似た意味を持つ「ハム」と「ベーコン」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ハム」と「ベーコン」という言葉は、「燻製された食肉加工品」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ハムとベーコンの違い
ハムとベーコンの意味の違い
ハムとベーコンの違いを分かりやすく言うと、ハムは燻製と加熱を行う加工食品を表現する時に使い、ベーコンは燻製のみ行う加工食品を表現する時に使うという違いです。
ハムとベーコンの使い方の違い
一つ目のハムを使った分かりやすい例としては、「ハムエッグを朝食のために用意する」「ハムを焼いている間にコーヒーの準備をする」「小腹が空いた時はパンにハムを挟んで食べている」などがあります。
二つ目のベーコンを使った分かりやすい例としては、「ベーコンスライスをカリカリに焼いて食べるのが好きだ」「ベーコンとハムはどちらか必ず冷蔵庫に入っている」「厚切りベーコンをスープに入れて食べるのが今の自分の流行りだ」などがあります。
ハムとベーコンの使い分け方
ハムとベーコンはどちらも、豚肉の加工食品を表しますが、製造工程が若干異なります。
ハムは、豚肉を塩水につけてから燻製にした加工食品を指す言葉です。燻製した後に茹でたり蒸したりと加熱するのが特徴ですが、加熱処理を行わないものや燻製さえもしないものもあり、塩漬けされた加工肉をハムとするなど広義的に称されています。
一方のベーコンは、豚のバラ肉を塩漬けにして燻製にした加工食品を指す言葉です。上記例文の「ショルダーベーコン」「ロースベーコン」などのようにバラ肉以外が用いられることもあります。
つまり、ハムは燻製のあとで加熱を行い、ベーコンは燻製のみ行うという違いがあります。また、前者は豚や鶏のもも肉を、後者は豚のバラ肉やロースなど別の部位を用いている点も異なります。
ハムとベーコンの英語表記の違い
ハムを英語にすると「ham」となり、例えば上記の「ハムエッグ」を英語にすると「ham and eggs」となります。一方、ベーコンを英語にすると「bacon」となり、例えば上記の「ベーコンスライス」を英語にすると「bacon slices」となります。
ハムの意味
ハムとは
ハムとは、豚肉を塩水につけてから燻製にした加工食品を意味しています。
ハムの使い方
ハムを使った分かりやすい例としては、「スライスハムをサラダにドレッシングとともに和える」「厚切りハムを食べる時はかぶりついて食べるのが好きだ」「ハムを使ったお弁当料理にお世話になりっぱなしだ」などがあります。
その他にも、「ハムを自宅で作ることはできるのだろうか」「冷蔵庫にはハムが常備されている」「ハムに衣をつけて揚げるハムカツは子どもの大好物だ」「ハムは万能だが普通にお肉が食べたい時もある」などがあります。
ハムは英語で「ham」と表記され、「豚のもも肉を塩漬けにして燻製にしたもの」「太もも」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われますが、人間に対して用いられる場合は、太ももの後面の筋肉を指す「ハムストリング」の略称がほとんどです。
ハムの特徴
豚肉を塩漬けにするまではどの種類のハムも同じですが、燻製を行った後で加熱処理を行うものと、加熱処理を行わないものがあり、後者は「生ハム」と呼ばれ親しまれています。生ハムのなかでも、塩漬けのみで燻製しないものも存在します。
また、もも肉以外で作られた塩漬けの加工肉もハムと称されており、ロース肉で作られた「ロースハム」や、肩肉で作られた「ショルダーハム」などがあります。
ハムの類語
ハムの類語・類義語としては魚肉を使ってハムに似た風味を持たせた食品を指す「魚肉ハム」、羊やヤギの腸にすりつぶした肉を詰めた小型のソーセージを指す「ウインナソーセージ」などがあります。
ベーコンの意味
ベーコンとは
ベーコンとは、豚のバラ肉を塩漬けにして燻製にした加工食品を意味しています。
ベーコンの使い方
ベーコンを使った分かりやすい例としては、「カナディアンベーコンは日本でロースハムとして知られている」「ベーコンは定期的に買っておくとどんな料理にでも使えて便利だ」「ベーコンとほうれん草のパスタを作ってくれた」などがあります。
その他にも、「ベーコンには栄養効果が詰まっており、様々な効果に期待ができるそうだ」「ショルダーベーコンは普通のベーコンとどう違うのだろうか」「パンに挟むならベーコンは欠かせないと思っている」などがあります。
ベーコンは英語で「bacon」と表記され、「豚の横腹や背の肉の塩漬けや燻製」を意味する言葉として使われています。日本語でも同じように使われますが、食品表示法によって部位を表示する必要があり、バラ肉を用いたものを「ベーコン」と呼んでいます。
バラ肉以外を用いて作られたものは、肩肉であれば「ショルダーベーコン」、ロース肉であれば「ロースベーコン」と表記されます。
ベーコンの特徴
塩漬けにした肉を燻製や乾燥させて作られ、加熱処理は製法に含まれていませんが、日本で製造されるベーコンのほとんどは殺菌する段階で加熱していることから「加熱食肉製品」と記載されています。
ベーコンの類語
ベーコンの類語・類義語としては、塩漬けした豚バラ肉を塩漬けにしたものを指す「パンチェッタ」、塩漬けの後に味を付けすりつぶした肉や内臓などを牛や豚の腸に詰めて加熱した食品を指す「ソーセージ」などがあります。
ハムの例文
この言葉がよく使われる場面としては、豚肉を塩水につけてから燻製にした加工食品を意味する時などが挙げられます。
例文1の「鶏ハム」とは、ハムのような食感を持つ鶏肉料理です。塩やコショウなどをすり込んだ鶏むね肉を寝かせてから茹でるという調理方法ですが、燻製することなく、本来のハムの製造方法とは大きく異なります。
ベーコンの例文
この言葉がよく使われる場面としては、豚のバラ肉を塩漬けにして燻製にした加工食品を意味する時などが挙げられます。
例文3の「ベーコンエッグ」は、フライパンでベーコンを熱し、ベーコンの油で卵を焼く料理です。
ハムとベーコンは、どちらも「燻製された食肉加工品」を表します。どちらを使うか迷った場合は、燻製と加熱を行う加工食品を表す場合は「ハム」を、燻製のみ行う加工食品を表す場合は「ベーコン」を使うと覚えておけば間違いありません。