【思い直す】と【考え直す】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「思い直す」(読み方:おもいなおす)と「考え直す」(読み方:かんがえなおす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「思い直す」と「考え直す」という言葉は、どちらも今までの考え方を改めることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「思い直す」と「考え直す」の違い

「思い直す」と「考え直す」の意味の違い

「思い直す」と「考え直す」の違いを分かりやすく言うと、「思い直す」は感情や気持ちを改めることに重点を置いている、「考え直す」は思考や考えてた内容を改めることに重点を置いているという違いです。

「思い直す」と「考え直す」の使い方の違い

一つ目の「思い直す」を使った分かりやすい例としては、「辞任を思い直すことにしました」「彼を叱ろうと思ったが思い直す」「彼女の顔を見たら思い直すかもしれません」「一瞬口を開きかけたが思い直す」などがあります。

二つ目の「考え直す」を使った分かりやすい例としては、「彼女はお金の使い方を考え直すべきです」「彼はメジャー行きを考え直して日本球界でのプレーを決断しました」「もう一度考え直すことにしました」などがあります。

「思い直す」と「考え直す」の使い分け方

「思い直す」と「考え直す」はどちらも今までの考え方を改めることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「思い直す」は心に決めたことを改めることを意味しており、感情や気持ちを改めることに重点を置いている表現です。

一方、「考え直す」は今までの考え方を変えることを意味しており、思考や考えてた内容を改めることに重点を置いている表現というのが違いになります。

つまり、「思い直す」と「考え直す」は何に重点を置いているかで使い分ける必要がると覚えておきましょう。

「思い直す」と「考え直す」の英語表記の違い

「思い直す」も「考え直す」も英語にすると「reconsider」「have second thoughts」「change one’s mind」となり、例えば上記の「もう一度考え直すことにしました」を英語にすると「I’ll reconsider it」となります。

「思い直す」の意味

「思い直す」とは

「思い直す」とは、心に決めたことを改めることを意味しています。

表現方法は「改めて思い直す」「思い直すべし」

「改めて思い直す」「思い直すべし」などが、「思い直す」を使った一般的な言い回しになります。

「思い直す」の使い方

「思い直す」を使った分かりやすい例としては、「辞職を思い直すことにしました」「娘に怒鳴ろうと思ったが思い直す」「母親の顔みたらこんなことは辞めようと思い直す」「彼は引退を思い直すことにしました」などがあります。

「思い直す」は心に決めたことを改めることを意味する動詞です。また、過去の思い出や記憶などを思い返すというニュアンスでも使います。

「思い直す」の特徴

「思い直す」は感情や気持ちを改めることに重点を置いているというのが特徴です。そのため、心理的な一面を多く含んでいます。

「思い直す」は自分の行動や考えに対して使う言葉なので、他人に対して使うことはありません。

「思い直す」の類語

「思い直す」の類語・類義語としては、もう一度調べることを意味する「再検」、もう一度考えなおすことを意味する「再考」、改めて考えることを意味する「思い返す」などがあります。

「考え直す」の意味

「考え直す」とは

「考え直す」とは、今までの考え方を変えることを意味しています。その他にも、同じことをもう一度考えてみることの意味も持っています。

表現方法は「今一度考えなおす」「考え直すこと」

「今一度考えなおす」「考え直すこと」などが、「考え直す」を使った一般的な言い回しになります。

「考え直す」の使い方

「今からでも遅くはないので考え直す方がいいだろう」「彼は考え直して転職を辞めました」などの文中で使われている「考え直す」は、「今までの考え方を変えること」の意味で使われています。

一方、「始めから考え直すことにしました」「それについては考え直すことも可能だ」などの文中で使われている「考え直す」は、「同じことをもう一度考えてみること」の意味で使われています。

「考え直す」は今までの考え方を変えることと、同じことをもう一度考えてみることの二つの意味を持つ動詞です。

「考え直す」の特徴

「考え直す」は思考や考えてた内容を改めることに重点を置いているというのが特徴になります。そのため、今一度改めるというニュアンスで使うことが多いと覚えておきましょう。

「考え直す」は自分自身の行動だけではなく、「考え直すように促す」のように、他人に対しても使うことができます。

「考え直す」の類語

「考え直す」の類語・類義語としては、もう一度検討しなおすことを意味する「再検討」、もう一度改めて見ることを意味する「見直し」、あとからさらに考えてみることを意味する「追考」などがあります。

「思い直す」の例文

1.まだこのチームでできることが見つかったので、引退を思い直すことにしました。
2.生徒を叱りつけようと思ったが、パワハラが問題になっているので思い直すことにしました。
3.最近は悪事ばかり働いていたが、両親の顔を見たらこんなことは辞めようと思い直す。
4.今年いっぱいで退職しようとしていたが、とあることが切っ掛けで思い直す。
5.一瞬口を開きかけたものの、言わない方がいいことなので思い直す。

この言葉がよく使われる場面としては、心に決めたことを改めることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「思い直す」は感情や気持ちを改めることに重点を置いている言葉です。

「考え直す」の例文

1.このままではいけないので、彼に考え直すよう促しました。
2.彼は外国のクラブではなく、もう一年国内のクラブでプレーするよう考え直す。
3.私は彼の決心について、もう一度考え直すように促しました。
4.この件に関して私たちは、もう一度考え直す必要があると思います。
5.このままでは破産してしまうので、どうやってお金を使うか考え直す必要があるだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、今までの考え方を変えることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、同じことをもう一度考えてみることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「考え直す」は今までの考え方を変えること、例文4と例文5の「考え直す」は同じことをもう一度考えてみることの意味で使ています。

「思い直す」と「考え直す」はどちらも今までの考え方を改めることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、感情や気持ちを改めることに重点を置いているのが「思い直す」、思考や考えてた内容を改めることに重点を置いているのが「考え直す」と覚えておきましょう。

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