仕方なく物事をするさまを意味する「しぶしぶ」などがあります。

謳歌の類語

謳歌の類語・類義語としては、大ぜいの人が声を合わせて歌うことを意味する「合唱」、十分に楽しむことを意味する「満喫」、十分に満足することを意味する「堪能」喜びを得て楽しむことや喜び満足することを意味する「悦楽」、気ままに遊び楽しむことを意味する「逸楽」などがあります。

享受の意味

享受とは

享受とは、受け入れて自分のものとすること、受け入れて味わい楽しむことを意味しています。

表現方法は「享受する」「享受できます」「享受できる」

「享受する」「享受できます」「享受できる」などが、享受を使った一般的な言い回しです。

享受の使い方

享受を使った分かりやすい例としては、「会社と従業員がテレワークのメリットを享受する」「英語が通じる喜びを享受する」「学生であるメリットを享受する」「税制上の利益を享受することが可能になった」などがあります。

その他にも、「誰もがデジタル技術を享受できる社会を目指します」「株価上昇により利益を享受する」「お客様にサービスのメリットを最大限に享受していただくためのご提案です」「福利は国民がこれを享受する」などがあります。

享受の読み方

享受の読み方は「きょうじゅ」です。誤って「きょじゅ」「きょうず」などと読まないようにしましょう。

享受という言葉の「享」は、訓読みで「うける」と読み、ありがたく受け取ることを表します。「受」は受け取ることや受け入れることであり、享受とは、受け取って自分のものにすることを意味する言葉です。多くは、精神的または物質的な利益を受けて、それを味わい楽しむことを表します。

「美的享受」の意味

享受という言葉を用いた日本語には「美的享受」があります。美意識の一側面であり、芸術創作が美意識の能動的側面であるとされるのに対し、美的享受は美意識の受動的側面であるとされています。

享受の対義語

享受の対義語・反対語としては、金品や技能などを相手に役立ててもらうために差し出すことを意味する「提供」、必要に応じて物を与えることを意味する「供給」などがあります。

享受の類語

享受の類語・類義語としては、心地よく楽しいことを意味する「快楽」、思いのままに快楽を味わうことを意味する「享楽」、物質的な欲望を満足させて楽しい思いをすることを意味する「歓楽」などがあります。

謳歌の例文

1.元旦に、世間が日本一だと謳歌する富士山のご来光を見る予定です。
2.電子辞書や辞書アプリがこの世の春を謳歌するご時世ですが、私は広辞苑で調べることが好きです。
3.娘は、制服が可愛い高校なら青春を謳歌することができると勘違いしているようだ。
4.離婚して第二の人生を謳歌する人もいれば、夫婦水入らずの生活を楽しむ人もいます。
5.退職後の人生を謳歌するために体力が必要だろうと、父はスポーツジムに通い始めた。
6.昨年父を亡くし母のことが心配だったが、フラダンスを習ったり友人と食事や旅行に行ったりと一人の生活を謳歌しているようで、逆に少しうらやましくなった。
7.父も母もいわゆるバブル世代だが、ホテルで豪華にクリスマスを謳歌というようなカップルからは程遠かったらしい。
8.むかしの人たちは食うために一生懸命働いており、自身の人生を謳歌する暇もなかったに違いない。
9.わたしをいじめていた同級生らは学生時代を謳歌していて、そんな彼らの存在が憎くて仕方なかったのだ。
10.一族は特権階級として自由を謳歌してきたが、民衆による革命が起きてからはすべてが一変してしまう。

この言葉がよく使われる場面としては、声を合わせていっせいに歌うこと、声を揃えて褒めたたえること、よい境遇にあることを遠慮なく言動に表わすことを表現したい時などが挙げられます。

例文1の文中にある謳歌は、「声を揃えて褒めたたえること」の意味で用いられています。例文2から例文5にある謳歌は、「よい境遇にあることを遠慮なく言動に表わすこと」の意味で用いられています。

享受の例文

1.健康で快適な生活を送るための環境を享受する権利は、みな平等に持っているはずです。
2.クーポンを事前に取得しておいてレジで見せると、ポイント還元を享受できます。
3.私どものホテルでは、ゲストに海の幸を享受していただくことをテーマに食事をご用意しております。
4.誰もが自然の恩恵を享受できるよう、環境保全に取り組んでいきましょう。
5.趣味で中国語の勉強を始めてから、学ぶことの楽しさを享受しています。
6.我が国は全国一律でデジタル化の恩恵を享受できているとは思えず、都市と地方で格差があるように思えた。
7.困窮者は誰もが生活保護を享受する権利があるはずだが、事実上そうはなっていない現状があるのだ。
8.利権集団に甘んじればさまざまな利益を享受できるので、反旗を翻すものは皆無であった。
9.学生は時間はたくさんあるし、学割がきくのだからそのメリットをしっかり享受すべきだ。
10.政府の金融課税政策は株高を享受した上場企業や投資家たちを目の敵にしようとしているのか。

この言葉がよく使われる場面としては、与えられた物事を受けおさめることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、享受という言葉は、精神的あるいは物質的なメリットを受けて、それを味わい楽しむことを表す時に用いられています。

謳歌と享受という言葉は、どちらも「十分に楽しむこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自分が置かれた境遇や状況を楽しむことを表現したい時は「謳歌」を、精神的または物質的な利益を楽しむことを表現したい時は「享受」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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