【これもひとえに】と【それもこれも】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「これもひとえに」と「それもこれも」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「これもひとえに」と「それもこれも」という言葉は、どちらもある結果が起きた理由が一つであることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「これもひとえに」と「それもこれも」の違い

「これもひとえに」と「それもこれも」の意味の違い

「これもひとえに」と「それもこれも」の違いを分かりやすく言うと、「これもひとえに」は目上の人に使える、「それもこれも」は目上の人に使えないという違いです。

「これもひとえに」と「それもこれも」の使い方の違い

一つ目の「これもひとえに」を使った分かりやすい例としては、「これもひとえに皆様のお力添えによるものと深く感謝しております」「大会で優勝することができたのはこれもひとえに皆様のご声援のおかげです。ありがとうございました」「これもひとえに皆様のおかげです」などがあります。

二つ目の「それもこれも」を使った分かりやすい例としては、「それもこれもあなたの優しさのおかげです」「こんな状況になったのはそれもこれも彼女のせいだと思います」「それもこれもプロサッカー選手になるためです」などがあります。

「これもひとえに」と「それもこれも」の使い分け方

「これもひとえに」と「それもこれも」はどちらもある結果が起きた理由が一つであることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「これもひとえに」は丁寧な表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うことができます。

一方、「それもこれも」は敬語表現が含まれておらずやや敬意に欠ける表現なので、目上の人に対して使うことができないというのが違いです。

「これもひとえに」と「それもこれも」の英語表記の違い

「これもひとえに」も「それもこれも」も英語にすると「This would not have been possible」となり、例えば上記の「これもひとえに皆様のおかげです」を英語にすると「This would not have been possible without everybody’s contribution」となります。

「これもひとえに」の意味

「これもひとえに」とは

「これもひとえに」とは、ある結果が起きた理由が一つであることを意味しています。

「これもひとえに」の漢字表記

「これもひとえに」を漢字にすると、「これも偏に」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「これもひとえに」を使うようにしましょう。

表現方法は「これもひとえに皆様のご支援の賜物」「これもひとえに皆様のご協力」

「これもひとえに皆様のご支援の賜物」「これもひとえに皆様のご協力」「これもひとえに皆様方のおかげ」などが、「これもひとえに」を使った一般的な言い回しになります。

「これもひとえに」の使い方

「これもひとえに」を使った分かりやすい例としては、「新しくお店をオープンできたのはこれもひとえに皆さんのご支援のおかげです」「これもひとえに私の不徳をいたすところであり申し訳ございませんでした」などがあります。

「これもひとえに」はある事柄を指し示す指示語の「これ」に、 原因、理由、条件などがそれに尽きることを意味する「ひとえに」が合わさり、ある結果が起きた理由が一つであることの意味で使われている言葉です。

「これもひとえに」は副詞なので、使用する際は後ろに来る動詞が必ず必要と覚えておきましょう。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。

「これもひとえに」は「これもひとえに感謝しております」「これもひとえに皆様のおかげです」などのように、プラスのイメージで使うことが多いと覚えておきましょう。

「これもひとえに」は目上の人に使える

「これもひとえに」はとても丁寧な表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うことも可能です。

「これもひとえに」の類語

「これもひとえに」の類語・類義語としては、ある一つの事を主とすることを意味する「専ら」、大部分のことであることを意味する「主として」などがあります。

「それもこれも」の意味

「それもこれも」とは

「それもこれも」とは、ある事やある物の全部のことを意味しています。

「それもこれも」の漢字表記

「それもこれも」を漢字にすると、「其れも此れも」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理湯がない限り、ひらがなの「それもこれも」を使うようにしましょう。

「それもこれも」の使い方

「それもこれも」を使った分かりやすい例としては、「こうなったのはそれもこれもお前のせいだぞ」「それもこれも憎き相手を倒すためです」「それもこれも成功したのは彼の予言のおかげです」「それもこれも運命だと思いますよ」などがあります。

「それもこれも」はそのもののことを意味する「それ」に、ある事柄を指し示すことを意味する「これ」が合わさり、ある事やある物の全部のことの意味で使われている言葉です。

つまり、「それもこれも」を簡単に表現するならば、あることが起きた理由を全部それにしたい場合に使います。

「それもこれも」は目上の人に使えない

「それもこれも」は敬語表現が含まれておらずやや敬意に欠ける表現なので、目上の人に対して使うことができないと覚えておきましょう。

「それもこれも」の類語

「それもこれも」の類語・類義語としては、ある物事全てのことを意味する「全部」、余すところないことを意味する「残らず」、なんでもかんでも欲しがることを意味する「あれもこれも」などがあります。

「これもひとえに」の例文

1.これもひとえに皆様からのご協力とご理解あってこそと、心から感謝しております。
2.ここまで勝ち上がってこれたのは、これもひとえにいつも熱い応援をしてくださるサポーターの皆様のおかげです。
3.本日で創立30周年を迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援のおかげと、深く感謝申し上げます。
4.これもひとえに私の過失が原因であり、弁解の言葉は一切ございません。大変申し訳ありませんでした。
5.この度の不祥事につきましては、これもひとえに管理者としての私の責任でございます。大変申し訳ありません。
6.今回入賞することができました。これもひとえに先生方をはじめとする皆様のサポートがあったからです。感謝申し上げます。
7.体にハンディを持ちながらそれでも明るく生きてこられた。これもひとえに両親の愛があったからだと今なら分かる。
8.この映画の成功は、これもひとえに才能ある監督と素晴らしいキャストのおかげです。彼らの情熱と努力に心から感謝しています。
9.私たちの組織が成長し続けることができたのは、これもひとえに優れたリーダーシップとチームワークの結果だと思っています。
10.私が日々活動できるのも、これもひとえに皆様のご協力あってこそです。今後ともご贔屓のほどよろしくお願いいたします。

この言葉がよく使われる場面としては、ある結果が起きた理由が一つであることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「これもひとえに」は目上の人に対しても使うことができる言葉です。

「それもこれも」の例文

1.明日遠足が行われるかは、それもこれも天気次第だと思います。
2.今回のような良い結果で終えることができたのは、それもこれも彼のおかげだと思うよ。
3.それもこれもみんな誰かのせいにする人がいるけど、人として成長しないと思います。
4.それもこれもあいつのせいだ。二度と仲良くすることはないだろう。
5.今回受賞することができたのは、それもこれもみんなが手伝ってくれたおかげです。
6.それもこれも元はと言えば部長が言い出したのに、形勢が不利になったらそんなことは言っていないとしらを切った。
7.それもこれも元はと言えば「なんとかなる」からと、後先考えず勝手に会社を辞めてきたあなたのせいではないか。
8.この事業の成功は、それもこれも熱心なスタッフの努力と、協力してくれたパートナー企業のおかげです。
9.みんな会社をやめていくのは、それもこれも現場のせいにして、上層部が労働環境を改善しようともしないからだ。
10.私は友達ともアニメの話をしないが、それもこれもたぶん「アニオタは悪」みたいな時代に育ったのもあるかもしれない。

この言葉がよく使われる場面としては、ある事やある物の全部のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「それもこれも」は目上の人に対して使うことができない言葉です。

「これもひとえに」と「それもこれも」はどちらもある結果が起きた理由が一つであることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に使えるのが「これもひとえに」、目上の人に使えないのが「それもこれも」と覚えておきましょう。

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