【トップダウン】と【ボトムアップ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「トップダウン」と「ボトムアップ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「トップダウン」と「ボトムアップ」という言葉は、「企業における決定方式」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




トップダウンとボトムアップの違い

トップダウンとボトムアップの意味の違い

トップダウンとボトムアップの違いを分かりやすく言うと、トップダウンは上層部が決定する方式を表現する時に使い、ボトムアップは下部の意見を汲んで決定する方式を表現する時に使うという違いです。

トップダウンとボトムアップの使い方の違い

一つ目のトップダウンを使った分かりやすい例としては、「トップダウン方式は古いと言われている」「トップダウン組織らしく上からの命令を待つ社員が多い」「トップダウン型では上手くいかなかったようだ」などがあります。

二つ目のボトムアップを使った分かりやすい例としては、「ボトムアップ経営にもメリットとデメリットはある」「ボトムアップを採用するにあたっても社員の意見を尋ねた」「ボトムアップ的な考えも悪くはない」などがあります。

トップダウンとボトムアップの使い分け方

トップダウンとボトムアップはどちらも、企業における決定方式を表しますが、意味は大きく異なります。

トップダウンは、組織の上層部の決定を受けて下部の人々が動く方式を指す言葉です。全体を作った後に細部を作り込むという作業方法を指す場合にも使われています。

一方のボトムアップは、下部の意見を取り入れたうえで全体をまとめ、上層部が決定を行う方式を指す言葉です。細部を作った後にそれらを組み合わせて全体を作り上げるという作業方法を指す場合にも使われています。

つまり、トップダウンは上の決定が下部へ共有されていく方式を、ボトムアップは下部の意見が上の決定に取り入れられる方式を指すという違いがあり、これらは対義語の関係にあると言えます。

トップダウンとボトムアップの英語表記の違い

トップダウンを英語にすると「top-down」となり、例えば上記の「トップダウン方式」を英語にすると「top-down system」となります。

一方、ボトムアップを英語にすると「bottom-up」となり、例えば上記の「ボトムアップ経営」を英語にすると「bottom-up planning」となります。

トップダウンの意味

トップダウンとは

トップダウンとは、組織の上層部が決定を行い、下部に指示する管理方式を意味しています。

トップダウンの使い方

トップダウンを使った分かりやすい例としては、「トップダウン方式はもう通用しないらしい」「トップダウン経営からの転換が目指されている」「トップダウン型企業の方が多いだろう」などがあります。

その他にも、「トップダウンプログラミングは先に進むべきレールが敷かれているため作業がしやすい」「人間は目新しいものに触れた時トップダウン処理をすることがほとんどだと思う」「トップダウン思考で無駄のない計画を打ち立てる」などがあります。

トップダウンは英語で「top-down」と表記され、「上位から下位へ」「全体から細部に至る」といった意味で使われており、日本語でも同じように使われています。

上記例文の「トップダウン方式」「トップダウン経営」「トップダウン型」などのように、組織や企業の上層部が方針の決定を行った後に下部へ共有や指示を行うという経営方式を表す言葉として使われることが多くあります。

「トップダウンプログラミング」の意味

また、上記の「トップダウンプログラミング」とは、複雑な部品の設計が行われた後で、さらに細かい部品を設計されていくプログラミング手法です。大まかな内容を知っており目標が明確である長所がある一方で、テストが最後までできないという短所があります。

トップダウンの類語

トップダウンの類語・類義語としては、上の者の考えや命令を下の者に伝えることを意味する「上意下達」、他人の意見などに耳を貸さずに自分の思う通りに行動するような経営を意味する「ワンマン経営」などがあります。

ボトムアップの意味

ボトムアップとは

ボトムアップとは、下からの意見を吸い上げて全体をまとめて決定を行う方式を意味しています。

ボトムアップの使い方

ボトムアップを使った分かりやすい例としては、「ボトムアップ企業の成功例を調べてみた」「ボトムアップ型であれば社員から自ずと面白い意見が出るのではないか」「ボトムアップ経営の方法に興味がある」などがあります。

その他にも、「ボトムアップ思考と言えば聞こえは良いが、行き当たりばったりという悪い言い方もできる」「初めて見た文章はボトムアップ処理をしていくことで全体の把握をしやすくする」などがあります。

