同じ「おおもと」という読み方の「大元」と「大本」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「大元」と「大本」という言葉は、どちらも「物事の根源」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
大元と大本の違い
大元と大本の意味の違い
大元と大本の違いを分かりやすく言うと、大元と大本は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。
大元と大本の使い方の違い
一つ目の大元を使った分かりやすい例としては、「問題を解決するために大元に戻って考える」「今こそ政治の大元を正すべきです」「システムが違っていただけで問題の大元は同じでした」「歴史を大元から研究しなおす」などがあります。
二つ目の大本を使った分かりやすい例としては、「不祥事の大本には個人の欲望があるものです」「教育格差の大本を断ち切りたい」「今回の失敗の大本を検証する必要がある」「常に物事の大本に立ち返るようにしています」などがあります。
大元と大本の使い分け方
大元と大本という言葉は、どちらも「おおもと」と読み、物事の根本になるものや最も基本となるものを意味します。
二つの言葉は、同音で同じ意味を持つ言葉であるため、大元と大本は互いに置き換えて使うことができます。上記例文にある「問題の大元」は「問題の大本」に、「失敗の大本」は「失敗の大元」に書き換えることができます。
二つの言葉の相違点である「元」と「本」には違いがありますが、「大元」と「大本」という言葉は区別されずに使用されていることを覚えておきましょう。
大元と大本の英語表記の違い
大元も大本も英語にすると「fundamental」「base」「root」となり、例えば上記の「大元に戻る」を英語にすると「back to basics」となります。
大元の意味
大元とは
大元とは、物事の根源や始まりの部分を意味しています。
大元の読み方
大元の読み方は「おおもと」の他に「だいげん」があります。「だいげん」と読む場合、モンゴル帝国「元」の正式名称となり、意味が異なるので注意しましょう。
表現方法は「大元の会社」「大元の原因」「大元となる」
「大元の会社」「大元の原因」「大元となる」などが、大元を使った一般的な言い回しです。
大元の使い方
大元を使った分かりやすい例としては、「大元の原因を究明するつもりです」「施策の大元となる事項を定める」「子会社は大元の会社に大きな影響を受けます」「突き詰めれば変化の大元を探り当てることができる」などがあります。
その他にも、「地域づくりの大元となる考え方を話し合う」「社訓は経営方針の大元になっている」「古代哲学者は万物の大元は水であると考えていた」「手元のデータと大元のデータを突き合わせる」などがあります。
大元の「元」は、今より前の時や作用の起こるところを意味する漢字です。重要であることを表す「大」と組み合わさり、大元とは、物事の根本になるもの、物や事柄の最も基礎となるものを意味します。
「大元となる考え方」の意味
上記の例文にある「大元となる考え方」とは、様々な施策を打つうえで基本になる考え方を意味します。「基本方針」「根本思想」などと言い換えることができます。
大元の対義語
大元の対義語・反対語としては、物事がより進んだ段階に移っていくことを意味する「発展」などがあります。
大元の類語
大元の類語・類義語としては、物事の一番もとになっているものを意味する「根源」、物事のよりどころとなるもとを意味する「基本」、ある物事を成り立たせる大もとの部分を意味する「基礎」などがあります。
大本の意味
大本とは
大本とは、物事の最も基本となるものを意味しています。
大本の読み方
大本の読み方は三通りあり、「おおもと」の他に「たいほん」「おおほん」とも読みます。「おおもと」と「たいほん」は同じ意味ですが、「おおほん」と読む場合は美濃紙を二つ折りにした判の大形の和本を指し、意味が全く異なります。
大本の使い方
大本を使った分かりやすい例としては、「そもそも大本が間違っているのではないか」「できるだけ早く大本の原因に手を打つべきです」「加盟した店舗は大本の企業にロイヤリティを払う」「私の考えの大本は家庭環境にあります」などがあります。
その他にも、「祖父は会社の大本を一代で築きました」「エラーの大本となった要因を探る」「組織の大本が揺らいでいる」「理論を大本から覆すような発見であった」「大本を正せば全て自分のせいである」などがあります。
大本の「本」は、物事の起こりや物事の根源を意味する漢字です。大切なことを表す「大」と組み合わさり、大本とは、物事の根本であることや、基本になる根本的なものを意味します。物事の存在に関わる重要なポイントを表す言葉です。
大本の対義語
大本の対義語・反対語としては、事物が進歩して複雑なものになることを意味する「進化」などがあります。
大本の類語
大本の類語・類義語としては、物事が成り立っている基礎になるものを意味する「根本」、物事や考え方のおおもととなるところを意味する「根底」、物事を成立させるための基礎となるものや土台を意味する「基盤」などがあります。
大元の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物や事柄の最も基礎となるものを表現したい時などが挙げられます。
例文3の「大元のデータ」とは、作業前のデータのことであり、コピーの原本などを指します。例文4にある「大元の会社」は、親会社を意味しています。
大本の例文
この言葉がよく使われる場面としては、根本となるもの、第一の基本を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、大本の慣用的な慣用的な表現には「大本から見直す」「問題の大本」「大本から変える」などがあります。「問題の大本」とは、問題の始まりや根本的な問題を意味し、「問題の根源」や「問題の根本」などと言い換えることができます。
大元と大本という言葉は、どちらも「おおもと」と読む同音同義語です。意味や使い方に違いはないので、好みや書きやすさにより選べばよいでしょう。