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【拘泥】と【固執】と【執着】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「拘泥」(読み方:こうでい)と「固執」(読み方:こしつ)と「執着」(読み方:しゅうちゃく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「拘泥」と「固執」と「執着」という言葉は、こだわることという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




拘泥と固執と執着の違い

拘泥と固執と執着の意味の違い

拘泥と固執と執着の違いを分かりやすく言うと、拘泥は文章内でこだわることを表現する時に使い、固執は自分の意見にこだわることを表現する時に使い、執着は心引かれるものにこだわることを表現する時に使うという違いです。

拘泥と固執と執着の使い方の違い

拘泥という言葉は、「つまらない問題に拘泥する」「勝負に拘泥する」などの使い方で、こだわることを意味する言葉です。文章語であるため、日常会話では使わず、小説や手紙などの文章内で使われます。

固執という言葉は、「自分の考えに固執しすぎる」「過去の実績に固執しない」などの使い方で、一つの物事に対して自分の意見を譲らない程こだわることを意味する言葉です。主に、一時的なこだわりの場合に使われます。

執着という言葉は、「お金に執着する」「男性に執着する生活を送る」などの使い方で、対象になる物事を手に入れようとすることや、手に入れたものから心が離れないことを意味する言葉です。主に、生まれつきの性分である場合に使われます。

拘泥と固執と執着の使い分け方

これらのことから、拘泥はこだわることを文章中で表現する時に使い、固執は自分の考えにこだわることを意味し、執着は自分が心惹かれるものにこだわることを意味します。

また、固執は一時的なもので、執着は生まれつきの性質のようなものでもあります。これらが拘泥、固執、執着の明確な違いです。

拘泥の意味

拘泥とは

拘泥とは、こだわることを意味しています。また、必要以上に気にすることも意味します。

拘泥の読み方

拘泥は「こうでい」という読み方をしますが、「くでい」「こうどろ」といった読み方はしません。また、拘泥の送り仮名として「る」を付け、「拘泥る」という表記になると「こだわる」と読みます。意味は変わりません。

拘泥の語源

拘泥の拘は、関わる、こだわる、引っかかるという意味を持つ漢字です。訓読みでは「とらえる」「とどめる」「かかわる」「こだわる」といった読み方を持ちます。

また、拘泥の泥は、こだわる、なずむ、ふんぎりがつかないという意味を持つ漢字です。訓読みでは「どろ」「なずむ」といった読み方を持ちます。「なずむ」とは、心がとらわれることや、慣れ親しむこと、ひたむきに思いを寄せることを意味する言葉です。

そのため、拘泥という言葉に使われている「拘」も「泥」もこだわることを意味します。これが拘泥という言葉の語源です。

「些事に拘泥」の意味

拘泥を使った言葉として、「些事に拘泥」(読み方:さじにこうでい)があります。これは、つまらないことにこだわることを意味する言葉で、「些事にこだわらない」という表現もあります。

表現方法は「拘泥しない」「拘泥する」

「拘泥しない」「拘泥する」などが、拘泥を使った一般的な言い回しです。

拘泥の使い方

拘泥を使った分かりやすい例としては、「過去の自分に拘泥しないことが人生において大切である」「長い人生で失敗に拘泥することは避けられないが時間が解決してくれる」などがあります。

拘泥の類語

拘泥の類語・類義語としては、ある物事に心を引かれてそれにこだわることを意味する「執心」があります。

拘泥の拘の字を使った別の言葉としては、人を捕らえて一定の場所に閉じ込めておくことを意味する「拘禁」、思想や行動などの自由を制限することを意味する「拘束」、人を捕らえてとどめておくことを意味する「拘留」などがあります。

固執の意味

固執とは

固執とは、自分の意見を主張して譲らないことを意味しています。

固執の読み方

固執は「こしつ」という読み方をしますがこれは慣用読みで、本来は「こしゅう」と読む言葉です。どちらの読みも正しく、読み方で意味が変わることはありません。

表現方法は「固執する」「固執しない」「固執した考え」

「固執する」「固執される」「固執しない」「固執した考え」などが、固執を使った一般的な言い回しです。

固執の使い方

固執を使った分かりやすい例としては、「過去の成功体験に固執すると今後の成長はない」「物に固執しない人を彼氏にしたい」「歳を取ると固執した考えから抜け出せなくなる」などがあります。

