似た意味を持つ「あんちょこ」と「カンペ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「あんちょこ」と「カンペ」という言葉は、どちらも答えが書いてあるもののことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「あんちょこ」と「カンペ」の違い
「あんちょこ」と「カンペ」の意味の違い
「あんちょこ」と「カンペ」の違いを分かりやすく言うと、「あんちょこ」とは教科書を予習するのにいちいち調べたり考えたりせずにすむように作られた手軽な参考書のこと、「カンペ」とはカンニング用の紙片のことという違いです。
「あんちょこ」と「カンペ」の使い方の違い
一つ目の「あんちょこ」を使った分かりやすい例としては、「ミスを減らすためにあんちょこを作ることにしました」「先輩が仕事のあんちょこを作ってくれてとても助かりました」などがあります。
二つ目の「カンペ」を使った分かりやすい例としては、「彼は試験にカンペを持ち込んだようだがバレてしまった」「結婚式のためにカンペを作成する」「カンペを持ち込んだのがバレたら大問題になるだろう」「彼女はカンペを持ち込んだが先生にバレてしまいました」などがあります。
「あんちょこ」と「カンペ」の使い分け方
「あんちょこ」と「カンペ」は共通点がある言葉ですが、意味は少し異なっているので間違えないように注意しましょう。
「あんちょこ」は教科書を予習するのにいちいち調べたり考えたりせずにすむように作られた手軽な参考書のことを意味しており、不正というニュアンスはありません
一方、「カンペ」はカンニング用の紙片のことを意味しており不正というニュアンスがあるのが違いです。
「あんちょこ」と「カンペ」の英語表記の違い
「あんちょこ」を英語にすると「a crib」「a pony」となります。
一方、「カンペ」を英語にすると「cunningpaper」「crib sheet」となり、例えば上記の「彼女はカンペを持ち込んだが先生にバレてしまいました」を英語にすると「She brought in a cunningpaper, but he was caught by the teacher」となります。
「あんちょこ」の意味
「あんちょこ」とは
「あんちょこ」とは、教科書を予習するのにいちいち調べたり考えたりせずにすむように作られた手軽な参考書のことを意味しています。
「あんちょこ」はカタナタで「アンチョコ」と表記することができます。また、別名として教科書ガイドとも言われています。
「あんちょこ」の使い方
「あんちょこ」を使った分かりやすい例としては、「うちはマニュアルがないのであんちょこを作った方がいいだろう」「間違いを減らすためにあんちょこを作成しました」「宿題で楽をするためにあんちょこを購入しました」などがあります。
「あんちょこ」は教科書を予習するのにいちいち調べたり考えたりせずにすむように作られた手軽な参考書のことを意味する俗語です。
俗語とはあらたまった場面では使われないような卑俗な言葉のことを意味しています。他に俗語を挙げるならば、「てめぇ」「やばい」「うざい」「きもい」「ディスる」「ぱくる」「はずい」などがあります。
「あんちょこ」は学生の参考書だけではなく、ビジネスシーンにおいてのマニュアルのことを指す言葉としても使うことができます。
「あんちょこ」は死語に近い言葉
「あんちょこ」は昭和初期には広く使われており、辞書にまで載る言葉でしたが、現代ではあまり使われていないほぼ死語に近い言葉になります。したがって通じない人も多いため、参考書や教科書ガイドに置き換えるといいでしょう。
死語とは昔は使用されていたが、現在では全く使われなくなった言葉のことです。
「あんちょこ」の由来
「あんちょこ」の語源は安直が音変化したことです。安直とは簡単で手軽なことを意味しており、自分で調べずに解答を見る様子が転じて、教科書を予習するのにいちいち調べたり考えたりせずにすむように作られた手軽な参考書のことの意味で使われるようになりました。
「あんちょこ」の類語
「あんちょこ」の類語・類義語としては、調査・研究・教授・学習などの際に参考とする書物のことを意味する「参考書」、読みやすいようにやさしく書かれた入門書や解説書のことを意味する「読本」、教科書にある問題の解答などが書いてある参考書のことを意味する「虎の巻」などがあります。
「カンペ」の意味
「カンペ」とは
「カンペ」とは、カンニング用の紙片のことを意味しています。
「カンペ」の使い方
「カンペ」を使った分かりやすい例としては、「カンペを持ち込んだことがバレて反省文を書くことになりました」「あのADのカンペはとても読みづらい」「試験にカンペを持ち込んでいる人がいないか厳しくチェックしています」などがあります。
「カンペ」はカンニング用の紙片のことの意味の他に、テレビ放送などで、視聴者からは見えない位置で出演者に指示を出すためのボードやスピーチする際に使う用紙のことの意味も持っています。
また、カンニング用の紙片のことの意味で使う場合は不正というニュアンスがありますが、それ以外で使う場合は不正というニュアンスはないと覚えておきましょう。
「カンペ」は「カンニングペーパー」の省略語
「カンペ」は「カンニングペーパー」を省略した和製英語です。和製英語とは日本で英語の単語をつなぎ合わせたり変形させたりして英語らしく作った言葉のことです。他に俗語を挙げるならば、「ゴールイン」「バックミラー」「スキンシップ」などがあります。
「カンペ」の類語
「カンペ」の類語・類義語としては、正しくない行為のことを意味する「不正な」があります。
「あんちょこ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、教科書を予習するのにいちいち調べたり考えたりせずにすむように作られた手軽な参考書のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「あんちょこ」は現代ではあまり使われていない言葉になります。
「カンペ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、カンニング用の紙片のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「カンペ」はマイナスのイメージで使うこともある言葉です。
「あんちょこ」と「カンペ」はどちらも答えが書いてあるもののことを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、教科書を予習するのにいちいち調べたり考えたりせずにすむように作られた手軽な参考書のことを表現したい時は「あんちょこ」を、カンニング用の紙片のことを表現したい時は「カンペ」を使うと覚えておきましょう。