【きちんと】と【ちゃんと】と【しっかり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「きちんと」と「ちゃんと」と「しっかり」の違いを分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しいのか、このページの使い分け方を参考にしてみて下さい。

「きちんと」と「ちゃんと」と「しっかり」という言葉は同義語で、どれも整えるという同じ意味合いを持ちますが、それぞれの言葉の使い方には少し違いがあります。



「きちんと」と「ちゃんと」と「しっかり」の違い

「きちんと」と「ちゃんと」と「しっかり」の違いを分かりやすく言うと、「きちんと」とは細かいところまで気配りが出来ることで、「ちゃんと」とは他人に見られても恥ずかしくないことで、「しっかり」とは確実で信頼出来ることを意味しているという違いです。

三つの言葉はどれも同じように使われます。「きちんと掃除する」「ちゃんと掃除する」「しっかり掃除する」はどれも、丁寧に掃除をするという同じ意味で使われます。

どの言葉を使っても同じ状況が表現出来るケースも多いですが、それぞれの言葉の持つイメージは異なります。

一つ目の「きちんと」は「隅々まで細かく気が配れている」という意味の言葉です。「きちんと掃除をする」なら「細かく掃除をする」というイメージで、「きちんとした服装」なら「整っていてだらしのないところのない服装」を連想させます。

二つ目の「ちゃんと」は「体面を保つ」という意味を持つ言葉です。「ちゃんと掃除をする」なら「他人に見せても大丈夫なように掃除をする」という意味で、「ちゃんとした服装」は「その場にあった服装、例えばお葬式なら喪服」というような意味になります。

三つ目の「しっかり」は「確実で信頼できる」という意味合いの言葉です。「しっかり掃除をする」は「またすぐに散らからないように」というイメージで、「しっかりした服装」は、例えば「冬場の防寒の役目を安心して任せられる服装」などです。

「きちんと」の意味

「きちんと」とは、隅々まで配慮が行き渡っていることを意味しています。「きちんと」は「繊細さ」を連想させる言葉です。

例えば「本をきちんと並べる」と言えば、本の背表紙を一列にすることが想像出来ます。本を並べる場合には、「ちゃんと」や「しっかり」よりも「きちんと」を使うのが適切です。しかし「ちゃんと」「しっかり」でも間違いではなく、意味は通じます。

また「きちんと時間通りに始める」と言われる場合には、「定刻ぴったり」の意味で「きちんと」が使われています。「きちんと」は「細やかさ、繊細さ」を意味する言葉なので、このような使われ方をすることもあります。

「ちゃんと」の意味

「ちゃんと」とは、他人に見られても恥ずかしくないことを意味しています。例えば母親が子供に「ちゃんとしなさい」と言いつけるのを耳にすることがよくありますが、この言葉は世間体を気にしたものです。

「ちゃんと」という言葉は、見栄えを表現する言葉なので、プロセスに関しては何も表現していません。「きちんと掃除」や「しっかり掃除」は掃除のやり方を表現していますが、「ちゃんと掃除」は掃除の結果を表現しています。

そのため「ちゃんとしなさい」という言葉は「何とかしろ」と実質的には意味が変わりません。「ちゃんとしなさい」と言う人は、どうすれば出来るのかを教えてくれない人です。

そのため、この言葉を言われた人は時として不快感を持ちます。これと似たことですが、「ちゃんとやった?」は確認の言葉であっても、嫌味や小言にもなります。

「しっかり」の意味

「しっかり」とは、確実かつ正確で、信頼を置くことが出来ることを意味しています。「しっかり」は「堅固さ」(読み方:けんごさ)というイメージを持つ言葉です。

例えば物を固定することは「しっかり」と結びつきやすいです。「しっかり」を使うことで固定の強度を表現することが出来るからです。「きちんと固定」や「ちゃんと固定」も使うといえば使いますが、これらは「抜かりなくやった」という手際を表現しています。

また「準備をする」も「しっかり」と結びつきやすいです。準備という基礎の部分が堅固であればあるほど、良い結果が出るからです。「きちんと準備」や「ちゃんと準備」では、準備の手際の良さは示されますが、強固さは示されません。

