【どなた様】と【どちら様】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「どなた様」(読み方:どなたさま)と「どちら様」(読み方:どちらさま)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「どなた様」と「どちら様」という言葉は、どちらも相手が誰かを尋ねることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「どなた様」と「どちら様」の違い

「どなた様」と「どちら様」の意味の違い

「どなた様」と「どちら様」の違いを分かりやすく言うと、「どなた様」は明確に相手の名前を確認したい場合に使う、「どちら様」は婉曲的に相手の素性を確認したい場合に使うという違いです。

「どなた様」と「どちら様」の使い方の違い

一つ目の「どなた様」を使った分かりやすい例としては、「失礼ですがどなた様でしょうか」「誠に恐れ入りますがどなた様ですか」「もしもし、どなた様でしょうか」「どなた様でもお気軽にご入場できますよ」などがあります。

二つ目の「どちら様」を使った分かりやすい例としては、「恐れ入りますがどちら様でしょうか」「大変恐縮ですがどちら様ですか」「大変申し訳ございませんがどちら様ですか」「失礼ですがどちら様でしょうか」などがあります。

「どなた様」と「どちら様」の使い分け方

「どなた様」と「どちら様」は、どちらもも相手が誰かを尋ねることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「どなた様」の「どなた」は不定称の人称代名詞のことを意味しているので、個人の名前を知りたい場合に使うのが適しています。

一方、「どちら様」の「どちら」は不定称の指示代名詞で不特定の人のことを意味しているので、名前だけではなく所属団体などの相手の素性を確認したい場合に使うというのが違いです。

つまり、明確に相手の名前を確認したい場合に使うのが「どなた様」、婉曲的に相手の素性を確認したい場合に使うのが「どちら様」と覚えておきましょう。

「どなた様」と「どちら様」の英語表記の違い

「どなた様」も「どちら様」も英語にすると「Who’s this,please」「May I ask your name,please」となります。

「どなた様」の意味

「どなた様」とは

「どなた様」とは、不定称の人代名詞のことを意味しています。

「どなた様」の漢字表記/h3>
「どなた様」を漢字にすると「何方様」と表記するこができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「どなた様」を使うようにしましょう。

「どなた様」の使い方

「どなた様」を使った分かりやすい例としては、「大変申し訳ありませんがどなた様ですか」「本イベントはどなた様でもお気軽に参加することができます」「こんな時間インターホンを鳴らすなんてどなた様でしょうか」などがあります。

「どなた様」は誰の尊敬語である「どなた」と、人に対して尊敬の意志を表す「様」が合わさった言葉なので、厳密に言えば二重敬語であり、間違った文法の言葉なにります。

しかし、接客業用語などで世間一般に浸透しているため、使っても問題ない日本語になっていると覚えておきましょう。

二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることです。

「どなた様」の注意点

「どなた様」を簡単に言うならば「あなた誰」というニュアンスになるため、人によっては失礼に思う人がいるので使う際には注意が必要です。

もし、そういう印象を与えたくないのであれば、「どなた様」を丁寧に表現した言葉である「お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」などを使うのが適しています。

「どなた様」の類語

「どなた様」の類語・類義語としては、名前を聞くことを意味する「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」があります。

「どちら様」の意味

「どちら様」とは

「どちら様」とは、不明や不特定の人を指すことを意味しています。

「どちら様」の漢字表記

「どちら様」を漢字にすると「何方様」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「どちら様」を使うようにしましょう。

「どちら様」の使い方

「どちら様」を使った分かりやすい例としては、「失礼ですがどちら様ですか」「どちら様もお忘れ物のないようお願いいたします」「こんな時間に尋ねてくるなんてどちら様でしょうか」「申し訳ございませんがどちら様でしょうか」などがあります。

「どちら様」は誰の尊敬語である「どちら」と、人に対して尊敬の意志を表す「様」が合わさった言葉なので、厳密に言えば二重敬語であり、間違った文法の言葉なにります。

しかし、接客業用語などで世間一般に浸透しているため、使っても問題ない日本語になっていると覚えておきましょう。

「どちら様」の特徴

「どちら様」は個人の名前を知りたい意図の場合だけではなく、所属している団体名でも構わないので相手の素性を知りたい場合にも使うことが可能です。また、婉曲的に相手に尋ねたい場合にとても適しています。

婉曲的とは、言いまわしが穏やかでかど立たないことを意味しています。つまり、柔らかく相手に尋ねたい場合に使うと覚えておきましょう。

「どちら様」の類語

「どちら様」の類語・類義語としては、名前を聞くことを意味する「お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」があります。

「どなた様」の例文

1.イベントは誰も参加できますので、どなた様もお気軽にお越しください。
2.どなた様か存じ上げませんが、危ないところを助けてくださり感謝しております。
3.誠に恐れ入りますが、どなた様かお尋ねしてもよろしいでしょうか。
4.ドアのノック音が聞こえたので、どなた様ですかと尋ねました。
5.どなた様もお忘れ物はございませんよう、一度ご確認ください。
6.以上をもちまして本日の公演は終了いたしました。どなた様もお忘れ物等ございませんよう今一度ご確認のうえお帰りください。
7.どなた様か存じ上げませんが、お手紙をお預かりしました。内容を確認していただけますでしょうか。
8.大変申し訳ありませんが、お電話の件で担当者が不在です。どなた様にご用件がございますか。伝言を承りましょうか。
9.弊社のサービスに関するご質問がございましたら、どなた様でもお気軽にお問い合わせください。専門スタッフがお答えいたします。
10.当レストランは本日も23時まで営業いたしますので、どなた様もお気軽にご来店下さい!

この言葉がよく使われる場面としては、不定称の人代名詞のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「どなた様」は明確に相手の名前を確認したい場合に使うことが多いです。

「どちら様」の例文

1.失礼を承知でお聞きしますが、どちら様でしょうか。
2.知らない番号から電話がかかってきたので、初めて聞くお声ですが、どちら様でしょうかと尋ねました。
3.最近は乾燥している日が続いてますので、どちら様も火の元には十分注意してください。
4.大変失礼を申し上げますが、どちら様でございますか。
5.大変混み合っておりますので、どちら様もお忘れ物のないようお願い申し上げます。
6.お問い合わせいただきありがとうございます。担当者が確認のため、お名前とご連絡先をお教えいただけますか、どちら様でしょうか。
7.ご連絡いただきありがとうございます。失礼を承知でお聞きしますが、どちら様でしょうか?お名前をお伺いした上で、ご連絡内容について詳しくお伺いさせていただきます。
8.電話口の人が誰なのか、あまり自信のないときは、はっきりと「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか」というべきだ。
9.これからの道のりは厳しく険しいものになると思いますが、どうぞどちら様もご無事でありますように。
10.今日のオーストラリアの首都、ウィーンは晴れで過ごしやすい天気です。それではどちら様も良い週末をお過ごしください。

この言葉がよく使われる場面としては、不明や不特定の人を指すことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「どちら様」は婉曲的に相手の素性を確認したい場合に使うことが多いです。

「どなた様」と「どちら様」はどちらも相手が誰かを尋ねることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、明確に相手の名前を確認したい場合に使うのが「どなた様」、婉曲的に相手の素性を確認したい場合に使うのが「どちら様」と覚えておきましょう。

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