【刑事】と【警察官】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「刑事」(読み方:けいじ)と「警察官」(読み方:けいさつかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「刑事」と「警察官」という言葉は、どちらも「警察の責務を遂行する公務員」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




刑事と警察官の違い

刑事と警察官の意味の違い

刑事と警察官の違いを分かりやすく言うと、刑事とは警察官のうち犯罪捜査に従事する人の通称、警察官とは人々の安全と治安を守る公務員という違いです。

刑事と警察官の使い方の違い

一つ目の刑事を使った分かりやすい例としては、「刑事裁判は検察官が起訴します」「民事事件と刑事事件ではどちらが重い罪になりますか」「刑事課の仕事内容を紹介します」「刑事になるには学歴が重要ですか」などがあります。

二つ目の警察官を使った分かりやすい例としては、「婦人警察官になることが幼い頃からの夢でした」「警察官の制服に憧れています」「面接で警察官の志望動機を聞かれました」「警察官による手信号が行われています」などがあります。

刑事と警察官の使い分け方

刑事と警察官という言葉は、どちらも警察法が定める警察の責務を遂行する国家公務員や地方公務員を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

刑事とは、警察官のうち、私服で犯罪の捜査や被疑者の逮捕など司法警察に関する職務を行う人の俗称です。刑事は、第一線の実務経験ある巡査から選抜されます。また、「刑事裁判」「刑事訴訟」のような使い方で、刑法の適用を受ける事柄を意味する言葉です。

警察官とは、警察法の定める警察の責務を遂行する国家公務員および地方公務員を意味します。警察の責務としては、個人の生命や身体および財産の保護、犯罪の予防や捜査、被疑者の逮捕、交通の取締、公共の安全と秩序の維持などが規定されています。

つまり、警察官とは人々の安全と治安を守る公務員のことであり、警察官のなかでも犯罪捜査や犯人逮捕を役目とする人の通称が刑事です。二つの言葉を比べると、刑事よりも警察官の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

刑事と警察官の英語表記の違い

刑事を英語にすると「detective」「criminal matter」となり、例えば上記の「刑事裁判」を英語にすると「a criminal trial」となります。

一方、警察官を英語にすると「police officer」「policeman」「patrolman」となり、例えば上記の「婦人警察官」を英語にすると「a policewoman」となります。

刑事の意味

刑事とは

刑事とは、刑法の適用を受け、それによって処理される事柄を意味しています。

その他にも、「犯罪の捜査を主任務とする警察官の通称」の意味も持っています。

刑事の使い方

「刑事告訴の費用はいくらぐらいですか」「刑事裁判にかかる平均時間を知りたい」「刑事訴訟法197条を読み込む」などの文中で使われている刑事は、「刑法の適用を受けて処理される事柄」の意味で使われています。

一方、「刑事の階級に年齢は関係ありますか」「このあたりに刑事が7人張り込んでいる」「刑事コロンボは刑事ドラマの最高傑作だ」などの文中で使われている刑事は、「犯罪捜査を主な任務とする警察官の通称」の意味で使われています。

刑事とは、上記の例文にあるように二つの意味を持つ言葉です。一つは、「刑事裁判」「刑事事件」のような使い方で、刑罰法規の適用に関することを意味します。もう一つは、警察官のなかでも犯罪捜査や犯人逮捕に従事する人を指します。

犯罪の捜査を主な任務とする刑事は、警察本部の刑事部もしくは警察署の刑事課に所属し、警察官であることを犯人に知られないよう私服で勤務しています。刑事は正式の官職名ではなく、警察官としての階級は巡査または巡査部長などです。巡査部長の刑事を俗に「デカ長」と言います。

刑事の対義語

刑事の対義語・反対語としては、私法上の法律関係から生じる現象を意味する「民事」などがあります。

刑事の類語

刑事の類語・類義語としては、主に治安警備や災害警備にあたる警察部隊を意味する「機動隊」、警察官の階級の一つで警視の下を意味する「警部」、要人警護のための警官を意味する「SP」、婦人警察官の略を意味する「婦警」、刑事をいう俗語を意味する「デカ」などがあります。

警察官の意味

警察官とは

警察官とは、警察の責務を遂行する国家公務員および地方公務員を意味しています。

警察官の使い方

警察官を使った分かりやすい例としては、「警察官採用試験の受験を考えています」「警察官職務執行法の一部が改正されました」「あなたは警察官の階級を全部言えますか」「私が警察官になるには身長が足りないかもしれません」などがあります。

