似た意味を持つ「危篤」(読み方:きとく)と「重篤」(読み方:じゅうとく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「危篤」と「重篤」という言葉は、どちらも「病状が非常に重いこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
危篤と重篤の違い
危篤と重篤の意味の違い
危篤と重篤の違いを分かりやすく言うと、重篤よりも危篤の方が、命の危険度が高いことを表すという違いです。
危篤と重篤の使い方の違い
一つ目の危篤を使った分かりやすい例としては、「友人が交通事故で危篤に陥っている」「危篤状態では血圧は下がり呼吸が弱くなる」「危篤状態の母にかける言葉が見つからない」「危篤から回復することもあります」などがあります。
二つ目の重篤を使った分かりやすい例としては、「血液検査でアレルギーの重篤度はわかりますか」「適切な処置で症状の重篤化を防ぐ」「製造業におけるの撲滅を推進する」「重篤気分調節症について調べています」などがあります。
危篤と重篤の使い分け方
危篤と重篤という言葉は、どちらも病気の状態が非常に重いことを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
危篤とは、病気が重くて回復の見込みがなく、命の危険が迫っているとを意味します。人が亡くなりそうな状態であると医師が判断した際に用いられる言葉であり、危篤状態になったら病院は家族に連絡します。
重篤とは、病状が大変重いことを意味し、症状の度合いを表す言葉です。重篤生命の危険に繋がる状態ではありますが、回復が見込まれる場合に用いられる表現です。生命にかかわる重大な疾患をもつ患者を「重篤者」と言います。
つまり、危篤とは回復の可能性がほとんどない場合に使用され、重篤とは回復の可能性がある場合に使用される言葉です。二つの言葉を比べると、重篤よりも危篤の方が命の危険度が高いことを表す言葉だと言えるでしょう。
危篤と重篤の英語表記の違い
危篤も重篤も英語にすると「critical condition」「serious condition」となり、例えば上記の「危篤に陥る」を英語にすると「fall into a critical condition」となります。
危篤の意味
危篤とは
危篤とは、病気が非常に重くて、今にも死にそうなことを意味しています。
危篤の読み方
危篤の読み方は「きとく」です。同じ読み方をする熟語に「既得」や「奇特」がありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。
表現方法は「危篤状態」「危篤の手前」「危篤になる」
「危篤状態」「危篤の手前」「危篤になる」などが、危篤を使った一般的な言い回しです。
危篤の使い方
危篤を使った分かりやすい例としては、「容態が悪化し危篤状態になりました」「危篤のおばあちゃんは何日もつだろうか」「英語の先生が危篤との知らせが届いた」「危篤状態の時にかける言葉は難しい」などがあります。
その他にも、「病院から危篤の連絡を受ける」「危篤なのになかなか死なないケースもあります」「危篤状態からの回復確率はどれぐらいですか」「家族が危篤であることを会社にメールで連絡した」などがあります。
危篤の「危」は訓読みで「あぶない」「あやうい」と読み、危険が迫っていることを表し、「篤」は病気が重いことを表す漢字です。危篤とは、病気が重くなったり大きな怪我をしたりして、命の危険が迫っている状態にあることを意味する言葉です。
危篤という言葉は、命の危険が間近に差し迫っていると判断した際に使用される言葉です。回復の見込みがない患者の家族に対して、臨終の覚悟を求める意味合いがあります。ただし、危篤と判断された後に持ち直す場合もあります。
危篤の対義語
危篤の対義語・反対語としては、病気や傷が完全に治ることを意味する「全快」、病気や怪我などが完全に治ることを意味する「完治」などがあります。
危篤の類語
危篤の類語・類義語としては、病気や負傷の程度がひどく生命に危険があることを意味する「重体」、死にかかっていることや死にそうであることを意味する「瀕死」、臨終の時を意味する「いまわの際」などがあります。
重篤の意味
重篤とは
重篤とは、病状が非常に重いことを意味しています。
重篤の読み方
重篤の読み方は「じゅうとく」です。誤って「ちょうとく」「おもあつ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「重篤な状態」「重篤な病気」「重篤な症状」
「重篤な状態」「重篤な病気」「重篤な症状」などが、重篤を使った一般的な言い回しです。
重篤の使い方
重篤を使った分かりやすい例としては、「娘は重篤な食物アレルギーを発症したことがあります」「重篤な有害事象の定義に従い判断する」「医薬品等の副作用の重篤度分類基準について解説します」などがあります。
その他にも、「重篤な腎障害の基準について教えて下さい」「病院で重篤気分調節症と診断されました」「重篤な状態ではありませんが早期の処置が必要です」「重篤副作用疾患別対応マニュアルを確認しました」などがあります。
重篤とは、病状や怪我の具合が非常に重いことを意味する医療用語です。症状の度合いを表現する言葉であり、医師や看護師などの医療従事者が使用します。重篤であるかどうかに明確な基準はなく、医師の判断で決まります。
「重篤な有害事象」の意味
上記の例文にある「重篤な有害事象」とは、医薬品や医療機器等が使用された際に生じた好ましくない医療上の出来事のうち、生命を脅かしたり医学的に重要な状態と判断されるものなどを指します。
重篤の対義語
重篤の対義語・反対語としては、症状が軽いことを意味する「軽症」などがあります。
重篤の類語
重篤の類語・類義語としては、病気症状が重いことを意味する「重症」、重い病気を意味する「重病」、重病や大患を意味する「大病」、重い病気の患者を意味する「重患」、非常に心配な事態を意味する「大事」などがあります。
危篤の例文
この言葉がよく使われる場面としては、生命の危ういことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、危篤の慣用的な言い回しには「危篤状態」「危篤に陥る」などがあります。「危篤に陥る」とは、危篤の状態になることを意味します。「陥る」は、望ましくない状態になることです。
重篤の例文
この言葉がよく使われる場面としては、病状が非常に重いことを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「重篤な状態」とは、生命維持が困難な状態を表す医療用語です。例文2にある重篤と重症の違いは、重篤とは死に至る可能性を表し、重症とは命に別条はありませんが病気やケガの程度が重いことを表します。
危篤と重篤という言葉は、どちらも「病状が非常に重いこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、命の危険が迫っていることを表現したい時は「危篤」を使うようにしましょう。