似た意味を持つ「アウトソーシング」と「アウトソース」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「アウトソーシング」と「アウトソース」という言葉は、「外部に業務を委託すること」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
アウトソーシングとアウトソースの違い
アウトソーシングとアウトソースの意味の違い
アウトソーシングとアウトソースの違いを分かりやすく言うと、アウトソーシングは業務を委託する経営手法を表現する時に使い、アウトソースは業務を委託する行為を表現する時に使うという違いです。
アウトソーシングとアウトソースの使い方の違い
一つ目のアウトソーシングを使った分かりやすい例としては、「アウトソーシングを始めるにあたって契約内容の書類を提示した」「アウトソーシングの目的は企業によって様々だろう」「アウトソーシング企業に関して調べる」などがあります。
二つ目のアウトソースを使った分かりやすい例としては、「アウトソースの増加傾向が特に見られるのは情報分野だろう」「アウトソース化した後もきちんと目を配る必要がある」「アウトソース先に選んだ企業が非常に優秀だった」などがあります。
アウトソーシングとアウトソースの使い分け方
アウトソーシングとアウトソースはどちらも、業務を外部に委託することを意味する言葉で、意味や使い方もほとんど同じです。
アウトソーシングは、業務の一部を他者に委託する経営方法を指す言葉です。上記例文のように「アウトソーシングの目的」「アウトソーシング企業」などのように使われています。
一方のアウトソースは、外部に自社のビジネスや業務の一部を委託することを指す言葉です。上記例文のように「アウトソース化」「アウトソース先」などのように使われています。
強いて言えば、アウトソーシングは手法や戦略を指し、アウトソースは行為を指す言葉であるため、動詞のように使う場合は「アウトソーシングする」よりも「アウトソースする」という表現の方が多く使われています。
アウトソーシングとアウトソースの英語表記の違い
アウトソーシングを英語にすると「outsourcing」となり、例えば上記の「アウトソーシングを始める」を英語にすると「begin outsourcing」となります。
一方、アウトソースを英語にすると「outsource」となり、例えば上記の「アウトソースの増加傾向」を英語にすると「an increasing trend to outsource」となります。
アウトソーシングの意味
アウトソーシングとは
アウトソーシングとは、業務の一部を他者に委託する経営方法を意味しています。
その他にも、外部から部品を調達する手法を意味する言葉として使われています。
表現方法は「アウトソーンシング企業」「アウトソーシング事業」
「アウトソーンシング企業」「アウトソーシング事業」などが、アウトソーシングを使った一般的な言い回しです。
アウトソーシングの使い方
「アウトソーシング市場についての見解を尋ねた」「アウトソーシングには長所も短所も存在する」「アウトソーシング企業は危ないと言われた」などの文中で使われているアウトソーシングは、「他の企業に業務の一部を請け負わせる手法」の意味で使われています。
一方、「購買アウトソーシングの低コスト化を目指す」「アウトソーシング化することで自社負担が減るのだろうか」「アウトソーシングとして調達を依頼した」などの文中で使われているアウトソーシングは、「外部から調達する手法」の意味で使われています。
アウトソーシングは英語で「outsourcing」と表記され、「海外の会社から買うこと」「海外調達をすること」といった意味を持つ言葉ですが、「outsource」が変化した言葉であることから、海外だけではない外部企業からの調達を表す和製英語となりました。
日本では外部調達の意味よりも、「他企業に業務を委託する経営手法」を指す言葉として使われることの方が多く、部品や原料だけではなく、人材を外部から確保する場合に用いられています。
また、アウトソーシングは契約形態の名称でもあり、「派遣」と混同して使われることがあります。前者には企業には直接労働者に対して命令することはできませんが、後者は指揮命令を労働者に対して行うことができるという違いがあります。
アウトソーシングの対義語
アウトソーシングの対義語・反対語としては、外部に委託していた業務を自社に取り戻すことを意味する「インソーシング」があります。
アウトソーシングの類語
アウトソーシングの類語・類義語としては、企業がコスト削減を目的に業務を国外に委託する事を意味する「オフショアリング」、企業の業務を特定の部門丸ごと請け負い代行するサービスを意味する「企業業務代行サービス」などがあります。
アウトソースの意味
アウトソースとは
アウトソースとは、外部に自社のビジネスや業務の一部を委託することを意味しています。
その他にも、外部から部品や原料を調達することを意味する言葉として使われています。
アウトソースの使い方
「テレアポなどをアウトソースする企業は多い」「アウトソース契約に関して色々調べている」「アウトソースを受ける企業はアウトソーサーと呼ばれる」などの文中で使われているアウトソースは、「業務の一部を委託すること」の意味で使われています。
一方、「海外にアウトソース先に選ぶことも増えてきた」「アウトソースしてコストも抑えられれば一石二鳥だ」「フルアウトソースは管理が難しそうだ」などの文中で使われているアウトソースは、「外部から原料などを調達すること」の意味で使われています。
アウトソースは英語で「outsource」と表記され、「海外の企業から購入する」「海外調達する」といった意味を持つ言葉です。日本でも同じように使われていますが、調達や購買だけでなく、「一部の業務を外務の企業に任せる」という意味でも使われています。
「アウトソースする」の意味
上記例文のように動詞として「アウトソースする」という使い方をすることもあり、似た表現である「外注する」と混同されることもありますが、前者はより高品質なものを求める目的である一方、後者はコストを抑えることを目的としているという違いがあります。
アウトソースの対義語
アウトソースの対義語・反対語としては、企業内や自社内のものやその様子を意味する「インハウス」があります。
アウトソースの類語
アウトソースの類語・類義語としては、組織内部で行なっていた業務を外部に任せることを意味する「業務委託」、企業の核となる業務のサポートとなる業務を意味する「ノンコア業務」などがあります。
アウトソーシングの例文
この言葉がよく使われる場面としては、業務の一部を他者に委託する経営方法を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、原料や部品を外部から調達する手法を指す言葉としても使われています。
アウトソースの例文
この言葉がよく使われる場面としては、外部に自社のビジネスや業務の一部を委託することを意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、外部から原料や人材などを調達することを指す言葉としても使われています。
アウトソーシングとアウトソースは、どちらも「外部に業務を委託すること」を表します。どちらを使うか迷った場合は、経営手法を表す場合は「アウトソーシング」を、行為を表す場合は「アウトソース」を使うと覚えておけば間違いありません。