その他にも、「警察官の年収はどれぐらいですか」「交番勤務の警察官も英語力は必要です」「万引き防止ポスターに警察官のイラストを入れる」「皆さんは警察官ネコババ事件をご存知でしょうか」などがあります。

警察官とは、 国民の生命や財産を守るため、定められた権限を行使して犯罪の予防や捜査あるいは犯人逮捕などにあたる公務員を意味します。警察官には9つの階級があり、警視総監・警視監・警視長・警視正・警視・警部・警部補・巡査部長・巡査に分かれています。

「警察官職務執行法」の意味

警察官を用いた日本語には、「警察官職務執行法」があります。警察官職務執行法とは「警職法」とも言い、警察官の職務執行に関し必要な手段を定めた法律です。職務質問、犯罪の予防および制止、武器の使用などについて規定していますが、その濫用は厳しく禁じられています。

警察官の対義語

警察官の対義語・反対語としては、人の物をぬすむ人を意味する「泥棒」、罪を犯した人を意味する「犯人」などがあります。

警察官の類語

警察官の類語・類義語としては、警察官のことを意味する「警官」、巡査を親しんで呼ぶ語を意味する「お巡りさん」、警察官の階級の一つで巡査部長の下を意味する「巡査」、女性の警察官を意味する「婦人警察官」などがあります。

刑事の例文

1.刑事事件の種類は、刑法犯と特別法犯の大きく2つに分類することができます。
2.刑事になるには、まずは警察官となって経験を積み、上司から推薦してもらう必要があります。
3.私が思う刑事に向いてる人は、正義感が強くて推理力と忍耐力を兼ね備えている人です。
4.刑事のなかで、一番下の階級と一番上の階級とで年収はどれぐらい違ってくるのだろう。
5.刑事の一日の密着取材をテレビで見て、体力勝負の仕事だと思いました。
6.刑事ドラマは本当に多く人気があるが、私は本物の刑事に会ったことがないので一度事件を体験してみたいと不謹慎なことを考えてしまう。
7.刑事裁判にかかる平均時間は、事件の内容や状況によって異なります。複雑な事件では数ヶ月から数年に及ぶ場合もあります。
8.実際の警察の取り調べではカツ丼は出ないことを知って、父親からは刑事ドラマの見過ぎだと呆れられた。
9.刑事告訴の費用は、具体的な事件によって異なりますので一概には言えません。弁護士に相談することをおすすめします。
10.刑事事件と民事事件の違いについて説明する市民講座が開かれ、一般市民の法律知識向上に貢献しています。

この言葉がよく使われる場面としては、犯罪と刑罰に関する法規や手続に関すること、私服で刑事事件の捜査を専門に行う刑事捜査官の通称を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「刑事事件」とは、刑法の適用によって処罰される事件を意味します。対する言葉には「民事事件」があり、私法上のトラブルに関する事件のことです。

警察官の例文

1.警察官になるには、国家公務員試験か都道府県が実施する警察官採用試験に合格することが必須です。
2.警察官は人々の安全と治安を守る職業なので、その仕事内容は幅広いものです。
3.外国人による犯罪が増えており、警察官にとって英語力は欠かせないものになっています。
4.警察官の給料や定年の時期は、都道府県によって異なるのだろうか。
5.私はコスプレが趣味なのですが、婦人警察官に似せた服装で街を歩いたら犯罪になりますか。
6.県警のホームページで、仕事が多岐にわたるため女性も活躍できるという女性警察官の声を読んでますます警察官になりたいと思うようになった。
7.昨今、悪質ドライバーによる交通事故が後を絶ちませんから、警察官は取締りを強化し、交通安全指導にも力を入れています。
8.正義感の強い私は警察官を目指し、体力面でも問題ないことを確認しながら、法律知識や面接対策など、合格に向けて日々努力しています。
9.警察官は、地域の安全を守る最前線の公務員です。事件・事故の発生時には、迅速な対応と的確な判断が求められます。
10.定年を迎えた警察官の叔父は、長年の経験を活かしてセキュリティコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせた。

この言葉がよく使われる場面としては、警察法の定める警察の責務を遂行する国家および地方公務員を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「婦人警察官」とは、女性の警察官を指す呼称です。日本では1946年に初めて採用され、主に防犯や交通部門を担当することが多くなっています。「婦人警官」「婦警」「女性警察官」とも言います。

刑事と警察官という言葉は、どちらも「警察法が定める警察の責務を遂行する公務員」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、警察官のなかでも犯罪捜査を主な任務とする人を通称で表現したい時は「刑事」をを使うようにしましょう。

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