似た意味を持つ「お越しいただけますでしょうか」(読み方:おこしいただけますでしょうか)と「お越しいただくことは可能でしょうか」(読み方:おこしいただくことはかのうでしょうか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」という言葉は、どちらもこちらへ来ることができるか尋ねることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」の違い
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」の意味の違い
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」の違いを分かりやすく言うと、「お越しいただけますでしょうか」は目上の人に使える、「お越しいただくことは可能でしょうか」は目上の人に使えないという違いです。
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」の使い方の違い
一つ目の「お越しいただけますでしょうか」を使った分かりやすい例としては、「採用面接を行うので弊社までお越しいただけますでしょうか」「お手数ですが直接こちらにお越しいただけますでしょうか」「こちらにお越しいただけますでしょうか」などがあります。
二つ目の「お越しいただくことは可能でしょうか」を使った分かりやすい例としては、「明日の14時頃お越しいただくことは可能でしょうか」「書類に記入をお願いしたいのですが、直接お越しいただくことは可能でしょうか」などがあります。
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」の使い分け方
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」はどちらもこちらへ来ることができるか尋ねることを意味しており、大きな違いはありません。
あえて違いを挙げるならば、「お越しいただけますでしょうか」は目上の人に使えるのに対して、「お越しいただくことは可能でしょうか」は目上の人に使えないというのが違いです。
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」の英語表記の違い
「お越しいただけますでしょうか」も「お越しいただくことは可能でしょうか」も英語にすると、「can you come」「please come」などがあり、「こちらにお越しいただけますでしょうか」を英語にすると「Can you come here, please」となります。
「お越しいただけますでしょうか」の意味
「お越しいただけますでしょうか」とは
「お越しいただけますでしょうか」とは、こちらへ来ることができるか尋ねることを意味しています。
「お越しいただけますでしょうか」の使い方
「お越しいただけますでしょうか」を使った分かりやすい例としては、「あいにくの雨ですがこちらまでお越しいただけますでしょうか」「弊社の受付までお越しいただけますでしょうか」「恐れ入りますが今週中にお越しいただけますでしょうか」などがあります。
「お越しいただけますでしょうか」は、行くことや来ることの尊敬語の「お越し」に、他人から恩恵を受けるような動作を受けることを意味する「いただく」を丁寧にした「いただけますでしょうか」が合わさった言葉です。
「お越しいただけますでしょうか」は二重敬語
厳密に言えば、「お越しいただけますでしょうか」は二重敬語ですが、ビジネスメールや電話において広く一般的に使われているため、許容されている表現になります。
なぜなら、文化庁の敬語の指針において、二重敬語であっても習慣として定着していれば、使用しても問題はないとされています。したがって、「お越しいただけますでしょうか」は習慣として定着している言葉なので、使っても問題ない言葉と覚えておきましょう。
二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように、より丁寧に表現しようとして、同じ種類の敬語を重複させてしまうことです。
「お越しいただけますか」が正しい敬語表現
では「お越しいただけますでしょうか」の正しい敬語表現とは言うと、「お越しいただけますか」になります。
「お越しいただけますでしょうか」は漢字を使って「お越し頂けますでしょうか」とするのは誤用です。
なぜ誤用かと言うと、「お越しいただけますでしょうか」の「お越しいただけ」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
「お越しいただけますでしょうか」の類語
「お越しいただけますでしょうか」の類語・類義語としては、来てもらいたいと思うことを意味する「お越しいただきたく存じます」、来てもらうことをお願いすることを意味する「お越しいただいてもよろしいでしょうか」などがあります。
「お越しいただくことは可能でしょうか」の意味
「お越しいただくことは可能でしょうか」とは
「お越しいただくことは可能でしょうか」とは、こちらへ来ることが可能か尋ねることを意味しています。
「お越しいただくことは可能でしょうか」の使い方
「お越しいただくことは可能でしょうか」を使った分かりやすい例としては、「来週の金曜日にこちらへお越しいただくことは可能でしょうか」「返金対応させていただきますので、一度当店へお越しいただくことは可能でしょうか」などがあります。
「お越しいただくことは可能でしょうか」は、行くことや来ることの尊敬語の「お越し」に、、他人から恩恵を受けるような動作を受けることを意味する「いただく」、ある物事ができる見込みがあることを意味する「可能」と、「です」を丁寧にした「でしょうか」が合わさった言葉です。
「お越しいただくことは可能でしょうか」は、ビジネスシーンにおいても使うことができる言葉ですが、「可能」という表現が決めつけや命令に近いと解釈されてるため、目上の人に対して使うのがあまり適していません。
もし、目上の人に対して使いたいのであれば、「お越しいただけますでしょうか」や「お越しいただきたいと存じます」などを使うようにしましょう。
「お越し頂くことは可能でしょうか」は誤用
「お越しいただくことは可能でしょうか」は漢字を使って「お越し頂くことは可能でしょうか」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「お越しいただく」の「いただく」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
「お越しいただくことは可能でしょうか」の類語
「お越しいただくことは可能でしょうか」の類語・類義語としては、来てもらうことをお願いすることを意味する「お越しくださいますようお願いいたします」があります。
「お越しいただけますでしょうか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、こちらへ来ることができるか尋ねることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お越しいただけますでしょうか」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「お越しいただくことは可能でしょうか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、こちらへ来ることが可能か尋ねることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お越しいただくことは可能でしょうか」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「お越しいただけますでしょうか」と「お越しいただくことは可能でしょうか」はどちらもこちらへ来ることができるか尋ねることを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に対して使えるのが「お越しいただけますでしょうか」、目上の人に使えないのが「お越しいただくことは可能でしょうか」と覚えておきましょう。