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【喧伝】と【吹聴】と【流布】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「喧伝」(読み方:けんでん)と「吹聴」(読み方:ふいちょう)と「流布」(読み方:るふ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「喧伝」と「吹聴」と「流布」という言葉は、情報が広まることという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




喧伝と吹聴と流布の違い

喧伝と吹聴と流布の意味の違い

喧伝と吹聴と流布の違いを分かりやすく言うと、喧伝は広まった情報を重視する時に使い、吹聴は情報を広めた人を重視する時に使い、流布は誰が情報を広めたのかわからない時に使うという違いです。

喧伝と吹聴と流布の語源の違い

喧伝の喧には、口々にしゃべりたててやかましいという意味があります。そのため、喧伝は伝えられた情報を耳にした人が口々に騒ぎ立てるという意味になり、聞き手の声が他の聞き手に伝わり広まるような言葉になります。

吹聴の吹には、大げさなことを言うという意味があります。そのため、吹聴は出まかせや大げさなことを言って聴かせるという意味になり、話し手が言いふらすというマイナスイメージを与えるような言葉になります。

流布の流には伝わり広がるという意味があり、流布の布には広く行き渡らせるという意味があります。そのため、情報を拡散するという意味と、情報そのものが知れ渡るという意味どちらもが含まれているので、人を重視するのではなく情報を重視する言葉になります。

それぞれ重視する部分が違う点が、喧伝、吹聴、流布の明確な違いです。

喧伝の意味

喧伝とは

喧伝とは、盛んに言いはやして世間に広く知らせることを意味しています。

表現方法は「喧伝する」「喧伝される」

「喧伝する」「喧伝される」などが、喧伝を使った一般的な表現方法です。

「疾病喧伝」の意味

喧伝を使った言葉として「疾病喧伝」があります。製薬会社や医療関係者がある病気についての情報発信を大規模に行うことを意味する言葉で、「病気喧伝」とも言われます。

病気に関する正しい情報を市民に伝えるマスメディアが増え、早期発見、そして診断、治療に繋げることは重要だと考えられています。この正しい情報を伝えることを「疾病啓発」と言います。

しかし、それほど治療が必要とは言えなかったり、早期の治療を行ったとしても必ずしも快復するわけでは病気であるにも関わらず、製薬会社によって早期発見などが重要だと強調されることがあります。

この疾病啓発の傾向が強すぎた場合、健常な人までもが医療機関を受診して不要な検査をすることになっているのではないかという批判が起きています。これが疾病喧伝の問題点です。

喧伝の類語

喧伝の類語・類義語としては、広く世の中に行き渡らせることを意味する「宣布」、事実以上に、また事実を曲げて言いふらすことを意味する「宣伝」、広く世間一般に告げ知らせることを意味する「広告」などがあります。

喧伝の喧の字を使った別の言葉としては、言い合いや殴り合いで争うことを意味する「喧嘩」、物音や人の声のうるさく騒がしいことを意味する「喧噪」、大勢の人がやかましく騒ぎ立てる様子を意味する「喧喧囂囂」(読み方:けんけんごうごう)などがあります。

吹聴の意味

吹聴とは

吹聴とは、言いふらすことや言い広めることを意味しています。

吹聴の読み方

吹聴は「ふいちょう」と読み、「すいちょう」とは読みません。もとは「風聴」(読み方:ふうちょう)と表記していました。「風聴」という言葉は、風邪のたよりに聞くことやうわさ、世間に言いふらすことを意味します。

風聴から吹聴へと表記の移行がなされる過程は明確にはなっていませんが、「吹」という漢字には大げさな表現をするという意味があるため、吹聴に変わったとされています。ちなみに、吹聴以外に「吹」を「ふい」と読む言葉はありません。

表現方法は「吹聴される」「吹聴して回る」「吹聴する」

「吹聴される」「吹聴して回る」「吹聴する」などが、吹聴を使った一般的な表現方法です。

吹聴の意味を持つ言葉

吹聴の意味を含んだ言葉として、「流言飛語」「一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」があります。

一つ目の「流言飛語」とは、世の中で吹聴される確証のないうわさ話を意味する四字熟語です。流言は根拠のないうわさを意味し、飛語は世間に飛び交ううわさ話を意味する言葉です。「流言蜚語」という表記もされます。

二つ目の「一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」とは、一人がでたらめを吹聴すれば、大勢の人が次々にそれを真実として広めてしまうということを意味することわざです。一匹の犬が何かの影を見て吠え出すと、百匹の犬がつられて吠え出すことが由来した言葉です。