そして、確実なことには信頼が置けます。「彼はいつも、やるべきことをしっかりやる」や「しっかりした人」と言う場合、相手に対する信頼感が暗に表明されています。

「きちんと」の例文

1.毎朝近所の人にきちんと挨拶することを心掛ける。
2.彼は見るからにきちんとした人だ。
3.彼はきちんとした服を一着も持っていないのかな。
4.人は見た目が大切というのは本当で、初めて会う人でも、身なりがきちんとしていれば変に警戒されることもない。
5.日本人の多くは、順番を礼儀を守り、きちんと並んだり待ったりすることが当たり前であると考える人が多い。
6.部室は休み時間の部員のたまり場となり、至るところにゴミが散乱していたため顧問の先生はキャプテンにきちんと清掃しておくようにと指導した。
7.ここ最近お客さんから接客態度に対するクレームが寄せられることが増えたので、きちんとした接客を指導させるために研修日として明日は臨時休業することとした。

この言葉がよく使われる場面としては、細かいところまで気配りが出来ていることを表現したい時などが挙げられます。「きちんと」は「細やかさ」や「繊細さ」というイメージを持ち、態度であれば礼儀正しさ、服装であれば清潔感などを連想させる言葉です。

例文2の「きちんとした人」は「几帳面」(読み方:きちょうめん)に似ています。几帳面は、細かく正確に行うという意味で、時として融通の利かなさという悪い意味にもなりますが、「きちんと」はもう少し柔軟性を併せ持つイメージで、悪い意味にはなりません。

「ちゃんと」の例文

1.ちゃんと言わないと相手に何も伝わらないよ。
2.泣き叫ぶ子供の隣でちゃんとしなさいと怒鳴りつける母親がいて、正直、気が滅入った。
3.母親がしつこく「ちゃんとやったの?」と聞いてくるので、ゲンナリしている。
4.「友達の家へ行ったらちゃんとご挨拶するのよ」と、小さい頃母は私に耳にタコができるほど繰り返した。
5.小さい子には「ちゃんと座って」ではなく、具体的に「前を見て座って」や「背中を真っ直ぐにして座って」などと言わなければ分からない。
6.母親は息子がゲームばかりをして全く宿題をする気配がなかったため、明日からはちゃんと宿題を終わらせるまでゲーム機を隠しておくことにした。
7.ちゃんとした人間になろうと努めてきたが、周りの人と価値観が違い過ぎるので自分がちゃんとしていると思っているときも言動を注意されることが多く生きづらい。

この言葉がよく使われる場面としては、体裁が整っていること、体面を保っていること、世間体の良さなどを表現したい時などが挙げられます。

「ちゃんと」という言葉は「人から見られて恥ずかしくないように」と言い換えることが出来ます。外見を表現する言葉なので、プロセスには一切関与しません。そのため「ちゃんとして」は「では、どうやってすればいいのか」を示しません。

「ちゃんと」は言われた側に時として不快感を与える言葉です。逆に言えば、「ちゃんとやった?」は単なる確認を装った小言としても使えるということです。

「しっかり」の例文

1.ケンカしている友達に自分の気持ちをしっかり伝えて、仲直りをしようと考えている。
2.横断歩道を渡る時は左右をしっかりと確認してから渡りましょう。
3.この単元をしっかり理解したなら、他の単元は理解が容易になります。
4.子どもが生まれたので親としてしっかりしないといけないと改めて思った。
5.強風に自転車のハンドルを取られそうになり、慌ててしっかりとハンドルを握り直した。
6.しっかり者で有名な叔母は、早いうちから遺言状を書き、生前贈与も生前葬も行い、いつ死んでも良いようにしている。
7.自分ではしっかり物事をこなすことができたと思っても実際にはできてないということは多くあるので、特に会社でのダブルチェック体制は重要である。

この言葉がよく使われる場面としては、確実さ、堅固さを表現したい時などが挙げられます。「しっかり」はやり方を表す言葉です。「しっかり伝える」なら伝え方を表現しています。しっかりやる人は誠実な人で、そのため周囲の人から信頼されることもあります。

確実さ、堅固さというイメージから、「きちんと」や「ちゃんと」に比べて、「しっかり」は「内容が伴っている」という意味合いも強いです。

「しっかり自分の気持ちを伝える」は「相手に伝わっていること」も含意していますが、「きちんと」の場合には、そのような意味はやや薄くなり、自分が上手く話すような意味になることもしばしばあります。

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