ボトムアップは英語で「bottom-up」と表記され、「下位から上位」「詳細のものから概略的なものに移る」といった意味で使われており、日本語でも同じように使われています。

上記例文の「ボトムアップ企業」「ボトムアップ型」「ボトムアップ経営」などのように、組織や企業の上層部が下部の意見を汲み上げて方針決定を行う経営方式を表す言葉として使われることが多くあります。

「ボトムアップ思考」の意味

また、上記例文の「ボトムアップ思考」とは、仕事を進めながら状況に応じて物事の決定を行う思考を指す言葉です。目先の作業を進めていくため作業の進みが早い場合もありますが、行き当たりばったりとなり修正が発生し、結果時間が掛かる場合もあります。

ボトムアップの類語

ボトムアップの類語・類義語としては、下の者の気持ちや意見が上の者へと届くことを意味する「下意上達」、上層部と下部の橋渡し役である「ミドルマネジメント」などがあります。

トップダウンの例文

1.トップダウンマネジメントでは、パワハラと見なされるような言動が起きかねない環境が作り上げられてしまう。
2.ワンマン経営のようになってしまいがちと考えられているトップダウンも、統率を取るためだと思うと悪いことばかりではない。
3.企業としてトップダウン型を続けていくことで、上の者からの指示を待つだけの人が増える可能性もある。
4.トップダウン処理は、前提にとらわれ過ぎる場合もあるが、理解はしやすくなるだろう。
5.個人的にはトップダウン思考で物事を進めていく方が無駄がなく効率的であると思っている。
6.トップダウンのアプローチは、組織内の意思決定を迅速に行い、市場の変化に対応する能力を高めます。
7.FAXの廃止は国のトップダウンで進めるべきと思う。さもなければずるずると使い続けることになるだろう。
8.彼らのトップダウンの経営によって草の根レベルの革新的なアイデアを摘んでしまっているのかもしれない。
9.トップダウンのプロセス改善では、経営陣が効率化の方針を示し、社員に改善案を実行させます。
10.現場を知らない社長がトップダウンで強引な意思決定をすることで、結局現場にしわ寄せが来るのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、組織の上層部が決定を行い、下部に指示する管理方式を意味する時などが挙げられます。

例文4と例文5のトップダウンは、すでに持っている情報、思い付いた仮説や期待などに基づいて、目の前にある物事を理解することを表す心理学用語として使われている言葉です。

また、例文5の「トップダウン思考」とは、時間軸を逆にたどり原因を分析する思考方法を指す言葉です。

ボトムアップの例文

1.ボトムアップ組織は部下の意見でも参考として聞き入れてくれるため、居心地が良さそうに思える。
2.企業がボトムアップを採用しているかよりも、パワハラなどの問題に発展していないかの方が気になる。
3.ボトムアップ経営では、経営者としてより多くの社員から意見を聞く必要がある。
4.人の口や目、耳があるからそれが人間なのだと認識するボトムアップ処理が行われても、裏切られるのがホラー映画だと思う。
5.考えるより行動と考えるボトムアップ思考は悪いことではないだろうが、その後の
6.社長が交代し風通しがよくボトムアップ型の組織になっているようで、おとなしい私も意見を聞いてもらえるようになった。
7.ボトムアップ組織は、部下の意見でも参考にするため、チームメンバーの意欲を高めることができます。
8.上司はどうやらボトムアップ型であれば社員から自ずと面白い意見が出るのではないかと期待しています。
9.ボトムアップ思考は、具体的な行動を重視するため、実践的な解決策が生まれやすいと考えます。
10.彼はボトムアップ的な考え方を持っており、現場の声を大切にしていますから、責任者に適任かと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、下からの意見を吸い上げて全体をまとめて決定をする管理方式を意味する時などが挙げられます。

例文4と例文5のボトムアップは、目の前にある物事を理解したり分析をすることで、それと認識することを表す心理学用語として使われている言葉です。トップダウンとは異なり、自身の持っている知識や経験には頼らない場合に使われています。

トップダウンとボトムアップは、どちらも「企業における決定方式」を表します。

どちらを使うか迷った場合は、上層部が決定する方式を表す場合は「トップダウン」を、下部の意見を汲んで決定する方式を表す場合は「ボトムアップ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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