似た意味を持つ「シナジー」と「アナジー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「シナジー」と「アナジー」という言葉は、「複数の企業が連携した時の結果」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
シナジーとアナジーの違い
シナジーとアナジーの意味の違い
シナジーとアナジーの違いを分かりやすく言うと、シナジーはプラスの結果を表現する時に使い、アナジーはマイナスの結果を表現する時に使うという違いです。
シナジーとアナジーの使い方の違い
一つ目のシナジーを使った分かりやすい例としては、「シナジーを生みそうな企業が共同開発する製品が楽しみだ」「シナジーがある組み合わせには期待が寄せられる」「経営者は誰もが売上シナジーを見込んた提携を狙いたいものだろう」などがあります。
二つ目のアナジーを使った分かりやすい例としては、「アナジー効果という言葉は聞いたことがなかった」「M&Aの不安要素はアナジーが生まれることだ」「アナジーに陥ることは悪いことばかりではないのだろうか」などがあります。
シナジーとアナジーの使い分け方
シナジーとアナジーはどちらも、複数の企業が共同した時の結果を表す言葉ですが、意味は大きく異なります。
シナジーは、複数の企業が作用し合うことでお互いにプラスの結果を生むことを意味する言葉として使われています。企業だけでなく、団体や個人間で使われることも多い言葉です。
一方のアナジーは、複数の企業が作用し合うことでお互いにマイナスの結果を生むことを意味する言葉として使われています。基本的にはビジネス用語として使われていますが、生物学などの分野で不活性化といった意味で使われることもあります。
つまり、シナジーは複数の企業にとってプラスの結果となる場合に、アナジーは複数の企業にとってマイナスの結果となる場合に使われるという違いがあり、対義語の関係にあると言えます。
シナジーとアナジーの英語表記の違い
シナジーを英語にすると「synergy」となり、例えば上記の「シナジーを生む」を英語にすると「generate synergy」となります。
一方、アナジーを英語にすると「anergy」となり、例えば上記の「アナジー効果」を英語にすると「anergy effect」となります。
シナジーの意味
シナジーとは
シナジーとは、二つ以上のものがお互い作用し合って相乗的な効果を生むことを意味しています。
その他にも、複数の企業が連携して運営を行うことでより良い結果を出すことを意味する言葉です。
表現方法は「シナジーを感じる」「シナジー効果シナジーを高める」
「シナジーを感じる」「シナジー効果シナジーを高める」「シナジーを生み出す」などが、シナジーを使った一般的な言い回しです。
シナジーの使い方
「彼と私は水と油のように見えるがシナジーが生まれることもある」「職場でシナジーを高めるための方策を編み出したい」「シナジー効果がないとモチベーションも下がる」などの文中で使われているシナジーは、「相乗効果」の意味で使われています。
一方、「販売シナジーを出すことで売上向上につながるに違いない」「M&Aはシナジーによって成功するかが大きく変化するだろう」などの文中で使われているシナジーは、「企業提携により良い結果を出すこと」の意味で使われています。
シナジーは英語で「synergy」と表記され、「共同作用」「共働」といった意味を持つ言葉です。日本でも同じように使われており、様々な場面で相乗効果を意味する言葉として使われています。
「販売シナジー」の意味
上記例文の「販売シナジー」とは、設備や流通経路、倉庫などを共有することで効率化を狙った企業間の相乗効果を指す言葉です。売上を伸ばすための「売上シナジー」とは、必要コストを減らすための販売シナジーとして区別されることがあります。
シナジーの類語
シナジーの類語・類義語としては、複数の組織が共同して闘争することを意味する「共闘」、互いに助け合うことを意味する「互助」、一つの行為によって同時に二つの成果を挙げることを意味する「一石二鳥」などがあります。
アナジーの意味
アナジーとは
アナジーとは、複数の企業が作用し合うことでお互いにマイナスの結果を生むことを意味しています。
その他にも、無反応や不活性化することを意味する言葉です。
表現方法は「アナジー免疫」「アナジー効果」
「アナジー免疫」「アナジー効果」などが、アナジーを使った一般的な言い回しです。
アナジーの使い方
「アナジー効果が出た場合の対処法を想定しておこう」「誰もがアナジーが生まれるとは思っていなかった」「シナジーを期待したが蓋を開けばアナジーとなった」などの文中で使われているアナジーは、「企業提携に悪い結果となること」の意味で使われています。
一方、「アナジー状態に陥った場合一体どうなるのかまで聞いた」「アナジーの仕組みが全く理解できないが一般生活では聞かない言葉だと思った」などの文中で使われているアナジーは、「無反応や不応答」の意味で使われています。
アナジーは英語で「anergy」と表記され、「エネルギー欠乏」「免疫不応答」といった意味を持ちます。日本語でも、細胞に対する言葉として生物学や医学の分野にて使われており、上記例文の「アナジー状態」「アナジーの仕組み」などの使い方をします。
アナジーはビジネス用語として使われることが多い
ただし、ビジネス用語として使われることの方が多く、複数の企業が連携することでそれより前の業務体系よりも悪い結果を出すことを表す言葉として使われています。
アナジーの類語
アナジーの類語・類義語としては、悪い出来事が二つ以上連続することを意味する「ダブルパンチ」、長所や利点などが差し引かれてなくなることを意味する「相殺」などがあります。
シナジーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、二つ以上のものがお互い作用し合って相乗的な効果を生むことを意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、複数企業の連携によって良い結果を出すことを意味する言葉として使われることも多くあります。
アナジーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、複数の企業が作用し合うことでお互いにマイナスの結果を生むことを意味する時などが挙げられます。
例文5のように、生物学や医学などの分野にて細胞が無反応や不活性化であることを意味する言葉として使われることもあります。
シナジーとアナジーは、どちらも「複数の企業が連携した時の結果」を表します。どちらを使うか迷った場合は、プラスの結果を表す場合は「シナジー」を、マイナスの結果を表す場合は「アナジー」を使うと覚えておけば間違いありません。