「固執低音」の意味

固執を使った言葉として、「固執低音」があります。一定の音型を何度も繰り返す技法を指す音楽用語で、もとはバッソ・オスティナートと言います。

ルネサンスやバロック期の舞曲には固執低音の手法が見られました。「固執低音」だけではなく「執拗低音」とも訳されます。

固執の類語

固執の類語・類義語としては、意志や考え方などを貫き通すことを意味する「貫徹」、ある物事に深く心を引かれて夢中になることを意味する「傾倒」があります。

固執の固の字を使った別の言葉としては、古い習慣や考えに固執して新しいものを好まないことを意味する「固陋」(読み方:ころう)、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないことを意味する「頑固」などがあります。

執着の意味

執着とは

執着とは、一つのことに心をとらわれてそこから離れられないことを意味しています。

執着の読み方

執着は「しゅうちゃく」という読み方をしますが、「しゅうじゃく」と読むことも出来ます。読み方で意味が変わることはありません。

「執着気質」の意味

執着を使った言葉として、「執着気質」があります。これは性格の一つで、几帳面、徹底的、正義感、責任感の強い人などが当てはまる性格です。

表現方法は「執着する」「執着を手放す」「執着心がない」

「執着する」「執着を手放す」「執着心がない」などが、執着を使った一般的な言い回しです。

執着の使い方

執着を使った分かりやすい例としては、「彼氏に執着して仕事が手につかない同僚がいる」「執着を手放すことこそが本当の幸せを得る方法である」「昔から物への執着心がないと言われる」などがあります。

執着の対義語

執着の対義語・反対語としては、自分の希望などをきっぱりと諦めることを意味する「断念」があります。

執着の類語

執着の類語・類義語としては、苦難などをこらえることを意味する「忍耐」、耐え忍ぶことを意味する「我慢」、どんな困難にぶつかっても意志を貫くことを意味する「不屈」、物事を飽きずに長くやり続ける気力を意味する「根気」などがあります。

執着の執の字を使った別の言葉としては、ある一つのことを深く思いつめる心を意味する「執念」、自分中心の考えから離れられないことを意味する「我執」、考えをかたくなに守って他の意見に耳をかさないことを意味する「偏執」などがあります。

拘泥の例文

1.そのうち全て取り組まなければならないため、タスクに取り組む順序に拘泥する必要はない。
2.事前に用意した回答を書いたメモを拘泥していたからか、こちらの問いに対する答えとして求めてない回答をされた。
3.物事に拘泥しないからといって、興味がないと思われるのは遺憾である。

この言葉がよく使われる場面としては、物事にこだわることを意味する時などが挙げられます。

上の例文の「拘泥」は、一時的な感情であれば「固執」に置き換えて使うことができ、長く続いたり生まれつきの性格であれば「執着」に置き換えて使うことができます。

固執の例文

1.一つの意見に固執していると、周囲が出してくれた考えや提案を蹴ることになり申し訳なくなる。
2.過去に獲得した賞状やメダルなどに固執していつもの自分なら出来ると過信しすぎるのは良くないと思う。
3.病が流行っているのであれば、利益に固執するのではなく、まずは身体や命のことを考えるべきである。

この言葉がよく使われる場面としては、物事に対して一時的にこだわることを意味する時などが挙げられます。

上の例文で、生まれつきこだわる性格ということが分かっているのであれば「執着」を使うことができます。また、小説など文章内での表記であれば「拘泥」を使うこともできます。

執着の例文

1.私の友人は男に執着したことで多くのお金と時間を無駄にしていた気がする。
2.執着心を抱えるのは非常に疲れるため、早いところ捨てた方が良いことはわかっている。
3.一つのことに執着しすぎると、周りが見えなくなる可能性があるように思う。

この言葉がよく使われる場面としては、一つの物事にとらわれることを意味する時などが挙げられます。

例文2の「執着心」とは、人やもの、出来事に対して強く引かれて離れられない心の状態を意味する言葉です。

拘泥と固執と執着どれを使うか迷った場合は、こだわることを文章内で表す場合は「拘泥」を、自分の意見にこだわることを表す場合は「固執」を、心引かれるものにこだわることを表す場合は「執着」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
編集者
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