似た意味を持つ「ご多忙とは存じますが」(読み方:ごたぼうとはぞんじますが)と「ご多忙のところ恐れ入りますが」(読み方:ごたぼうのところおそれいりますが)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」という言葉は、どちらも相手の忙しさを気遣いながら依頼することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」の違い
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」の意味の違い
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」の違いを分かりやすく言うと、「ご多忙とは存じますが」は謝罪のニュアンスがない、「ご多忙のところ恐れ入りますが」は謝罪のニュアンスがあるという違いです。
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」の使い方の違い
一つ目の「ご多忙とは存じますが」を使った分かりやすい例としては、「ご多忙とは存じますがどうぞご自愛ください」「ご多忙とは存じますがご検討のほどよろしくお願い申し上げます」「ご多忙とは存じますがご考慮いただければ幸いです」などがあります。
二つ目の「ご多忙のところ恐れ入りますが」を使った分かりやすい例としては、「ご多忙のところ恐れ入りますがご確認いただけると幸いです」「ご多忙のところ恐れりますが何卒よろしくお願い申し上げます」などがあります。
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」の使い分け方
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」は、どちらも相手の忙しさを気遣いながら依頼することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ご多忙とは存じますが」の「存じます」は思うという意味の言葉であり、思うだけで謝罪のニュアンスはありません。
一方、「ご多忙のところ恐れ入りますが」の「恐れ入る」は 相手に失礼したり迷惑をかけたりしたことに対して申し訳なく思うことを意味しているため、申し訳ないという謝罪のニュアンスがあるというのが違いです。
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」の英語表記の違い
「ご多忙とは存じますが」も「ご多忙のところ恐れ入りますが」も英語にすると「I know you’re busy」「I understand you are very busy」となります。
例えば上記の「ご多忙のところ恐れりますが何卒よろしくお願い申し上げます」を英語にすると「I understand you are very busy, but I appreciate your help」となります。
「ご多忙とは存じますが」の意味
「ご多忙とは存じますが」とは
「ご多忙とは存じますが」とは、相手の忙しさを気遣いながら依頼することを意味しています。
表現方法は「ご多忙とは存じますがご自愛」「ご多忙とは存じますがご協力」
「ご多忙とは存じますがご自愛」「ご多忙とは存じますがご協力」「ご多忙とは存じますがご確認」などが、「ご多忙とは存じますが」を使った一般的な言い回しになります。
「ご多忙とは存じますが」の使い方
「ご多忙とは存じますが」を使った分かりやすい例としては、「ご多忙とは存じますがご連絡いただけますようお願い申し上げます」「ご多忙とは存じますがお体をお大事になさってください」「ご多忙とは存じますが奮ってご参加ください」などがあります。
「ご多忙とは存じますが」は非常に忙しいことを意味する「多忙」に、接頭語の「ご」と思うことの謙譲語を意味する「存じる」が合わさり、相手の忙しさを気遣いながら依頼することを意味する言葉です。
「ご多忙とは存じますが」には謝罪のニュアンスがない
「ご多忙とは存じますが」はビジネスシーンでも使うことができる言葉ですが、忙しいと思うだけで謝罪のニュアンスがないので、使う際には十分に注意するようにしましょう。
もし、謝罪のニュアンスを加えたいのであれば、「ご多忙のところ恐れりますが」「ご多忙のところ恐縮ですが」などを使うのが適切です。
「ご多忙とは存じますが」はクッション言葉
「ご多忙とは存じますが」はクッション言葉です。クッション言葉とは、「大変恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」「大変ありがたいお話なのですが」「不本意ではございますが」などのように、伝えたい本題に入る前に一言添えて気遣いを示す言葉のことです。
「ご多忙とは存じますが」の類語
「ご多忙とは存じますが」の類語・類義語としては、忙しいと思いながら依頼することを意味する「ご多用と存じますが」、相手に手間をかけることを意味する「お手数ですが」などがあります。
「ご多忙のところ恐れ入りますが」の意味
「ご多忙のところ恐れ入りますが」とは
「ご多忙のところ恐れ入りますが」とは、相手の忙しさを気遣いながら依頼することを意味しています。
表現方法は「ご多忙のところ恐れ入りますがご確認」「ご多忙のところ恐れりますがご査収」
「ご多忙のところ恐れ入りますがご確認」「ご多忙のところ恐れりますがご査収」などが、「ご多忙のところ恐れ入りますが」を使った一般的な言い回しになります。
「ご多忙のところ恐れ入りますが」の使い方
「ご多忙のところ恐れ入りますが」を使った分かりやすい例としては、「ご多忙のところ恐れ入りますがこちらのプランもご検討ください」「ご多忙のところ恐れ入りますがご参加のほどよろしくお願い申し上げます」などがあります。
「ご多忙のところ恐れ入りますが」は非常に忙しいことを意味する「多忙」に、接頭語の「ご」と、相手に失礼したり迷惑をかけたりしたことに対して申し訳なく思うことを意味する「恐れ入る」が合わさり、相手の忙しさを気遣いながら依頼することの意味で使われている言葉です。
また、「ご多忙のところ恐れりますが」は「恐れ入る」を使用しているため、謝罪のニュアンスがあるというのが特徴になります。
「ご多忙のところ恐れ入りますが」は目上の人にも使える
「ご多忙のところ恐れ入りますが」はビジネスシーンにおいて使うことができます。また、とても丁寧な表現なので、上司や取引先などの目上の人に対して使用することも可能です。
「ご多忙のところ恐れ入りますが」はクッション言葉
「ご多忙のところ恐れ入りますが」はクッション言葉です。そのため、依頼する際に「ご多忙のところ恐れ入りますが」と一言入れることによって、相手に良い印象を与えることができます。
「ご多忙のところ恐れ入りますが」の類語
「ご多忙のところ恐れ入りますが」の類語・類義語としては、忙しいのに申し訳ないと伝えることを意味する「お忙しいところ恐れ入りますが」、忙しいのに申し訳ないことを意味する「ご多用のところ恐れ入りますが」などがあります。
「ご多忙とは存じますが」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の忙しさを気遣いながら依頼することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご多忙とは存じますが」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「ご多忙のところ恐れ入りますが」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の忙しさを気遣いながら依頼することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご多忙のところ恐れ入りますが」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「ご多忙とは存じますが」と「ご多忙のところ恐れ入りますが」はどちらも相手の忙しさを気遣いながら依頼することを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、謝罪のニュアンスがないのが「ご多忙とは存じますが」、謝罪のニュアンスがあるのが「ご多忙のところ恐れ入りますが」と覚えておきましょう。