【時間を有する】と【時間を要する】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「時間を有する」(読み方:じかんをゆうする)と「時間を要する」(読み方:じかんをようする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「時間を有する」と「時間を要する」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「時間を有する」と「時間を要する」の違い

「時間を有する」は「時間を要する」の間違い

「時間を有する」と「時間を要する」の違いを分かりやすく言うと、「時間を有する」とは「時間を要する」の間違った使い方、「時間を要する」とは時間がかかることです。

「時間を有する」は誤字

一般的には「時間を有する」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「時間を要する」のことを間違えて「時間を有する」を使っている人がほとんどです。

「時間を要する」は正しい日本語

正しい言葉である「時間を要する」を使った分かりやすい例としては、「完成には時間を要するのですがよろしいでしょうか」「生産量減少の影響で入荷には時間を要するようになっています」「これは判断に時間を要する場面だ」などがあります。

「時間を要する」という言葉はあっても、「時間を有する」という言葉は存在しません。同時に「時間を要する」という単語の意味について「時間がかかること」と覚えておきましょう。

「時間を要する」の英語表記

「時間を要する」を英語にすると「require time」「need time」となります。

「時間を有する」の意味

「時間を有する」とは

「時間を有する」とは、「時間を要する」の間違った使われ方です。

「時間を有する」が間違っている理由

「時間を有する」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「時間を要する」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「時間を有する」と「時間を要する」を間違ってしまうと理由としては、「有する」と「要する」の発音が似ているのが原因です。ただし、「有する」と「要する」では意味が異なっているので、間違って使わないように気をつけましょう。

「有する」とは、持っているや所有することを意味しています。そのため、時間を持っているという意味になり、時間がかかることを意味する「時間を要する」とは全く意味の違う言葉になってしまいます。

また、「時間を有する」という言葉自体も存在しないので、時間を持っているという意味でも使わないよう注意が必要です。

間違った言葉である「時間を有する」の「有する」を使った分かりやすい例としては、「石油資源を有する国はそう多くありません」「彼は可能性を有する」「彼女は市内に住所を有する」「彼は大会への参加資格を有する」などがあります。

「時間を要する」の意味

「時間を要する」とは

「時間を要する」とは、時間がかかることを意味しています。

表現方法は「多くの時間を要する」「多大な時間を要する」

「多くの時間を要する」「多大な時間を要する」「お時間を要するようでしたら」「相応の時間を要する」「納期に時間を要する」などが、「時間を要する」を使った一般的な言い回しになります。

「時間を要する」の使い方

「時間を要する」を使った分かりやすい例としては、「修理を終えるまで時間を要するのでもうしばらくお待ちください」「定期健診には時間を要するので事前のご予約をお願いいたします」「製造トラブルにより新作の発売は時間を要するようになりそうです」などがあります。

「時間を要する」は、ある時刻と他の時刻との間の長さのことを意味する「時間」に、必要とすることを意味する「要する」が合わさり、時間がかかることの意味で使われている言葉です。

「時間を要する」は目上の人に使える

「時間を要する」は、どちらかというと堅い言い回しなので、ビジネスシーンなどのかしこまった場面で使われることが多い言葉です。また、丁寧な表現でもあるので、目上の人に対して使うこともできます。

「時間を要する」の特徴

「時間を要する」は相手を待たせてしまう場合、当初の予定よりも延期してしまった場合、日数がかかるので理解して欲しい場合などに使います。そのため、お詫びの言葉や謝罪の言葉とセットで使うことが多いのが特徴です。

「時間を要する」の類語

「時間を要する」の類語・類義語としては、思ったより手間がかかることを意味する「手間取る」、わずかな期間ではできないことを意味する「一朝一夕ではいかない」、簡単に応じるわけではないことを意味する「おいそれとはいかない」などがあります。

「時間を有する」の例文

1.「時間を有する」という言葉は存在しないので、おそらく「時間を要する」の言い間違いだろう。
2.「時間を要する」という言葉は時間がかかることで、「時間を有する」という言葉はない。
3.「時間を有する」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.この仕事は時間を有するという言葉を使う人はいるが、正しくはこの仕事は時間を要するです。
5.商品の加工を希望される場合は時間を要するという言葉はあるが、商品の加工を希望される場合は時間を有するという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「時間を要する」という言葉を間違えて「時間を有する」と表現している時などが挙げられます。

「時間を有する」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「時間を要する」を間違えて使っている可能性が高いです。

「時間を有する」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「時間を有する」ではなく、「時間を要する」と表現するのが正しい使い方になります。

「時間を要する」の例文

1.シーズン中に大怪我をしたエースは、復帰まで時間を要するとの報道がありました。
2.恐ろしく難しい場面なので、判断には時間を要することになるだろう。
3.災害により部品の供給が遅れているため、新商品の販売は時間を要することになります。
4.台風の影響により荷物についてお届けについては時間を要する形となっております。大変ご迷惑をお掛けしますが、ご了承ください。
5.大規模なシステム障害により、復旧には時間を要するので、もうしばらくお待ちください。

この言葉がよく使われる場面としては、時間がかかることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「時間を有する」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「時間を有する」と「時間を要する」どちらを使うか迷った場合は、「時間を有する」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「時間を要する」を使うようにしましょう。

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