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【佳境】と【終盤】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「佳境」(読み方:かきょう)と「終盤」(読み方:しゅうばん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「佳境」と「終盤」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




佳境と終盤の違い

佳境と終盤の意味の違い

佳境と終盤の違いを分かりやすく言うと、佳境とは物事の盛り上がりの部分を意味し、終盤とは終わりの部分を意味するという違いです。

佳境と終盤の使い方の違い

一つ目の佳境を使った分かりやすい例としては、「物語の佳境に入り断然面白くなってきた」「夏を過ぎると受験勉強の佳境に入る」「りんご収穫の佳境を迎える」「シーズン戦が佳境に差し掛かる」などがあります。

二つ目の終盤を使った分かりやすい例としては、「物語は終盤に差し掛かり新たな展開をみせた」「葉桜になり花見シーズンも終盤だ」「試合の終盤に快進撃を見せる」「6月議会は終盤を迎えている」などがあります。

佳境と終盤という言葉は、「佳境に入る」「終盤に入る」や「佳境を迎える」「終盤を迎える」など似た表現をするために、混同して使われやすいのですが、意味は大きく異なるので注意が必要です。佳境は興味を感じさせる場面を意味し、終盤は物事が終わりに近づく時期や段階を意味します。

「物語の佳境に入る」と「物語の終盤に入る」の違い

上記の例の「物語の佳境に入る」とは、その物語のもっとも興味を感じさせる場面、いわゆるクライマックスに入ったことを意味します。これが「物語の終盤に入る」となると、その物語がもうすぐ終わるところであることを意味します。

つまり、佳境は物事の盛り上がった部分であり、それが始まりなのか終わりなのかは関係ありません。一方、終盤は終わりの部分であり、物事の盛り上がりかどうかは関係ありません。例えば、物事が終わりに近づいて盛り上がりをみせることを表したい時は「終盤に入り佳境を迎える」などと表現します。

佳境と終盤の英語表記の違い

佳境を英語にすると「climax」「the most interesting part」となり、例えば上記の「物語の佳境」を英語にすると「the climax of the story」となります。

一方、終盤を英語にすると「final phase」「closing stage」「end game」となり、例えば上記の「終盤にさしかかる」を英語にすると「reach a final phase」となります。

佳境の意味

佳境とは

佳境とは、興味を感じさせる場面を意味しています。

その他にも、景色のよい所の意味もあります。

佳境の使い方

「今クールのドラマが佳境に入る」「映画は佳境に差し掛かる頃合いが面白い」「ラグビーの頂点を目指す戦いが佳境を迎える」「仕事が佳境に入って忙しい」などの文中で使われている佳境は、「興味を感じさせる場面」の意味で使われています。

一方、「国内随一の佳境と言われている名所だ」「地元の佳境を訪れる」「とっておきの佳境を案内するよ」などの文中で使われている佳境は、「景色のよい所」の意味で使われています。

佳境が使われる場面

佳境という言葉は、上記の例のように二つの意味がありますが、「興味を感じさせる場面」の意味で使われることが多い言葉です。この意味では、もともと物語や演劇等の興味深い場面を表していましたが、現在では、ある状況の頂点や最盛期を表す使い方が多くなっています。

「佳境に入る」の意味

佳境を用いた表現には「佳境に入る」があり、物語などが盛り上がる場面に差し掛かることを意味します。

「佳境に入る」の語源

この「佳境に入る」の語源は、サトウキビを食べる時を表したものだと言われています。サトウキビを甘くない部分から食べ、徐々に甘い部分に近づくさまを「漸入佳境(だんだん佳境に入る)」と表現したそうです。

「佳境を迎える」「佳境に差し掛かる」も使える表現方法

「佳境に入る」は、「佳境を迎える」「佳境に差し掛かる」などと言い換えることができます。物語などの興味深い場面に移ることだけでなく、ある状況の頂点や最盛期になることも表すため、日常生活だけでなくビジネスシーンでも使われる表現です。

佳境の類語

佳境の類語・類義語としては、最も盛り上がった重要な場面を意味する「山場」、ある雰囲気や感情などが最も高まった状態を意味する「最高潮」、物事のいちばん盛んな状態を意味する「頂点」などがあります。

佳境の佳の字を使った別の言葉としては、風景がすぐれていて美しいことを意味する「絶佳」、出来栄えのいい作品を意味する「佳作」、美しい女性を意味する「佳人」などがあります。

終盤の意味

終盤とは

終盤とは、長期間行われる物事が終わりに近づく時期または段階を意味しています。

その他にも、囲碁・将棋で、勝負が終わりに近づいた寄せの段階の意味もあります。

終盤の使い方

「投票日が近付き選挙戦が終盤に差し掛かる」「夏野菜出荷の終盤を迎える」「リーグ戦は終盤に入って大混戦となった」などの文中で使われている終盤は、「長期間行われる物事が終わりに近づく時期」の意味で使われています。

一方、「将棋の優劣を決する終盤戦」「劣勢のまま終盤を迎える」「戦いが中盤から終盤に持ち越された」などの文中で使われている終盤は、「囲碁や将棋で勝負が終わりに近づいた段階」の意味で使われています。