吹聴の類語

吹聴の聴の字を使った別の言葉としては、聞き取ることを意味する「聴取」、講演や音楽などを聴きに集まった人々を意味する「聴衆」、公園や話などを静かに聞くことを意味する「静聴」、耳を傾けて熱心に聞くことを意味する「傾聴」などがあります。

流布の意味

流布とは

流布とは、世に広まることや広く世間に行き渡ることを意味しています。

流布の読み方

流布という言葉は「るふ」という読み方をします。これは仏教用語である「広宣流布」(読み方:こうせんるふ)が語源・由来となった言葉です。省略して「広布」(読み方:こうふ)とも言われます。

流布の語源

流布の由来である「広宣流布」という言葉は、法華経の教えを広く流布することを意味する言葉で、日蓮系の各派では自分たち日蓮派の教えを広めるという意味で使っています。鎌倉時代の仏教の僧である日蓮は、様々な文書に広宣流布という言葉を残しました。

江戸時代初期から舞台などで役者が話す言葉を「台詞」と言いますが、「世流布」(読み方:せるふ)という表記であったことに「流布」自体の由来なのではないかという説もあるようですが、広宣流布の時期を鑑みるに違うと言えるでしょう。

表現方法は「流布させる」「流布される」「流布する」

「流布させる」「流布される」「流布する」などが、流布を使った一般的な表現方法です。

流布を使った言葉として、「流布本」「風説の流布」があります。

「流布本」の意味

一つ目の「流布本」とは、原本から出た本のうちで、最も広く一般に普及している本を意味する言葉です。

「風説の流布」の意味

二つ目の「風説の流布」とは、虚偽の情報を流して、証券取引などの相場を動かそうとしたり、人の信用を損ねたり業務妨害をしたりすることを意味する言葉です。

流布の類語

流布の類語・類義語としては、外側へ広く散らばることを意味する「放散」、広く行き渡ることを意味する「普及」、思想や雰囲気などが次第に広く行き渡ることを意味する「浸透」、広くいっぱいに行き渡ることを意味する「遍満」などがあります。

流布の布の字を使った別の言葉としては、ある宗教を一般に広めることを意味する「布教」、広く一般に告げ知らせることを意味する「布告」、配って広く行き渡らせることを意味する「配布」、分かれて広くあちこちにあることを意味する「分布」などがあります。

喧伝の例文

1.上層部がこれまで喧伝してきた企業運営方針が、実現できているのか不安になってきた。
2.声高に喧伝するマスメディアのおかげで政治に興味を持たざるを得ない情勢になり始めた。
3.デメリットばかりが喧伝される施設も、他の国の同じような施設と比べると大したことはない。

この言葉がよく使われる場面としては、盛んに世間に言い伝えることを意味する時などが挙げられます。

喧伝という言葉は、複数人によって盛んに伝えられることを意味する言葉です。そのため、例文1では「上層部」、例文2では「マスメディア」、例文3では不特定多数がそれぞれ情報を拡散している側として書かれています。

基本的には一人がうわさを広める様子を表す場合には「喧伝」は使わず、「吹聴」を使います。

吹聴の例文

1.先輩のプライベートな情報を吹聴して回っていた彼は、先輩自身はもちろん、彼の言葉を聞いていた他の人からも嫌われるようになった。
2.上司はあれだけ努力したからこそ成功を収めることができたと吹聴したいのだろうが、部下の頑張りを横取りしていただけではないかと思う。
3.クラスメイトに嘘や憶測を吹聴され、誤解を解くのにひどく骨が折れた。

この言葉がよく使われる場面としては、事を大きく言って言いふらすことを意味する時などが挙げられます。

例文1の「吹聴して回る」とは、言いふらして回るという意味の慣用表現です。「吹聴が回る」とも表現しますが、「吹聴して回る」という表現が一般的に多く使われます。

流布の例文

1.一度情報が流布すると、収拾がつかなくなってしまう情報社会になってしまった。
2.いたずら目的で個人情報をインターネットに書き込み流布させることは迷惑どころの話ではない。
3.社会情勢が混乱して、様々なデマが流布している。

この言葉がよく使われる場面としては、情報が広く知れ渡ることを意味する時などが挙げられます。

流布という言葉を使う場合は主語が人間ではなく、情報など伝えられるものになり、喧伝や吹聴とは大きく変わってくるため気を付けましょう。

喧伝と吹聴と流布どれを使うか迷った場合は、騒がれるように情報が広まることを表す場合には「喧伝」を、情報を言いふらすことを表す場合には「吹聴」を、情報が広められることを表す場合には「流布」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
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