【失礼致します】と【失礼いたします】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しつれいいたします」という読み方の「失礼致します」と「失礼いたします」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「失礼致します」と「失礼いたします」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「失礼致します」と「失礼いたします」の違い

「失礼致します」は「失礼いたします」の間違い

「失礼致します」と「失礼いたします」の違いを分かりやすく言うと、「失礼致します」とは「失礼いたします」の間違った使い方、「失礼いたします」とは自分が何かを行う際に断りを入れることです。

「失礼致します」は誤字

一般的には「失礼致します」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が同じなことから、「失礼いたします」のことを間違えて「失礼致します」を使っている人がほとんどです。

「失礼いたします」は正しい日本語

正しい言葉である「失礼いたします」を使った分かりやすい例としては、「本日はお先に失礼いたします」「突然のご連絡で失礼いたします」「夜分遅くに失礼いたします」「失礼いたします、入ってもよろしいでしょうか」などがあります。

「失礼いたします」という言葉はあっても、「失礼致します」という言葉は存在しません。同時に「失礼いたします」という単語の意味について「自分が何かを行う際に断りを入れること」と覚えておきましょう。

「失礼いたします」の英語表記

「失礼いたします」を英語にすると「Excuse me」「Pardon me」となり、例えば上記の「失礼いたします、入ってもよろしいでしょうか」を英語にすると「Excuse me, may I come in」となります。

「失礼致します」の意味

「失礼致します」とは

「失礼致します」とは、「失礼いたします」の間違った使われ方です。

「失礼致します」が間違っている理由

「失礼致します」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「失礼いたします」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「失礼致します」と「失礼いたします」を間違ってしまう理由としては、より丁寧に表現しようとして漢字表記を使ってしまっているのが原因です。ただし、「失礼致します」は間違った表現なので使わないよう気をつける必要があります。

ではなぜ「失礼致します」が間違った言葉かというと、「致します」は動詞であり、至らせるや及ぼすという意味で使う言葉で、謙譲語の意味は全くありません。そのため、自分が何かを行う際に断りを入れることという謙譲語表現には適していないのです。

また、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるので、「失礼いたします」とひらがな表記をするのが正しい日本語と覚えておきましょう。

間違った言葉である「失礼致します」の「致す」を使った分かりやすい例としては、「遠い祖国に思いを致す」、「今回の件は私の不徳の致すところです」「政治家として心を致すべきは誠実なことである」などがあります。

「失礼いたします」の意味

「失礼いたします」とは

「失礼いたします」とは、自分が何かを行う際に断りを入れることを意味しています。

表現方法は「ではこれで失礼いたします」「お先に失礼いたします」

「ではこれで失礼いたします」「お先に失礼いたします」「夜分に失礼いたします」などが、「失礼いたします」を使った一般的な言い回しになります。

「失礼いたします」の使い方

「失礼いたします」を使った分かりやすい例としては、「お言葉に甘えてお先に失礼いたします」「朝早くに失礼いたします」「この後予定があるので私はここで失礼いたします」「お話の途中失礼いたします」などがあります。

「失礼いたします」は礼儀に欠けることを意味「失礼」に、するの謙譲語である「いたします」が合わさり、自分が何かを行う際に断りを入れることの意味で使われている言葉です。

謙譲語とは、自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことを意味しています。

「失礼いたします」は目上の人に使える

「失礼いたします」は謙譲語を用いた正しい敬語表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対しても使うことができる言葉です。

「失礼いたします」の特徴

「失礼いたします」はビジネスメールなどの書き言葉としてだけではなく、電話や対面などの話し言葉としても使えるというのが特徴になります。

「失礼いたします」の類語

「失礼いたします」の類語・類義語としては、相手に謝罪や依頼などをする時に使う言葉を意味する「すみません」、相手に詫びる時に使う言葉を意味する「申し訳ありません」、人の家などを訪問することの謙った言い方のことを意味する「お邪魔いたします」などがあります。

「失礼致します」の例文

1.「失礼致します」という言葉は存在しないので、おそらく「失礼いたします」の言い間違いだろう。
2.「失礼いたします」という言葉は自分が何かを行う際に断りを入れることで、「失礼致します」という言葉はない。
3.「失礼致します」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.お忙しいところ失礼致しますという言葉を使う人はいるが、正しくはお忙しいところ失礼いたしますです。
5.突然のお手紙失礼いたしますという言葉はあるが、突然のお手紙失礼致しますという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「失礼いたします」という言葉を間違えて「失礼致します」と表現している時などが挙げられます。

「失礼致します」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「失礼いたします」を間違えて使っている可能性が高いです。

「失礼致します」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「失礼致します」ではなく、「失礼いたします」と表現するのが正しい使い方になります。

「失礼いたします」の例文

1.本日は予定が入ってるため、お先に失礼いたします。お疲れ様でした。
2.本来なら直接お目にかかるべきところを、お電話にて失礼いたします。
3.お休み中失礼いたします。どうしてもお耳に入れておきたいことがありましたので、ご連絡差し上げました。
4.失礼いたします。面接に伺いました鈴木と申します。
5.貴重なお時間をいただきありがとうございました。それでは失礼いたします。

この言葉がよく使われる場面としては、自分が何かを行う際に断りを入れることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「失礼いたします」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。

「失礼致します」と「失礼いたします」どちらを使うか迷った場合は、「失礼致します」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「失礼いたします」を使うようにしましょう。

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