終盤の由来

終盤という言葉は、上記の例のように二つの意味がありますが、一般的には「物事が終わりに近づく時期」の意味で使われています。終盤は、もともと囲碁や将棋に由来する言葉です。囲碁や将棋の対局開始後を「序盤」、中ごろの本格的な戦いの局面を「中盤」、終わりの局面を「終盤」と表します。

表現方法は「終盤に差し掛かる」「終盤を迎える」「終盤に入る」

上記の例にあるように、終盤という言葉は、選挙戦やスポーツ、野菜の時期まで、終わりの時期の意味で幅広く使われています。「終盤に差し掛かる」「終盤を迎える」「終盤に入る」は、いずれも物事が終わりに近づくその時期に入ることを表す言い回しです。

終盤の対義語

終盤の対義語・反対語としては、囲碁や将棋で対局開始後の局面や物事のはじめの段階を意味する「序盤」、芝居で開幕場面や物事の始まりを意味する「幕開き」、文章や物事のはじめの部分を意味する「冒頭」などがあります。

終盤の類語

終盤の類語・類義語としては、芝居の最終の幕や物事の最後の段階を意味する「大詰め」、ある物事のおわる時期を意味する「終期」、物事の終わりの局面を意味する「終幕」などがあります。

終盤の終の字を使った別の言葉としては、生命が終わることを意味する「終焉」、物事の始めと終わりを意味する「始終」、生命の終わるまでの間を意味する「終生」などがあります。

佳境の例文

1.ドラマが佳境に入ってくると、来週の予告も見逃せない。
2.映画がいよいよ佳境に差し掛かるところで、ジュースをこぼしてしまった。
3.ぶどうの収穫が佳境に入る8月下旬まで、倉庫はぶどう箱で埋め尽くされる。
4.土用の丑の日が近づき、成田空港ではウナギの輸入が佳境を迎えている。
5.この場所は、折々の四季が感じられSNS映えする佳境なので気に入って訪れている。
6.番組の佳境でCMを挟み無理矢理引き伸ばそうとする手法が気に食わないので、もう何年も地上波のバラエティ番組は視聴していない。
7.年末商戦も佳境に入り、バイトも社員も皆馬車馬のように働き、燃え尽きた頃に新年を迎えるので、三ヶ日はたいてい寝正月だ。
8.ここからいよいよ物語が佳境に入っていくところなのだが、来週はダイジェスト版を挟むことになったので続きは再来週まで待たなくてはならない。
9.受験シーズンが佳境に差し掛かろうとしているのにわたしというとネットサーフィンばかりをして一向に勉強をする気にはならなかったのだ。
10.大型のプロジェクトが佳境に入って忙しいので、ろくに家に帰れておらず、愛娘が自分のことを覚えているかどうか心配になった。

この言葉がよく使われる場面としては、興味を感じさせる場面、景色のよい所を表現したい時などが挙げられます。

例文1や2で使われている佳境は、もっとも興味を感じさせる場面やクライマックスを意味します。例文3や4で使われている佳境は、最盛期になることを意味します。例文5で使われている佳境は、景色のよい所を意味します。

終盤の例文

1.昨年のJリーグでは終盤に入ると各チームでけが人が続出し、どのチームが勝つかわからない混戦模様となった。
2.我がチームの序盤は調子が良かったが、中盤は力が振るわず、優勢のうちに終盤を迎えるとはいかなかった。
3.再開発工事は終盤に差し掛かっており、新しい道路や商業施設の姿が現れてきた。
4.3日後に控えた参院選の終盤情勢調査として、新聞社から電話がかかってきた。
5.将棋は終盤戦のきわどい局面で、手堅く負けない手を指せるかどうかで勝敗が決まる。
6.フィギュアスケートの採点においては、プログラムの終盤に回転数の多いジャンプを連続して配置すると加点される。
7.この選手はいつも序盤に飛ばし過ぎて、終盤になると体力不足から明らかにペースダウンしてくる。
8.5日間のトレイルレースはいよいよ終盤に差し掛かり、なんと半日毎にトップが入れ替わる大接戦が繰り広げられている。
9.メジャーリーグでは日本人選手の成績はよかったが、チーム自体が終盤に失速して惜しくも優勝を逃したのが残念だった。
10.応援している力士が序盤はあまり調子が良くなったが、終盤に連勝してなんとか勝ち越し出来たのでホッとしている。

この言葉がよく使われる場面としては、物事が終わりに近づく時期、囲碁や将棋で勝負が終わりに近づいた段階を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4で使われている終盤は、長期間行われる物事が終わりに近づく時期を意味します。例文4にある「終盤情勢調査」とは、選挙戦の終わりごろに行う、投票に関する動向調査です。例文5にある「終盤戦」とは、将棋の対局の終わりごろを意味します。

佳境と終盤という言葉は、似た言い回しをする言葉ですが、意味は大きく異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、物事の盛り上がった部分を表現したい時は「佳境」を、終わりの部分を表現したい時は「終盤」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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